2009年5月31日日曜日

ローマ人の物語6

「パクス・ロマーナ(上)」、「パクス・ロマーナ(中)」

~人は、他に心を傾けるものがないと、それまでのものにより強くすがりつくのが常だ~
何か心の拠り所となるものをヒトは欲している。左脳(比較的理論思考型の領域と考えられている)ばかり使っていないで、右脳(比較的創造感性型の領域と考えられている)を使うような時間も作るようにアドバイスを受けた。多分、自分は右脳をうまく使えていないため、左脳によりすがりたくなっているのだろうか?

~無理強いは、永続にとっては最大の敵なのだ~
持続可能性を残すには、一時のがんばりではなく、続けられるシステム作りが重要。一人では絶望するような仕事量や負荷でも、複数で並列なり直列なりで分担すれば、解決が可能になるやもしれない。
本当にそれが無理強いなのか?単なる甘えではないのか?この境界を常に自問自答するようにしたい。

2009年5月28日木曜日

personal letter and Curriculum Vitae

Today, I talked with my English teacher about personal letter and Curriculum Vitae.

This is my first time to write these document. Maybe I will write more time when I will apply matching for junior resident program in Japan and my future plan.
I will have to study how to write more attractive personal letter and CV in this weekend.

I know that these desk works are necessary to knock doors which lead me to next stage. However, I don't like these desk works deprove my study time.

Today's content is little poor because my computer's Internet connection is unstable.
I will write better topic next time.


2009年5月27日水曜日

走る

最近、めっきり運動量が減っている。
週2,3回ループを夜走って、筋トレをするぐらいがやっとだ。最悪、週1回しか運動できない時もある。
腹の減りと、その日に残された自由時間(あまり寝る直前では、体が起きてしまい寝つきが悪くなるため)、天気と相談して、走るかどうか決める。

体を動かすと、一般にはリフレッシュするという。
体を動かすと、脳にのみ集中していた血液が体全体に均等に再分布されるようなイメージが、自分の中にある。

考え事や悩み事をしていると、走り始める時にはnegativeであったものが、走り終わる時にはpositiveに変わっている。自分の中に貯め込んだ負の遺残物が汗と共に体外に排出されるようなイメージが、自分の中にある。

そして、自分の限界について再認する。頭の中でのシュミレーションでは十分実現可能であることでも、走りながら体力の減りを実感していくと、連動して実際の体力・知力の限界を考慮したより実現可能性の高いものに書きかえられる。

「走る」ことについて、そんなイメージが自分の中にある。

2009年5月26日火曜日

Dr.Tierney's diagnostic process

「Principles of Dr.Tierney's diagnostic process」

This book is written about how we can diagnose illness from history and physical. I borrow this book from my friend.
In this book, there are some cases for learning diagnose process. Almost all cases are difficult for me to reach right diagnosis. I maybe give an illusion of my diagnositic skill in case study group. In case study group, we can list up more diagnostic disease than one of us can do that.

I respect Dr.Aoki, and his teacher is Dr.Tierney. Dr.Tierney is said 'God of diagnosis' in our country. I want to see him someday.
In this book, there are many impressive clinical pearls. Clinical pearls mean useful proverbs for clinican.

'History is 70%, physical is 20%, examination is 10%'
In Japan, we can access medical resource easily. Patient tends to ask doctor to do expensive exams, and doctors depend on those exam. But is it really necessary?
I want be a doctor like Dr.Tierney.

2009年5月24日日曜日

K病院見学

昨日、K病院に見学に伺った。

片道3時間かかり、移動だけでだいぶエネルギーを要したが、雰囲気を肌で感じられて、足を運んだかいはあったと思う。
施設も充実していて、先生方のチャレンジ精神溢れる感じが印象的だった。新しいものを積極的に取り入れようとする姿勢は、見習いと感じた。

参加している学生は、モチベーションが高く話していて刺激になった。遠路からこの見学会のためにこられている方もいて、関東圏にいるということはアクセス上はかなり有利であることを再認した。

case study 「嚥下困難+呼吸困難」

今週の担当はS木師匠でNEJMのケースレポートが題材。やはり難しかった。議論の方向性は間違っていなかったが、細かい知識や経験がないため、つっこんだ議論はできなかった。

