2009年12月26日土曜日

湿潤療法

自分の顔面と右膝で湿潤療法を試しているが、実際にやってみないとわからない難しさを感じた。

・膿なのか浸出液なのかの区別が難しい
一見黄色い塊ができて臭いもするので、「やばい、水洗いが不十分で化膿したのか?」と思ってギクッとしたが、先生に確認してもらったら浸出液とのこと
臭いがしたので、嫌気生菌が繁殖した証拠ではないかとも考えたが、正常の浸出液の塊でもこれくらいの臭いはするらしい
もっと発赤、熱感がないと化膿したから治療とはならないらしい

・被覆材の交換時期が難しい
動きがあるため、どうしても1日程度で被覆材を交換しないとならない部位と、しばらく貼りっぱなしの部位で治癒効果を比較。傷の深さが均一ではないので、単純比較はできないが、まずはイメージを掴もう。最適な交換時期は、季節、患部の状態、位置(可動性の有無など)によって変わるはず。

確かに従来の絆創膏に比べて、目立つことや大きさを変えにくい、傷には最適だが周囲の正常組織には悪影響などのデメリットはある。
やはり自分で試すのが一番

湿潤療法についての本↓
http://bjnikotoyoro.blogspot.com/2009/10/blog-post_18.html
その著者のHP↓
http://www.wound-treatment.jp/

2009年12月25日金曜日

医療保険改革案上院可決@米国

http://www.cnn.com/2009/POLITICS/12/24/health.care/index.html

ついに米国にて医療保険改革案上院可決した。

クリントン政権時代も度々必要性が唱えられてきたが、実現できなかった。それを進めたのが、ヒラリー。
このような動きに対して必ず出される意見が、「米国は自由の国であり、そのような社会主義的な制度は必要ない」だ。冷戦時代を思い出させることで、人々に拒否反応を誘発させるため効果的な意見だ。
それについての総括で、米国には馴染まない制度を性急に作ろうとしてしまったためだという記事を半年くらい前に読んだ(詳細は忘却)。

オバマ政権下でも実現できずじまいなんだろうと、悲観的にみていたが。イヴに新たな動きがあった。
新自由主義の行き過ぎに対する揺れ戻しなんだろう、と考えている。
これからの動きに注視したい。

2009年12月24日木曜日

煙か土か食い物

煙か土か食い物 (講談社文庫) 舞城 王太郎

小説は久しぶりに手にとってみた。
スピード感と圧倒する文章は凄い。
基本展開が唐突で、面食らうこともあるが、それが歯切れの良さにもなっている。

自暴自棄になりがちなシローの気持ちもわかるぜ!!ヘイヘイヘイ
誰もが内包する暴力性は、眼をそむけているといつか爆発するだろう。心のドレナージも時々しないと?

今の自分を、ボロボロのシローに投射してしまった。未成熟な精神防御機構を使ってしまった。

満身創痍でイヴに読むには最高の出会いだった。
顔面はダメージを受けたが、幸い眼に支障がなくて何よりだったぜ。
眼と片手さえ残っていれば内科にはなれるし。ミリ単位で動かしても痛いし、不自由さもあるが、明日もとりあえず活動しよう。
止まっていると不安になってしまうからか(動いていると余計なことを考えなくて済むからか)、酷使していることに快感を感じているからか?

2009年12月23日水曜日

感染症は実在しない

「感染症は実在しない」 構造構成的感染症学 岩田健太郎

 医療の内包する恣意性について触れた書。哲学的アプローチを試みている。
 精神疾患を規定しているDSMシリーズを始め、インフル、腫瘍、などあらゆる「病」は医療者が作り上げたものである。そして、「診断」の過程で行う検査は影を捉えているに過ぎない。そのことを肝に銘じて謙虚でないといけない。
 
 患者さんがもつ価値と一番マッチした検査・治療との交換、「価値交換」が医療である。
 それは、投資に類似していると言える。必ず儲かるものはないように、100%安全な検査・治療は存在しない。リスクと利益を天秤にかけて、判断しないといけない・
 しかし、金銭と異なり、自分自身という代替不可能なものをリスクにさらすわけだから、その判断に慎重を期するのは当然だ。

