2010年8月15日日曜日

平静の心

新訂「平静の心 オスラー博士講演集」 日野原重明、仁木久恵 訳

読了した。
師匠に薦められて図書館に借りて読んだ。今までウィリアム・オスラー卿の話は散々耳にしていたが、ちゃんと1冊の本を読むのは初めてだった。
あまりに金言、名言が散りばめられており、twitしたものだけでも15はあった。

1.超然の術
2.系統的方法の徳:高効率システム的学習習慣
3.徹底して行う姿勢
4.謙遜の徳(the grace of humility)
を行えるように心がけたい。駆け出しの最初の5年で、その後の方向性が大きく変わるだろう。来年以降の5年が、ある意味で人生の肝だろう。この5年をどう生きるか。どう追いつめるか。後半年は、その助走期間だ。
そして、人生の肝の5年の後の7年が、残された黄金時代。ここで、何ができるだろうか。

この本は、またキャリアの各段階で読みなおすと、違った感じ方がするのだろう。

とりあえず、系統的時間の使い方として、寝る前30分の英語の勉強と30分のBedside Library(枕元での読書)は実践したい。欲を言えば、起床後30分の成書の読書もしたいが、なかなか定着せず。

平静の心に至る道は遠い。

2010年8月11日水曜日

ファシリテーター心得

① 自分たちの力だけで、うまくできたと思えるように・思わせるように
② 介入する前に、よくよく考える
③ 自分が楽しんで


① 自分たちの力だけで、うまくできたと思えるように・思わせるように
干渉しすぎず、かといって流れからはずれ気味なら放置せず、を心がけて下さい。
もし、ボケ(主に発言する方)とツッコミ(基本的に相槌メインの方)のように完全にチームの役割が決まってしまっていたら、その枠を取っ払ってあげて下さい。ボケはより創造的です。ダブルボケのチームを目指して下さい。
主役はあくまで、プレーヤーであり、自分たちは黒子です。黒子が目立つ芝居にいいものはありません。プレーヤーが最高のパフォーマンスを発揮できるようにサポートしてあげて下さい。そう、火神にパスを出す黒子テツヤのように(ジャンプ読んでないヒトには申し訳ない)。

② 介入する前に、よくよく考える
 何か言いたくなる、教えたくなる、ヒントを出したくなる場面が多々あると思います。しかし、一歩立ち止まって考えて下さい。自分は「導く立場」にあることを忘れないで下さい。A.今この場で言うべきことか、B.フィードバックに言うべきことか、C.後で雑談に混じえて言うべきことか、いつ伝えるのが最も効果的なのか、考えて下さい。一言の発言の重みが、プレーヤー間の発言とは違うことを噛みしめた上で、発言して下さい。
 できれば2,3項目のLearning Listが残るように、導けると最高です、全てが時間内に解決する必要はありません。謎だらけだと消化不良感しか残らず不本意ですが、むしろ謎の残り香がある程度の方が、帰ってからの学習に繋がります。

③ 自分が楽しんで
 自分個人の考えでは、1対多の形式で学生が学生を教えることには、メリット・デメリットはあれ、限界があると思います。しかし、1対寡で形式を工夫すれば、可能性は無限にあると考えています。
今回のシュミレーションは、プレーヤーは模擬研修医です。ファシリテーターはある時は模擬患者、またある時は模擬指導医です。研修医の周囲にいる患者や指導医からみて研修医がどのように映るのかを、研修医になる前に知っておけるチャンスだと思います。
タイムテーブル上は設けられませんが、できれば時間を見つけてプレーヤーからフィードバックをもらうようにすると、後学につながると思います。
ファシリテーター自身が楽しみ、学べると思います。そう、コナンに謎解きされるのを楽しむ怪盗キッドのように(サンデー読んでないヒトには申し訳ない)。

2010年8月2日月曜日

MGH日直第2弾



水戸のMGHの徳田先生の元にお願いして、日直に入らせてもらった。今月で2回目。
最近、卒試、国試やSTEP2の勉強で座学中心のため、今まで培った(といってもそれほど大それたものではないが)臨床感覚を取り戻すには貴重な一日だ。

Dr志水と岡山大・琉球大の5年生を入れて計4名。2チームに別れて対応した。
今までの実習では下の学年がいたとしても、指導医に並列についていたが、今回は直列。
間髪入れない日曜昼間の当直の中で、どう下の学年の方を教えればいいのか、悩んでしまった。しかも、もう片方のチームはDr志水と、明らかに不均等なため、自分と同じチームになって後悔されないようにしたかった。
あまり上手く教えられた自信はないが、なるべく本人で考えてもらって多くの患者さんに対応してもらうようにした。最高の先生は患者さんだろう。

やはりこの時期は熱中症が多いが、「熱中症みたいな症状で・・・」といって話を聴いてみると感染症の疑いがあったりと気が抜けない。
際限なく押し寄せる患者さんの波と格闘しているうちに気づくと15時。昼食をかきこんで、下に行くと同時多発的に対応しないといけなくなり、5年生とは離れ離れに。昼下がりは入院となるであろう他院から紹介されてきた患者さんの対応に追われて、気づくと17時。

バスは17時半発だが、それまでに間に合う見込みがないので、諦めて皆さんと電車で帰ることにした。

ゆっくり考えることができない臨床現場のスピード感が何よりも楽しい。
判断を迫られる場面もあり、その瞬間瞬間で自分の成長に繋がっていることが実感できる。
失敗も多かったし、(特に手技系は継続して行なっていない+脱水の方が多く基本的に難しい)至らない点も多かったが、とても勉強にはなる。

また来月も伺いたい。今月は半ばにも伺うが。

明日も、もがいて、もがいて楽しもう。