嚥下困難の鑑別としては・・・
腫瘍:食道、下咽頭、縦隔、甲状腺、脳、耳下腺、肺
膠原病:強皮症、SS
消化器:アカラシア、IBD、GERD
神経:ALS、脳卒中、MS
感染症:急性口頭蓋炎、脳炎、上気道炎、咽頭炎
循環:左房拡大(MS,MR,ASD,VSD)
呼吸器:IP、肺線維症、胸膜炎、中皮腫
リンパ腫、サルコイドーシス、アミロイドーシス、心因性、薬剤性(クロルプロマジン)、放射線障害、脱水、AN

石灰化と骨化の違いなど勉強になった。今後、実習先がバラバラになるので、少し周囲に声をかけてメンバーを増やすか、新形式を導入するか、する予定。
来週は・・・

2009年5月20日水曜日

Step1について②

2年生の冬に、有志で週一回勉強会を始めた。
一人2,3問分担して、問題や解答の和訳を作成。自分らのレベルでわからない内容についてさらに捕捉で調べて資料を作る。勉強会の時は、それらを配り解説するという形。問題集はKaplanの市販の問題集を使った。

まず、毎回やる範囲を全て目を通してくる人はいなかったし、なによりレビュー本であるFirst Aid for USMLE Step1に準拠して、勉強会を進める感じでもなかった。何よりも、医学英語が0で、もともとの英語能力も抜きん出ているわけではなかった。そのため、数問解くのに週末1つが潰れるほど、難渋した。

First Aid for USMLE Step1というレビュー本は、受験者のほとんどが手にするほど一般的であったし、事実、質も高かった。毎年改定されるので、自分は2年と4年の時に買った。後者の版は、本当に毎日持ち歩いたし、開かない日はなかった。手あかで変色するくらい開いたし、最後の方は本が壊れてしまったので、セロハンテープでページを止めて使った程。本当に隅から隅まで何が書いてあるか把握することが、まず最初に取り組むことだと思う(教科書を読みながらでも、問題集を解きながらでも)。

retrospectiveに考えると、最初に手をつける問題集をKaplanにした時点で間違いであったと思う。もっと入門編にふさわしい問題集は山とあった。

そんなこんなで、資料作りに莫大な労力を割かれる、お互いに発展的な議論をできる程知識がない、などの理由がもとにあり、さらに3年生の新勧時期の勉強会中止を機に、自然消滅してしまった。この経験は後のcase study勉強会には生かさせることになったし、何より一人ではStep1に手をつけ始めようとは思えなかっただろう。そのような意味では意味はあった。

そして、一人になった自分は4年の夏休み最後か、6年の卒試中か、6年の国試後のいずれに照準を絞るか考え始めた。

スペイン風邪

「史上最悪のインフルエンザ」 A・W・クロスビー

1917~1918年に流行ったインフルエンザについての本。まさに史上最悪。今から40年くらい前に書かれたが、今日でも学ぶべきことが多い。
前半は軍隊(時同じくしてWWⅠ)や地域での流行を記録に基づいて詳細にリアルに描かれている。そして、パリ講和会議にもたらした影響。後半はいかに病原体をウィルスと決めたか、という研究者達と研究手法の話。当時はファイファー桿菌が原因と考えられていた。

WWⅠやその時代背景を知る上でも貴重な資料になっている。
そして、ウィルスが残っていないため、あの流行の原因は解明できていない。
確かにあの時代より、医学は進歩しているし、公衆衛生も改善されている、世界大戦最中でもない。しかし、それらのアドバンテージすら凌駕する変異をしてこないとは誰にもわからない。
医学は、少数の患者に集中的にエネルギーを投入して治すのは得意だが、大多数の患者に効率的にエネルギーを投入するのは苦手であるという作者の考察には納得させられる。

翻って現在。新型インフルエンザ確定例が10,000に達した。
T大の対策指針としては、保育園や幼稚園が休園になった際に、他に面倒をみられる人はいなければ、親が休めるようになっている。ちゃんと配慮してるのは評価したい。一律に、集うことを禁止すると、社会の至るところにそのしわ寄せが寄ってくる。

第2波や次なるインフルのために、迅速診断キットはセーブしておくべきだと思う。国内流行期に入った今はもう、健常人に対して検査しても、「自宅安静」しか治療はないので、outcomeに変化ない。検査するのは、ハイリスク群(タミフル投与の対象となりうる)のみで十分ではないか。既に迅速キットも品薄状態になりつつあるらしい。