 100%正しいものは、この世に存在しない。そして、100%正しいことを言っているというのは、何も言っていないのと同じことだ。イデオロギーの抱える胡散臭さは、このあたりからきているのだろう。
 大事なのは確率の見積もり。

 最近、医療のもつ「さじ加減」さについて考えていただけに、その領域にちょうど一石を投じてくれた。


 昨日(正確に言うと今日の深夜)、帰り道に顔面スライディングをして打撲した。他人の幸せを嫉んでいた罰が下ったようだ。
 段差に対して、平行気味に入ってしまった。小学生の時にも同じようなスタイルで怪我したのを思い出した。

 唇が少し(だいぶ)腫れただけでも飲食しづらい。口は一番最初にある消化器であり、この障害は、経口摂取の大きな妨げになることが身をもってわかった。
 湿潤療法を試そう。とりあえずマスクで隠れる範囲内が主要な受傷でよかった(よかったのか??)。
 
 宴会・飲み会が多い時期ですが、酒の上でのトラブルに注意しましょう。
 また、受傷時からの記録を残すのを怠った。

2009年12月22日火曜日

知の鎖国

知の鎖国―外国人を排除する日本の知識人産業  アイヴァン ホール

「・・・日本の若者は興味の対象がしぼられた序列の厳しい集団の活動一辺倒になってしまう。級友同士の横の結びつきは生涯つづくと思われ、強い絆は将来OBが学生を自分の会社に勧誘するのに役立つ。外国人の学生はどうしてもこの基盤に入り込めない。彼らは単に通り過ぎていく存在だし、彼らの母国では「参加する」だけでこんなに厳しい要求が突きつけられることはない。」
→実際に部活の延長で、働きはじめることも多いだろう。多少なりとも「体育会」の身を置いていたからこそ、この結びつきの強さはよくわかる。この結びつきの特殊性を理解した上で、暖めていこう。

「日本が約束する「国際化」とは、実際、どちらかと言うと絶え間ない不安を解消する自己防衛の手段であり、世界の国々との活発で外向的なかかわりをさすのではない。」
→本当に「国際化」を果たせたなら最早口にはされないはず。できていないからこそ、「やりますよ」というポーズだけみせて実際は遅々として進まない。

メディア・法曹界・大学に旧態として残る見えない壁。その根底には、自由競争によりポストを奪われてしまうかもしれないという恐怖があり、「島国だから特殊なんだよ僕らは」という島国根性な言い訳をつくり、他の民族には持ち得ない精神性を有しているという優越感に浸るための装置なのだ。
うん年前の欧米から植民地化される近隣諸国を横目に自分たちは植民地化されないために自分たちで国を守らなければならない、というイメージが払拭し切れていないかも。

10年近く前に書かれた本だが、親日派の著者があえて苦言を呈してくれているだけに真摯に受け取るべきだろう。
視聴者として日本の政治家や官僚に対して不平・不満を言っている、その背中で同じ内容を海外の方から自分たちに言われているのだろう。

そして、以前程魅力を失った日本に「国際化」を要求することも少なくなってきているのだろう。はるか以前に帝国の座から滑り落ちても、なお影響力を保ち続けている英国に何かヒントがあるのではないだろうか?

「日本」を「科学」に言い換えられる。「自分」にも言い換えても自分にも思い当たるふしは大いにある。

以下この本を手にするきっかけになった記事
Kiyoshi Kurokawa's blog
「知の鎖国:外国人を排除する日本の知識人産業」と、科学研究関係の「事業仕分け」

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2009/12/%E7%9F%A5%E3%81%AE%E9%8E%96%E5%9B%BD%E7%B6%9A%E7%B7%A8.html

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2009/12/%E7%9F%A5%E3%81%AE%E9%8E%96%E5%9B%BD%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%82%92%E6%8E%92%E9%99%A4%E3%81%99%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98%E4%BA%BA%E7%94%A3%E6%A5%AD%E3%81%A8%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AE%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E4%BB%95%E5%88%86%E3%81%91.html

