2010年9月23日木曜日

バイタルサインでどこまでわかる?



「バイタルサインでここまでわかる!OKとNG」

バイタルサイン:一般には体温、血圧、呼吸数、心拍数に酸素飽和度を加えたもの。古典的には前者4つ。

【悪寒の3分類】①悪寒戦慄(布団+ブルブル)→敗血症示唆、②中等度悪寒(重着+ブルブル)→RR>30で敗血症示唆、③軽度悪寒(重着でブルブルなし)PR<120なら敗血症らしくない

【⊿20ルール】体温が1℃上昇毎に心拍数が20以上上昇→細菌感染の可能性大 (基準が不明なら36.0℃、心拍70と仮定)

【貧血のフィジカル】①結膜、②爪の色、③手のひら(手掌線が蒼白か?) 【脱水のフィジカル】①舌のしわ、②腋窩乾燥、③皮膚ツルゴール低下

【低血糖の鑑別】①頻脈+血圧上昇→薬剤性低血糖、②頻脈+血圧低下→副腎不全、敗血症、末期肝不全、末期腎不全、③頻脈+血圧正常+頻呼吸→アルコール性ケトアシドーシス

【AF時の脈格差】脈拍数だけでなく、心拍数もチェックする。脈格差(=心拍数-脈拍数)が増大している可能性あり

これまでは呼吸数をGeneral appearanceに含めてしまう医療従事者が多かったのだろう。定量的に記載することで、共有でき、経時的にもフォローできる。忘れがちなバイタルとして、呼吸数や痛みスケール、頸静脈圧を大切にしたい。

以上連続ツイート「バイタルサイン」。
本来、患者さんの状態を把握するのに、重要な指標である。しかし、近年は検査が高度化し、身体診察と並んでないがしろにされがちだ。そして、検査の高度化と反比例して問診・身体診察の取る力は落ちていると言われている。
来年から(もちろん試験に目出度く全て通過した後だが)初期研修が始まるので、問診+バイタルサインを含めた身体診察に重きをおく医療機関で研修したいと切に願うばかりだ。

写真は○千円のLCCが就航するというクアラルンプール。