2009年5月18日月曜日

新型インフル

日本国内でH1N1の確定例が出たということで大騒ぎになっている

爆発的に感染者が増えているのは、①感染力の比較的強い株が関西近辺に流行った②検査体制が整い確定するのに短時間になった、の2つが考えられる。(③メディアが煽って心配になった人たちが病院に殺到して検体が増えた、というのもあるかも)

ちなみに非感染者のマスク着用についてはエビデンスはない。マスクは感染した際に周囲に広げないという効果はあるが。手洗い・うがいは効果が認められている(T大のHPもよく読むとこのように書いてある)。結構ちゃんと対応(マスクの記載や潜伏期間、対応のレベルダウンなど)していると、今のところは評価している。近辺での確定例の発生の際にも、情報を集めてオーバーでない対応をして欲しいと願っている。

1917~1918年に流行ったスペインかぜの時は、マスク着用を義務付け、だらしなく着けている人を逮捕するまでの徹底ぶりだったそうだ。今から思うと科学的でないとか、人権侵害だとか、文句はいくらでもつけられるし、少々ヒステリックな気もするが、当時のunknownな病原体に対する、考えられる限りの対応をしようという姿勢は読み取れる。実際にあの株の感染性、毒性は本当に未曾有のものだったことが伺える。
そして、過労の医療スタッフの方々が多く感染する事態となった。

最近気になっていることとしては、
次の季節性インフル予防接種を受ける人が増えそうなので、足りるのか??しかもH1N1のワクチンの作成も同時並行で行う予定らしい

パンデミックとの戦いは1st stageだけでは終わらない。現在危惧しているのは、
A.現在の弱毒株に対して過剰な対応をしてパニックになる、現場の予備力の低下
B.今回過剰対応して、警戒感が薄れ、強毒化したときにも対応が遅れる、現場に対応能力が既に枯渇してしまっている(スペインかぜの時も1st stageはヨーロッパでmildな株が流行った後に、アメリカで史上最悪となって流行った)
もちろんBが起らないのを願うばかりだが、これから先のことは誰にもわからない。
これらの考えを踏まえ、早く対応をレベルダウンして、強毒化の有無に注視する。そして今回の対応の改善点を踏まえ、早く次の株・強毒化株・もしくは違う病原体に対する準備に入る。

昨日一日かけてPCを再セットアップしたのに、最後の最後でバグっておじゃんになってしまった・・・昨日一日パーになってしまったし家のPCも現在使えない(泣)

2009年5月17日日曜日

続EBM実践ワークブック

「続EBM実践ワークブック」名郷直樹

現在アメリカで研修中のO塚先生に薦められた書。ずっと読もうとリストには入れていたが、STEP1などで他の勉強をする時間がなく、延ばし延ばしになっていた。

EBM実践の5つのステップ
1.患者さんの問題の定式化
2.情報収集
3.得られた情報の批判的吟味
4.情報の患者さんへの適用
5.上記のプロセスの評価

上記のようなステップを意識していなかったので、勉強になった。忙しい診療の合間にいかにして効率よく情報を収集し、目の前の患者さんに適用するか。なるべくリアルな状況をシナリオを通して学べて勉強になった。

医学とは離れるが、これは日々の自分の生活の中でも行っていることだ。
1.自分の問題の定式化
2.情報収集
3.得られた情報の批判的吟味
4.情報の自分への適用
5.上記のプロセスの評価
本を読んだり、人の話を聞いたり、ネットで調べたりしたことを、吟味して自分ティストにして消化できる形にして食べてみる(実践してみる)。うまくいけば同化し、うまくいかなければ合わないものとして出す。
ただ、自身に対して批判的吟味をするのはもちろん大切だが、自己嫌悪にならないように注意しないと・・・最近この傾向が強いかもしれない。

スラムドッグミリオネラの子役達

CNNを見ていたらスラムドッグミリオネラの子役について触れられていた。

以前その映画に出ている子役のうまさについて印象に残ったと言及したが、ヒーロー・ヒロインの幼少期の役は実際にスラムに住む子供から抜擢された。
映画の注目と共に彼らへの注目も高まり、それまでの生活と大きく変わろうとしている。現実の世界でもスラムドッグミリオネラとなりつつある。
舞台となったムンバイについて、映画の中で「ボンベイからムンバイに名前が変わったの期にこの都市の高度成長が始まり・・・」とあった。1995年に英語での公式名称がボンベイ(Bombay)から、現地語(マラーティー語)での名称にもとづくムンバイへと変更された。(ウィキペディア)
これからも「ボリウッド」(街の旧名「ボンベイ」とハリウッドをもじった、映画の街という意味)で多くの素晴らしい映画が作られることに期待したい。