2009年12月21日月曜日

テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方

テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方 (角川oneテーマ21) (新書) 佐藤 優

新自由主義の行きすぎで、社会がどのようになっていくのかについて考察した本。だいぶ前に買ったがなかなか読み進められなかった。脳の「引き込み」現象がうまく作用すると、どんなに長い本でも一気に読めるが、間ができたりするとなかなか入り込めずに遅々として読み進められない。本の厚さや中身、自身の知識に応じて、最適な時間とパワーを確保して臨むのがベストだろう。実生活ではなかなかうまくいかないが。

「蟹工船」は、共産主義を広めるために執筆されたフィクションであり「海に生くる人々」の方がリアリズムを反映していると主張している。
最近のロシアの動向についての考察は、メドベージェフが寄せた北海道新聞の記事を読み解くところなどはなるほどと感じた。

新自由主義に関連して
昨日、NHKスペシャル マネー資本主義「ウォール街の“モンスター”」
でリーマンショックについて解説されていた。金融工学の繁栄、行きすぎた競争、1%の富裕層と99%の貧困層、新自由主義の行きすぎに世界は待ったをかけるべきなのか。

ヒトは適応してしまう。よくいえば「順応・適応」した。わるくいえば「感覚が麻痺」してしまうのだろう。
ヒトの生涯分泌できるエンドルフィン総量と効果的に作用し続ける量・間隔を考えると、あまりに早いうちに幸せを手にしすぎると、それに「適応」してしまうと思う。よく、「幸せは普段の生活の中にある」「失って初めてわかる●●の大切さ」というが、ありがたさを忘れないくらいに程良い距離感であるべきなんだろう。
だから、今のうちはあえて過酷な環境に身を置くようにしよう・・・こじつけると

「感染症は実在しない」
「ローマ人の物語」
を友達から借りた。
「知の鎖国」
「奇妙な論理」
「バングラデシュを知るための60章」
「教養主義の没落」
を図書館から借りた。
「中核対革マル(下)」
「学問論」
「東大教師が新入生に進める本」
が買った本として積まれている。
・・・今年の年末は最後のまとまった読書期間かもしれない
今日も明日も試験☆

2009年12月19日土曜日

水・電解質と酸塩基平衡―Step by stepで考える

水・電解質と酸塩基平衡―Step by stepで考える 黒川清

2年くらい前に、当時先輩の勉強会に参加させてもらっていて、その会で教えてもらって買った本。その時も読んだが、いまいち消化しきれなかった個所もあり、水・電解質系の勉強を重点的にしようと思い、読み直してみた。先週は昼休みは一人だったので、ちょうどぴったりのサイズ&ボリュームだった。

まだ、AGの計算や補正HCO3-の計算といった酸塩基平衡の崩れる病態が複合した際のアプローチが甘かったことを再認識できた。
甘草が鉱質コルチコイド作用を示すメカニズムが原発性アルドステロンと違うこともわかり、勉強になった。

本は読み手の成熟に合わせて、読み取れる情報や感じ方が変わることを実感できた。

第8回若手医師セミナー

第8回若手医師セミナー
心電図について。自転車で直接会場に向かった。

前述したが、「さじ加減」を学ぶために研修がある
と思えば、その意義も見出せるのではない
・・・という言葉が一番印象的だった。苦労して研修をしてきたK先生だからこそ、この言葉に重みを感じる。

・ST変化は上昇が下降より重要
・右脚ブロックはM字、左脚ブロックはV字
・aVR誘導ははぐれもの、だからこそ大切

最近やっと系統的に読めるようになって、心電図の面白さがわかってきていた。この面白さにさらにブースター効果を足してくれた講演だった。

計160km(片道16km×往復×5日)を走破したので、A葉でつけ麺を大盛りにして一人でねぎらった。
「お金がないなら頭を使え、頭がないなら体を使え、一人でできないならチームでやれ」
・・・お金も頭もないので、体を使ってごり押しした1週間だった。妙な充実感がある。

医療の倫理

医療の倫理 星野一正

18年前に出版されたものだが、今読んでもなお考えるところが多い。根本的な倫理はわずか18年で大きく変わりはしない。
医療の内在する不確実性、科学と芸術の両方の側面を併せ持つ特異性、高度化したことによる複雑な生・死の境、・・・倫理的な判断を必要とされる場面は大いにある。

