2009年5月16日土曜日

新型インフル

神戸市で渡航歴なしの新型インフルエンザ感染例が見つかった。
経過はこちら↓
http://www.asahi.com/national/update/0516/OSK200905160054.html
これを受けて神戸市では22日まで学校や集会の停止を決めている。

新型インフルを疑うには、渡航歴+インフルエンザ様症状今までとしていたが、その定義も変えなければならなくなるだろう。

水際作戦として検疫は失敗に終わったのではない。日本や中国以外、確かに多くの国では検疫という対策をとっていない。マンパワーや資材・時間の制約の中では、もともとある程度の漏れが出てしまう仕組みであるから、今回の事態が確認されるのも時間の問題ではあった。ただ、国内流行を遅らせ、検査体制を整えるまでの時間稼ぎができたという意味では、一定の評価があると感じている。今回の一連の流行終焉後に再評価されることを望む。

今回も個人情報がだいぶ流れてしまっている。このようになるのが怖いから、黙っているといった傾向にならないかと危惧される。そうなると、正確に流行状況を確認し、拡大を抑えるといった対策を講じるのが後手に回るからだ。

今、スペイン風邪の本を読んでいるが、あの時も今もウィルスに対しての特効薬がないのは同じである。人が集まるのを避けるといった基本的対策はあの時と一緒。ただ、症例の報告義務や感染症対策センターがあるといった、システムがあるのは現在だからこその強みだ。読後に改めて考察したい。

今回のような感染性も毒性もそれほど高くない病原体のパンデミックにおいて、本当に怖いのは、病原体自体ではなくてパニックだ。