「スラムの多くの人を救いたい」
ナレーターは最後にこう付け加えた。
彼女の夢はスラムドッグミリオネラより大きいようです。

2009年5月16日土曜日

casestudy「四肢脱力」

投稿は16日だが、開催は14日。S藤君の担当。

四肢脱力に対する鑑別として、
stroke, infarction, tumor, encephalitis, CDJ, SCD, hernia, SCDC, ALS, syringomyelia,  Fredrich ataxia, neurosyphillus, MS, GBS, DM, botulism, MG, organophosphate, PM/DM, paraneoplastic syndrome(LES含む), hypokalemia, hyperthyroidism/hypothyroidism

65歳男性、一ヶ月続く四肢脱力で来院。
problem list
#1四肢脱力、起立不可
#2体重減少、食欲低下

L/D上、K低下でhypokalemia、尿中のK排泄が低下していないことから、RTA type1(遠位尿細管型)。
次回は担当はS木師匠。

しばらく更新していなかったので、記事が貯まってしまった・・・・

日本酒

漫画「夏子の酒」

今日一日ひどい二日酔いだったので、アセトアルデヒドの嵐が過ぎ去るまで、ごろごろしながら一気に読んだ。今、ワンゲルのうちらの代で回して読んでいる。

扱っているのはなかなか考えさせられる内容だった。日本の農業の抱える問題(高齢化・後継者問題、農薬、減反政策、機械化、離農)、日本酒作りにかける熱意、幻の酒作りを通して変わる夏子とその周りの人々。情熱をもって取り組んだ仕事は後世まで残り、そのヒトは語り継がれる。
新自由主義に対して疑問が投げかけられている現在、市場原理では淘汰されてしまうが、いい物が作れる・いい仕事ができる中小の事業が生き残っていけるような仕組みができないものか、と考えてしまう。
味や匂いは伝えるのが難しい。言葉にできない、言葉にするとどこか抜け落ちてしまう、拾い切れないものがある。
万流という言葉が印象に残った。万通りのやり方(流儀)それぞれがある。自分の価値観を他者に押し付けるのは本意ではない。
二日酔いだったが、読んでいて日本酒を飲みたくなってきた。

読んでいて宮本輝の「優駿」を思い出した。

新型インフル

神戸市で渡航歴なしの新型インフルエンザ感染例が見つかった。
経過はこちら↓
http://www.asahi.com/national/update/0516/OSK200905160054.html
これを受けて神戸市では22日まで学校や集会の停止を決めている。

新型インフルを疑うには、渡航歴+インフルエンザ様症状今までとしていたが、その定義も変えなければならなくなるだろう。

水際作戦として検疫は失敗に終わったのではない。日本や中国以外、確かに多くの国では検疫という対策をとっていない。マンパワーや資材・時間の制約の中では、もともとある程度の漏れが出てしまう仕組みであるから、今回の事態が確認されるのも時間の問題ではあった。ただ、国内流行を遅らせ、検査体制を整えるまでの時間稼ぎができたという意味では、一定の評価があると感じている。今回の一連の流行終焉後に再評価されることを望む。

今回も個人情報がだいぶ流れてしまっている。このようになるのが怖いから、黙っているといった傾向にならないかと危惧される。そうなると、正確に流行状況を確認し、拡大を抑えるといった対策を講じるのが後手に回るからだ。

今、スペイン風邪の本を読んでいるが、あの時も今もウィルスに対しての特効薬がないのは同じである。人が集まるのを避けるといった基本的対策はあの時と一緒。ただ、症例の報告義務や感染症対策センターがあるといった、システムがあるのは現在だからこその強みだ。読後に改めて考察したい。

今回のような感染性も毒性もそれほど高くない病原体のパンデミックにおいて、本当に怖いのは、病原体自体ではなくてパニックだ。

2009年5月13日水曜日

思考中と思考停止

往々にして善悪のような2元論で語られる際には、善悪の境界線を引いた時点で思考が停止する。
思考停止後は、完全にオートマトン(いわゆる日々のルーチンをこなす状態)や周囲に(いわゆる流れに任せる状態)支配されてしまう状態にある。