日本人についての考察で「出し抜かない、でも遅れはとらない」という表現はうまいと思う。
世間一般の流れから逸脱した自分は、「出し抜くことも、遅れをとることも気にしない」ようになってしまっているのだろう。
この国でそれなりにうまくやっていくには、阿吽の呼吸、いわゆるcontext richでないと限られたスペースでうまくはやっていけないだろう。この特性は利点と欠点を考えないといけない(度々言及してきているので、詳しい考察は省略)。欠点の面が顕著なものが、本書内で言及されている移植や献体の不足だろう。

教科書通りのclear cutにできることは全体的には少なく、その「さじ加減」を学ぶのが大切だから、研修があるのだ
・・・と昨日のW手医師セミナーでも伺った。本書にも書かれていた。同じ内容を異なるチャンネルからほぼ同時に受け取ったので、かなり強化されたはずだ。多分、どちらかのインプット時期がずれていたら、普通に流してしまっていただろう。
だから、教科書・成書から学ぶのも大切だが、それだけでは医師になれないのだろう。全く同じ疾患でも、その個人のもつ背景や置かれている社会的状況なども考えて最善の一手を考えないといけない。深い。

2009年12月16日水曜日

中核vs革マル

中核vs革マル(上) 立花隆

東大闘争や浅間山荘事件など、考えてみれば自分の親の代が学生であった時代のことは何も知らない。
まだ、日が浅く解釈がなされておらず「歴史」となっていないからだろうか?「歴史」になってはいなくても過去から学ぶべきことは大いにある。
読んでいてイデオロギーに殉じることの危うさを感じる。大義を掲げることは必要性はわかっているが、それが内包するあいまいさ・胡散臭さにも注意をはらうべきだ。
一方で、これだけのエネルギーや情熱をもって(発揮の仕方は決してスマートではないが)本気で社会を変えようという力を学生がもっていた。今の学生が大人しすぎるだの、年配の方に言われるのもよくわかる気がする。裏を返せば、自分たちの世代も「腰を入れれば」このくらいの原動力をもっているはずだ。内に秘めて有効利用したいものだ。

今週は片道1時間半で自転車通学している。
病院のすぐ横に下宿させてもらって、歩いて通えることのすごさを改めて認識した。
家では一切暖房器具を使っていないため、手が悴む。通学中、2重手袋でも手が悴む。本格的な冬到来を感じさせる。

2009年12月14日月曜日

ローマ人の物語6

ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち[一]~[四]

ユリウス・クラウディウス朝末期とその終焉が描かれている。
皇帝ネロの暗殺は、アウグストゥスがこだわった血の継承がついに元老院と民から捨てられた時だった。

積極的な反体制とは、例えれば野党が「シャドウ・キャビネット」をつくり自分たちが政権を奪取した暁にはこのような国にしたいとビジョンを示すことだ。しかし、積極的な反体制を示せない時、人は安易な批判に走る。権力への批判がウケルというのは、この時代も現代も大差はないだろう。

この時代から学ぶべきことも多い。遺伝子と同じように人の本質は劇的には変化をとげるのに、わずか2000年たらずでは十分でないからだ。いくら文明が進化した、環境が変わったといってもそれを扱う人はほぼ同一といっても間違えではない。過去からの遺産を引き継いでいる以外では。

自転車通いも悪くはない。疲れるが。水曜の降水確率に一喜一憂している。10%下がった!!

2009年12月13日日曜日

外国語上達法

「外国語上達法」 千野栄一

最近諸事情により2つほど言語習得が必要になって、この本を読めば近道できるのではないかと下賤な心をもって読んでみた。

・言語習得には時間とお金が必要
→それだけの犠牲をはらったという覚悟がないと本腰が入らない
・よい教科書・教師・辞書にめぐりあう必要がある
・最初の1000語の語彙が必須
・頻度と範囲の2×2のマトリックスで、頻度高・範囲広と頻度高・範囲狭(自分の専門分野など)の語彙習得を目指し、残りは辞書に任せる
→ある程度の割り切りがないと言語の奴隷と化してしまう
・会話には「いささかさの軽薄さと内容」
→要は内容。後は完ぺき主義に陥らないように、ミスを重ねて上達していく。

