今日一日ひどい二日酔いだったので、アセトアルデヒドの嵐が過ぎ去るまで、ごろごろしながら一気に読んだ。今、ワンゲルのうちらの代で回して読んでいる。
扱っているのはなかなか考えさせられる内容だった。日本の農業の抱える問題(高齢化・後継者問題、農薬、減反政策、機械化、離農)、日本酒作りにかける熱意、幻の酒作りを通して変わる夏子とその周りの人々。情熱をもって取り組んだ仕事は後世まで残り、そのヒトは語り継がれる。
新自由主義に対して疑問が投げかけられている現在、市場原理では淘汰されてしまうが、いい物が作れる・いい仕事ができる中小の事業が生き残っていけるような仕組みができないものか、と考えてしまう。
味や匂いは伝えるのが難しい。言葉にできない、言葉にするとどこか抜け落ちてしまう、拾い切れないものがある。
万流という言葉が印象に残った。万通りのやり方(流儀)それぞれがある。自分の価値観を他者に押し付けるのは本意ではない。
二日酔いだったが、読んでいて日本酒を飲みたくなってきた。
読んでいて宮本輝の「優駿」を思い出した。