思考停止に陥らないためには、
①物事を2元論で語らず、勾配や濃淡の差として捉える
②作業に入る前に際にあらゆる可能性について(最悪から最良の事態まで)想定し、その際にどう動くかシュミレーションを済ます

最近、思考モードと思考停止モードが恣意的に切り替えられるようになってきつつあると感じる。
どうしようもなく苦痛な時間を過ごさなければならない時、思考停止していれば、自分の存在意義やその時間の無意味さに対して苦悩する必要がないから・・・。
逆に、どうしようもなく苦痛な時間を過ごさなければならない時、その時間が去った後にどう効率よく作業をするかを、リストを作って順番を思考していればさほど苦痛にはならない。この思考は長時間は続かないので、リストと順番が決まった後は思考停止に移行せざるを得ないが。

ヒトは見たくない現実を直視できず、見たいと思う現実しかみない。見たくない現実に直面した時は思考停止状態になってしまう。見たくない現実を直視するには、直視できる強いハートをもつのが一番だろう。
自分にはそんなハートがないし、しばらくはもてる見込みがないから、「想定しうる最悪の事態を常に考慮しその際の行動を自分の中でシュミレーションしておく」しかないと今は思う。見たくない現実を直視はできなくても、とりあえずは最善の対処はできるだろうから・・・。

2009年5月10日日曜日

大菩薩山

久しぶりに山行に行った。
春休みに屋久島に行ったが、日帰りだったし、道も整備されていてハイキングっぽかったので、昨日・今日が実質久しぶりの山。去年春から今年の1月までStep1地獄にはまっていたため、去年の冬研合宿以来の山。

金曜夜19時に実習終了後にY口から連絡があって急遽行くことに決めた。準備してとりあえずすぐ寝る。翌朝5時過ぎの始発でK手さんとY口と大菩薩山へ。本当は土曜日に都内で講義を聞くはずだったけど、すっぽかして山に来てしまった。

正直、直前まで行こうか迷っていた。最近5月病なのか、やる気が著しく減退していて、周りのことをネガティブに捉えがちな自分がいた。気分を変えて山に行けば何か突破口が見出せるのでは!?と個人的には位置づけていた。

現役の本隊を追いかけて、登ったが実際は追いつけず・・・途中すれ違った登山者に「5分前にすれ違った」という情報を得て、必ず追いつけると確信していたが、実際は20分くらい差があったらしい。
現役のパーティーだけで18人という大集団(ちなみに下山後の温泉では団体割引すら使えた)。しかも新人が今年は多い!しかも天候に恵まれた。

全員の新人とは絡めなかったけど、皆の目が輝いていて。「授業はこれこれが大変で」とか「大学生のうちにこれこれをしたい」とか、自分もうん年前は同じ目の輝きをもっていた(はず)。最近悲観的な見方しかしていなかった自分が恥ずかしく、自省の念に駆られた。

食事を時間をかけて準備したり、寝る時間を確保したり、下界でないがしろにしがちなヒトとして生きるために必要なことにしっかり時間を割くことの深さを感じた。

久しぶりの山で、いろいろな不備(※・学割・地形図・レーション・もちろんデジカメも、などなど)があったけど、皆のサポートで何とか無事下山。リハビリには丁度良かった。梅雨までにもう一回くらいどこかに登れればいいな!!
また明日から一週間頑張ろう!!

case study 「腹痛」

5/7のcase studyの担当は自分だった。
以前先輩の勉強会に混じって取り組んでいた100casesという症例本の未解の問題を用いた。

腹痛全般鑑別としては部位別に
心窩部:MI、gastric/duodenal ulcer、biliary disease
中央:IBD(Crohn, UC)、AAA、IBS、DKA、gastroenteritis、bowel obstruction
右季肋部:biliary disease、hepatitis、diverticulitis、renal colic
左季肋部:splenic injury、diverticulitis、renal colic
右下腹部:appendictis、ovarian disease、PID、ruptured ectopic pregnancy
左下腹部:ovarian disease、PID、ruptured ectopic pregnancy