結局近道はないけど、毎日地道にコツコツ学習しましょう。はい。

感染症フォーラム

感染症フォーラムに参加してきた。

HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについてと感染管理については勉強になった。

HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについて
HPV(ヒトパピローマウィルス)はSTD(性行為により感染する病気)ではない
→ほとんど全ての人が生涯のうち感染する「風邪」のようなもの、大多数の人は何の影響もないが中には子宮頸癌になってしまう方もいる
HPV ワクチンによって子宮頸癌のほとんどを防ぐことができる
→感染前にワクチンを打つことができればほぼ確実にその発症を防ぐことができる
残念ながら今のところ任意接種なので、3回打つには3万円以上は確実にかかる

小児科はHPVワクチンについて知らないし、産科はHib(子供の髄膜炎の原因になるインフルエンザ桿菌type B)ワクチンについて知らない。
久しぶりにフロアからのコメントで素晴らしいものを聞いた気がした。

感染管理については、当たり前のことを続けることの難しさを感じた。働き出したら、デジカメをポケットに入れよう。

明日から自転車通い。水曜の天気が怪しい・・・

PreTest OB GYN

Obstetrics & Gynecology PreTest Self-Assessment & Review

やっと終わった。Step 2ではOB GYN(産婦人科)Psychyo(精神科)が海外の受験者には1つの試験の山になると言われている。米国特有の知識が要求され、かつ国試ではそこまで深くは要求されないからだ。

婦人科検診の頻度(リスクファクターや以前の検診結果によって微妙に変わる)や、垂直感染(母親から子への感染)防止のための妊娠後のワクチンについてなど、国試の産婦人科すらまともに勉強していない自分にとっては、難しく、時間がかかってしまった。

First Aid step2などでは、あまりこの問題集の評価は良くないが、不得意分野の補強という意味では項目ごとにまとまっていて勉強しやすい。確かに部分部分ではここまで細かい知識は必要ないのでは、と思える個所もある。いただきものなので、一版前のものだが。

次はpretest psychologyに取りかかろう。

2009年12月12日土曜日

H5N1ウィルス@ベトナム

http://www.who.int/csr/don/2009_12_11/en/index.html

Dien Bien Phu(ディエンビエンフー)の男性がH5N1ウィルスに罹患し入院。
ベトナムでは、112人がH5N1に感染が確認され、52人が亡くなっている。

H1N1の反省をH5N1対策に反映できる時間は、思ったより少ないのかもしれない。

感染症ミュージアム

B国で研究をされていたY先生が、一時帰国されたので、その報告会が昨日あった。
「感染症ミュージアム」と称されるだけに、感染症を目指すものとしては訪れておいて損はない。日本にいては出会うことのできない感染症がみられる。反面、自分自身が感染してしまう可能性も高い。
結局、報告会の途中で呼び出されてしまい、全てを伺うことはできなったが。

夜にお話しを伺う機会を得た。
CNN対アルジャジーラの話や、大国のエゴに振り回され続ける途上国、外からみて初めてわかる日本の立ち位置、日本とイギリスの違い、など話は多岐にわたった。自分自身のidentityや価値観、自分の国の文化に対する知識など確立していないといけないと強く感じた。

同じ期間に、同学年の人達はマッチングに向けて就職活動をしているので焦りを感じるが。
今まで途上国を訪れたことがなかったので、感染症を学ぶ上でも、経験を広げる意味でも有意義な1カ月半にしたい。

2009年12月9日水曜日

Podcast



いつも聞いているポッドキャスト達。聞き始めの時に比べれば、格段に聞き取れるようになったと思う。扱うトピックに依っては難しいのもあるが。

上2つとBBCは世事から疎くならないために。
下2つはiPODには取りこんでいないが、役に立つフランス語ポッドキャスト。
他は医学雑誌から出しているもの。

一昔前までは、リスニングの練習をしたくても高価な教材を買わなくてはならなかったことを考えると、すごく恵まれていると思う。言語習得のための可塑性を失わないうちに(最適な時期はとっくの昔に逃しているが)このような時代がきたのは幸せな限りだ。

2009年12月7日月曜日

来年とその先

最近・・・悩んでいる
来年の国外で行える実習について、B国とC国ではできるように準備を進めているが、A国でもやはり行ってみたいと思う気持ちはある。探すだけ探してみたが、良い受け入れ先をみつけられていない。十分探してみたしやれるだけのことはやったと思う反面、まだ足りないのではないかと心のどこかで思っている。

学生でいることはチャンスに恵まれているということだ。
働き出したら決してこんな風に行ける機会はなかなか巡ってこないだろう。
これから残り少ないチャンスを大切にしたい気もする。今回もその数少ないチャンスの1つだろう。

語学の先生からは、「あまりに欲張りすぎているから、今を大切にすることもしなさい」、と教示を受けた。
確かに詰め込み過ぎなのか、無理できるうちに無理をしておかないと後悔するのか。よく考えよう。来年になったら考える間もなくなるくらい、忙しくなるだろうし。

2009年12月6日日曜日

日常英会話モノローグ&ダイアローグ

日常英会話モノローグ&ダイアローグ The Japan Times

前の大学の同期で、英語教師として最前線で教育をおこなっている友人から勧められた。CD5枚組とそのスクリプトが本として別に出ているが、自分は前者しか買っていない。

巷にあふれる海千山千の英会話教材の1つと侮れなかれ、非常に質が高い。
日常の場面を切り取って、よく使う自然な言い回しが盛り込まれている。

聞き流し→書き取り→シャドーイングをしている。
まだ、1つ目のCDも終わっていないが。書き取りをしていると些細なスペルを間違って覚えていたり、また意外に綴りがわかっていたりと発見があって面白い。

IDATEN interactive case conference

今日は、IDATEN interactive case conferenceが都内で行われた。

よくテレビにも出演されている東北大学の押谷仁先生が現在の新型インフルエンザの動向について解説を下さって大変に面白かった。

まず、強調されていたのは、疫学は競馬の予想をしているのではないので、常に最悪の場合を想定しないといけないということ。
各国の動向では、遅れて成人の感染が広がり、その中で重症化・死亡しやすいとのこと。これから、日本もそのような傾向にならないとは、言えない。そして現に厚労省によるここ4週間の死亡者数は4,3,4,5人,と少しずつ上昇傾向にあり、一気に爆発的に増える危険性も拭えない。
現時点では、日本の感染動向は各国とは違う特異なパターンを示している。その理由として、①学級閉鎖などの感染拡大対策、②タミフル・リレンザの早期投与が考えられるが、あくまで推測の域を出なく、ちゃんとした解析が待たれるとのこと。

本題とは外れるが、妥当性の証明は疫学を聞きかじったことのある身では本当に難しいと思う。「正しさ」の主張は、取りもなおさず、反対意見の不正を主張になるからだ。最近「正しさ」の胡散臭さを感じるようになってきた。

行きの途中、舞城王太郎の本を買ってみた。教養のための本の中で紹介されていて、実に楽しみだ。初めての作者の本に触れるときの未知さというか、ワクワク感を久しぶりに感じている。
今度は、友達に白洲次郎についての本を借りよう(ドラマになって以来一種のブームになっているので、自分はへそ曲がりなのでそれを忌避するように試みているが、それを押してもオススメらしい)。ローマ人の物語もそろそろ返して新しいタームを借りないと。

リーダーシップの旅 見えないものを見る

リーダーシップの旅 見えないものを見る (光文社新書)
野田 智義 (著), 金井 壽宏 (著)

敬愛するI先生のブログで紹介されていて、いつか読もうと思っていたら書店で見かけてつい衝動買いしてしまった。本当に考えさせられる。また、人生の節目に悩んだら読もう。

lead the self → lead the people → lead the societyという3つの段階を経てリーダーとなる。常日頃より自分自身をリードできないとリーダーになれない。