一例目は十二指腸潰瘍→消化管出血→鉄欠乏性貧血
二例目はAFの既往で突然の腹痛→血圧低下しショックに→腸管虚血+敗血症性ショック

初めてデジカメで図や表の引用を試みたが、以外に綺麗に添付できた。
次回はS木君担当・・・

2009年5月7日木曜日

新型インフルエンザについて20090507

当初予想されているより、H1N1インフルエンザの感染力・毒性が低かったため、専門家の中でも緩やかなものになるのでは??と楽観視する声が多いようです。

米国での感染確定例の増加は、今週からCDCのみに限らず地方の保健所レベルでもこの株の同定が行えるように体制が整った(それまでは疑い例の検体が大量に送られてきて検査能力を超えていた)ためと考えるのが妥当です。
このように検査体制が整うと、一見データ上は悪くなっているように見えるので、そのようなファクターを差し引いて変化をみるべきです。

その反面、H5N1インフルエンザは、感染力自体は今のところ低いですが、毒性は極めて高い(データ上感染例が423例、死亡例が258例、死亡率は61%、もちろん国の医療事情によっては軽症では病院に来ないため重症感染例のみが分母になっている傾向はあると考えられますが)ので、今日明日にパンデミックになる確率は低くても、今後とも警戒を続けるべきだと思います。

今回の株は、パンデミック対策の限界や問題点・改善点、マスコミの扱い方などを探る上で、重要なものになっていると考えます。

まだT大の方針はHP上変わってないようですが・・・近いうちに対策も緩やかなものになるのでは!?

スラムドッグ・ミリオネラ

インディアン・ドリームの映画。
自分は子役のうまさに目が引かれた。
リアルにインドの人たちの生活を描いていて(自分は行ったことはないが、経験者曰く)、彼らのバイタリティの高さ、目の輝きに圧倒されそうだった。

久し振りに映画館に足を運んだ。出不精の自分は、誘ってもらえないといけないようだ。

2009年5月6日水曜日

ローマ人の物語5

「ユリウス・カエサル ルニコン川以降(中)」「ユリウス・カエサル ルニコン川以降(下)」

カエサルの「寛容」姿勢で温存された反カエサル派によって、暗殺される。「寛容」の精神は、優位に立った際に周囲の懐柔を容易にする(いわゆる雪崩現象)反面、許された反抗勢力の温存を許してしまうという面もある。

教師と医師の社会的地位の向上は、カエサルによるところも多いらしい。
元々ローマ人は子供の教育に熱心で、ギリシャ人の奴隷教師も高額で取引され、高待遇だったそう。教育の医療はどの国、時代でも大切さは変わらない。

初代皇帝アウグスツゥスの誕生。キリスト誕生時のバックグラウンドが追えたので、中高時代に感じていた聖書に対する一抹の消化不良感が払拭された。

これから「史上最悪のインフルエンザ」A・W・クロスビーを読もう。

2009年5月5日火曜日

SARS

「世界を救った医師 SARSと闘い死んだカルロ・ウルバニの27日」

新型インフルエンザでパンデミックが心配される昨今なので、過去のパンデミックについて調べようと思って再読した。4年前に読んだ時も感動した覚えがある。今回の方が自身が現場に近づいているせいか、登場している方々についての自分の認知が深まっているせいか、より強く心を動かされた。

2003年、29の国、8096人の感染者、774人の死者を出したSARSは、当初未知のウィルスに関わらず、急激な症状の悪化で亡くなる方が多かった。初期にベトナム、のハノイ-フレンチ病院で謎の肺炎患者と接触したウルバニは、WHO職員として感染が広がる院内に踏みとどまり、病状の把握や検体の採取を行い、フレンチ病院の封鎖を見届ける。自分自身の感染を自覚していたウルバニはタイ・バンコクに出国し、そこで帰らぬ人となった。

これから、非常に困難な決断を迫られることがあると思う。その時に自分の信念を曲げない決断をできるように、その時の自分が振り返っても悔いを残さないように、一日を過ごそう。

1918~1919年に2000万人~4000万人が亡くなったスペイン風邪についての本もこれから読もう。

2009年5月4日月曜日

医師づくり

「ハーバードの医師づくり―最高の医療はこうして生まれる 」

実家の本棚に置いてあったのを再び手にとってみた。5年前くらいの自分とは置かれている状況が異なるため、再読すれば違ったものが得られるのではないかと、斜め読みした。

米国で学ぶ医学生の大変さ、必死さを垣間見れて、いい刺激となった。
教育熱心な方々の善意に支えられて、充実した教育プログラムになっている。ロールモデルとしたい尊敬できる方にも多く出会える予感がする。
この本の出版(2002年)と比して、日本でもOSCE、advanced-OSCEの導入など改善がみられていることには一定の評価をしたい。

せっかく日米両国の医療を経験する機会を得た筆者であれば、報告にとどまらず、現状の日本の医療で取り入れられるところまで言及してもらえれば、さらによかったと感じた。

ローマ人の物語4

「ユリウス・カエサル ルニコン川以降(上)」

~天才と才のある者の違いは知性と情熱の合一である~
知性とその知性の拡大再生産を続ける情熱の両方を有していれば、ゆるぎない知性となる。
知性に加え、情熱さえもコントロールするのは、並大抵のことではない。

~人は見たいと思う現実しか見えない~
人の認識の限界。バイアスはぬぐえない。今そこにある“危機”があったとしても見ようとしないと見えない。見ようとしない言い訳はいくらでもできる。
まずは、どんなに都合の悪い事実でも見ようとしよう。

2009年5月3日日曜日

新型インフルエンザ現状と課題

水際作戦として、
①帰国者に対して発熱を確認するためのサーモグラフィでチェック
②症状があれば、迅速診断キットでAかBか型判定
③A(+)ならPCRで既知の新型インフルエンザ株と配列を比較
これらを経て確定となる

①潜伏期間中に検疫を通過する可能性はある
②迅速キットの感度・特異度が不明(キットの種類により差があるが)。A(-)B(-)の際も可能性はある。実際USAでは迅速キットには頼っていない。
③確定までに時間がかかる。日本にもPCRのために新型の株が届けられたらしいので、以前よりは早くなると思われるが、特に国内一例目の確定には慎重になるため時間を要するだろう。
と理論的に考えると万全とはいえない。
とはいえ、動員できるマンパワーや機材を考えるとこれが、妥当だろうと考えられる。昨日だけで46000人が海外に出てしまった。GW後半~GW後が・・・


医療機関の対応として、
急性期:まだ数例の時点では、感染拡大を抑えるため、陰圧室で管理し、他者との接触を避けるように。
蔓延期:感染拡大が起こった際は、軽症例は自宅待機、重症例のみ入院。
と2つのフェーズに大別できる。
これらを通常業務もこなしつつ、(ただでさえ、GW後は旅行者感染症は多い)やるには本当に大変。お疲れ様です。

新型インフルエンザ理解のための予備知識

人間が感染するもの:細菌、ウィルス、真菌、寄生虫、原生生物

ウィルス:DNAウィルス、RNAウィルス

インフルエンザウィルスはRNAウィルスで、オルソミクソウィルス(Orthomyxovirus)というファミリーに属す。RNAウィルスの中でも特殊で、8つのセグメントに分かれるRNA構造をもつ。
RNA配列がランダムに変異することを、genetic drift。これはウィルス一般に起こる。季節性インフルエンザに毎年かかる原因になる。
一方、インフルエンザウィルスはセグメント状のRNA構造をもつため、1つの細胞に複数のウィルスが感染すると、セグメントごと入れ替わるgenetic shift。これが起こるとpandemicになる危険がある。
表面にヘマグルチンニン(H)とノイラミニダーゼ(N)という抗原がある。Hは16種、N9種、全部で144通りの抗原の組み合わせがある。

新型インフルエンザはH1N1の型の抗原をもつ。
今回の新型インフルンザは、豚、人の細胞に対して親和性があり、しかも今までみつかっていないRNA配列のため、新型とされている。今回流行の型に対して免疫をもつヒトはいない。現在までのところ、どこが感染源であったのかは不明。

2009年5月2日土曜日

ウェブ進化論

「ウェブ進化論 ~本当の大変化はこれから始まる~」 梅田望夫

友人から借りて読ませてもらった。「ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」「ブログがジャーナリズムを変える」(NTT出版)などの関連本を第一大学時代に読んでいたので、理解はしやすかった。きっかけは立花隆の「インターネットとジャーナリズム」という講義を受けて、その際にススメられたので手に取った。特に「ザ・サーチ」を読んだときは、これからのネットの可能性に血が騒いだ覚えがある。日本人からの眼が取り入れられている面では新鮮だった。