地球史の中からみれば取るに足らない個人でも、地球史からみれば取るに足らない個人の一瞬(一日)でもきっと意味はある。

そして、リーダーシップのダークサイドにも触れているのは、新書では珍しい面だと思う。とかく、わかりやすくとか紙面の都合とかの理由がつけられるとは、思うがあえて負の面に触れることで、全体のバランスがとれている。

ただ、「本当にやりたいと欲せば、絶対に実現できる」というのは、呈のいい言い回しだと思う。実現できたことを逆算すればそれは、あなたが本当に実現したいと望んでいたといえるかもしれない。逆に実現できなければ、それはあなたが本当に実現したいと望んでいないと言える。そして、中間の本当に実現したいと思っているのにそれが実現不可能なことと場合、そのヒトは中途で斃れることになり、実現できない。この言い回しは多分に占い的などっちに出ても当たるようになっている。この心意気は否定しないが。

忙しいふりをしているのは、inactive activeといえる。これは確かにそうだと思う。グーグルも普段の仕事の5~10%は新規の独創的なプロジェクトに回すようにしている。いつか(1.5年後)自分にも目の前の仕事に追われて、大きな絵を見失う日が来るのだろう。その期間に備えて今から、一緒に目指す人脈や、アカデミックさを見失わない仲間とのネットワークを築いておこう。

難癖をつけたが、今まで読んだ新書類の中で一番琴線に触れた。特に今描いているキャリアプランに迷いが生じ始めている自分にとっては。
結局、他人のドグマに流されないように自分の軸を獲得するために、教養・経験は必要なのだ。と行間からは読める。
読み終わって瞬間に隣の友達に貸した。手元に返ってこなくていいから、それくらいみんなに読んで欲しい。

「理系」が未来を変える! 続編

先日のシンポジウムに関して、十分に意見・感想を述べられなかったため追記する。

本来、理系が果たすべき説明責任を果たしてこなかったため、(仕分けでザックバランに切られるような)このような事態になったのだと思う。金をせしめる時(すみませんストレートな言い方で)は、「こんなに社会に役立ちますよ」と歌っておきながら、いざ金が削られる時になると「科学は聖域だから」「科学技術立国日本を壊すのか」という二枚舌を使っていたツケが回ってきたのだと思う。そのような「甘え」に一石を投じた意味でも今回の事業仕分けは意味をなしたと考える(個人的には、出身も合わせて科学応援派なので、科学のための費用を削られることには抵抗を感じるが)。

ちなみに、フロアからの意見として出ていたが、日本はあまりに綺麗事しか見せていないことにも問題があると思う。確かに科学を進める上で、「宇宙の起源に迫る」「医学の進歩に貢献する」「地球環境の改善に役立つ」などの綺麗事を言うのは、多くのヒトを引き付ける上ではそのようなある意味プロパガンダ(別の言い方ではリーダーシップ・夢、悪く言えば美辞麗句)は必要だと思う。しかし、一方で、その研究を進める上で、金銭感覚や、当たり前の社会常識を身につけずに研究室という限られた空間だけに留まっているのは、(特に国立大では)血税を投入してもらっているという身ではおかしいと感じるべきだ。メディアもあまりに汚いもの(金、死、生、性など)に蓋をした報道をしたきただけに、多くの学生には突然社会に出た瞬間に清濁併せ持てというのも酷だと多分に思う。

そして、斜陽の国にいる限りは、いくら「国民の健康・命のため」というスローガンを掲げてもある程度は合理的にあるべき医療体制に余波がくると考えるのは想像に難くない。これからは予防と疫学の時代が主流になるだろう。

M君に自分の記事を引用してもらえて非常にうれしいと思う。これは、本来このシンポに来たくても来れなかったO君のためにその要訳+意見を記載したものだからだ。
卒論が終わったら連絡下さい。大学時代に読んで欲しい多くの本をキープしてます。きっと卒論でしか味わえない深い世界もあるけれど、燃え尽きてはいられないと思えるくらい広い世界もあると思う。

2009年12月4日金曜日

「理系」が未来を変える!

文理融合シンポジウム 「理系」が未来を変える!

に参加してきた。考えてみると医学系のセミナーや授業に参加するのは久しぶりだった。
都内のB国大使館にビザを取りに行った帰り、面白そうなシンポジウムをO君から告知されていたので、足を運んでみた。(というより、帰り道だったので寄ってみたという方が正しいのかもしれない)
行ってみたら副題が「博士人材の社会貢献とキャリアパス」となっていて、自分には場違いであったと感じたが、聴いていたらなかなか面白かった。

基調講演は毎日新聞科学環境部の元村氏で、日本のを取り巻く現状の厳しさを指摘した。人材・金・資源・信頼がないにも関わらず、競争は激化している。そして、専門が細分化されており、連携ができていない。
I型、T型、П型と表現していたのは面白かった(いずれも下に伸びるのが専門分野で上にある横棒は幅広い知識)。従来の理系がI型であったが、より後者になれるようにとのことだ。

続いて、パネルデスカッションで元村氏、西村氏、朝日氏の3氏が熱い議論を交わされていた。
西村氏の持論は、大学は道楽で、共産圏崩壊+グローバル化→多くの低賃金労働者出現→先進国で大学進学率上昇、つまり大学は失業対策なのだ。科学→技術→経済というliner modelはそもそも存在しない。というネガティブな側面を強調されていた。
一方の朝日氏は大学で先端研究に触れることで、研究力(独創力)と社会力(深い教養、正しい倫理感、自己と他者の正確な把握の上のコミュニケーション、変革を牽引するリーダーシップなど)を得ることができ、それには大学が一番だ。だだし、大学の問題として、①教える側に社会シテラシーがないため、それが身につかない学生を輩出してしまう②優秀な学生を研究室内に飼い殺してしまい、「他流試合」をさせていない。
両氏とも言っている事は同じことで、それらをポジティブに言うかネガティブに言うかの違いだけだった。

社会に対して説明責任を果たしてこなかったため、「事業仕分け」はそれを見直す良いきっかけではないか?これからは、研究室だけに留まらずに、理系の素養をもった人材を広く社会に輩出する役割を大学が担うべき。そのためには、たこつぼ化していた分野間の壁を完全に取っ払うことはできなくても、壁の向こう側を覗いてみたり、壁を薄くする努力をしなくてはならない。

聴いていて、専門性と教養の両立の重要性、専門分化され不十分な連携など医学にも通じるところが多い。科学界の縮図が各分野にあるのだろう。
そして、経済状況の悪さから、皆の将来への不安がすごく感じられた。雇用の心配が少ないだけでも(労働環境は決して良くはないが)恵まれているのかもしれない。この危機感は、自分たちの分野に波及するのもそう遠くはないだろう。確かに「聖域」論だけで、いつまでも費用を確保できるほど、甘くない時代はもうそこまできている。金銭感覚のない理系は、これからは生き残れないだろう。
個人的には○○力という表現には、胡散臭さが漂う感を禁じえないが・・・

人体常在菌のはなし

人体常在菌のはなし -美人は菌でつくられる 青木のぼる

友達から借りて読んだ本。
確かに日本人の綺麗好きすぎる傾向に警鐘をならしている点では賛同できる。
菌にストレスがかかるかは謎。まぁフ~ンって感じだった。そんなに新たな発見はなかった。

2009年12月2日水曜日

緒言

ドクターはドクターにしかできない仕事に集中すべき
確かに他の人でもできる仕事が多い。コメディカルの方が充実していれば、働き方も変わるし、ドクター自身の仕事も生活も質が上がると思う。ドクターの地域や分野での偏在の原因にもなっているのではないか?診療報酬を上げて単純に給料を上げるだけではなく、サポート体制の充実など多角的にアプローチしないと偏在の問題は解決しないと思う。

医師免許はヒトを救える可能性もあるし、殺す可能性もある
もちろん、後者については意図せずにそのような結果を招いてしまう可能性に警鐘をならしているのであって。勉強します。

正しい知識をどれだけ知っているかも大事だが、正しい知識にいかに早くアクセスするすべを知っているかはもっと大事だ。
知識の量よりも学び方をいかに身につけるか。働き出したら、I-Phoneにしょうかな。

昨日初めて

二日酔いでもなく、感染症でもなく、気持ち悪くなってリバースしてしまった。
働きすぎには注意しましょう・・・僕らは無給だし。