~motivationの高いメンバーだけで構成される小さな組織で、全ての情報が共有されると、ものすごいスピードで物事が進み、大きなパワーを生む~
小さな組織の方が機動性が高く、コンセンサスも得られやすい。逆に大所帯になると何をするにもじかんがかかる。確かに仕事に応じてチームの規模も変わるが。
自分の参加している有志の勉強会もこんな集まりになれれば、と密かに期待している。これから実習先や時期がバラバラになって集いにくくなるので、新しいツールの活用など対策を講じ始めないと。

~80%は既存の仕事、20%は新規の自分独自のプロジェクト~
自分の時間配分もこのようにできれば理想。実情は・・・95%は既存、5%はそれ以外の教養のための時間。本当は、感染症・EBM・免疫など既存に関連し、既存を深めるために必要な時間と、第3外国語やプログラミング、芸術鑑賞などさらに幅を広げるための時間が欲しい。
「○○がない」と嘆かずに「これもあれもできた。次はこれもしよう」とpositiveに考えたい。

2009年5月1日金曜日

新型インフルエンザ

ブタインフルエンザから新型インフルエンザという表現に改められた。通称“トンフルエンザ”と呼ばれているらしいとか。
各機関がそれぞれ対策を提示している。

医療機関では連日、動向をみながら対応を協議している。発熱外来の設置のタイミング、疑い例発生の際の対応。明日からGWなので、普段より少ない人員で回さなければいけない、周囲のクリニックは休診で殺到、といった現場の方々の苦労を察するに余りある。
ただ、こんな情勢の中でもポジティブに考えるなら、いきなり病院に行かずに相談センターに電話してから受診の必要・不要を判断する仕組みが、新型インフルエンザ以外に対しても一般的になれば、現場の疲弊を食い止めるい一助になるのでは、と考えている。

ECFMGではStep2CSの受験可能機関の延長を検討している。

T大では、既に渡航歴のある方には帰国後10日間は出席停止を実施しており、国内で確定例が出れば全学休学にする処置をとるとのこと。課外活動の中止も含まれるので、部活やクラブも対応しないと。

日本国内でも疑い例が出て、誤報も錯綜し深夜のTVはパニックになったらしい(自分は完全に寝てたが)。厚生労働大臣が確定例ならまだしも疑い例なのに、深夜に会見するのか・・・ちなみに感染症の先生方はTVをつけたまま寝て、うつらうつらしながらも情勢をモニターリングしているらしい。

ブラックジョークじゃなく実際にあった話

深夜にパニクった大臣が「パニックにならないで下さい」という皮肉
国立感染症研究所の名を語った「ブタインフルエンザに関する資料」という添付文書に仕掛けられたコンピューターウィルスという皮肉

ローマ人の物語3

「ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)」「ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)」

~批難とは総じて批難される側よりも批難する側を写すことが多い~
他人のnegativeな面を捉えている時、自分自身も持っている後ろめたい面の投射であることが間々ある。他人に対する不満は自分自身に対する不満の鏡なのか。

~カエサルは自分の考えに忠実に生きることを課した~
首尾一貫するというのは、口で言うのは簡単だが、実際は難しい局面に立たされることも多い。
他人も自身も納得するには、自分が決めて自分で課した芯を自身に通す。そんな人になれれば・・・

ガリア戦役後、ついに始まるカエサルとポンペイウスの激突を期待させる静かな記載が印象的

case study「皮膚感染症」

case1右下腿の進行性の発赤と熱感に対する鑑別診断として
感染症:蜂窩織炎、壊死性筋膜炎、播種性淋菌症、Lyme disase、SSSS、Rockey mountain spotted fever
非感染症:DVT、(固定性)薬疹、急性通風、熱傷、ムシさされ

case2散在性水疱に対する鑑別診断として
感染症:水痘、帯状疱疹、ヘルペス、麻疹、天然痘、(手足口病、ヘルパンギーンナが出せなかった)
非感染症:尋常性天疱ソウ、落葉性天疱ソウ、水疱性類天疱ソウ、2度熱傷

が挙がった。
丹毒と蜂窩織炎の違いは勉強になった。
丹毒:比較的浅く、境界明瞭
蜂窩織炎:比較的深く、境界不明瞭

最近レベルが上がってきているので、自分もうる覚えの事項が多くなってきた。勉強しなきゃという危機感とモチィベアップするいい機会!!