リーダーシップの旅 見えないものを見る (光文社新書)
野田 智義 (著), 金井 壽宏 (著)
敬愛するI先生のブログで紹介されていて、いつか読もうと思っていたら書店で見かけてつい衝動買いしてしまった。本当に考えさせられる。また、人生の節目に悩んだら読もう。
lead the self → lead the people → lead the societyという3つの段階を経てリーダーとなる。常日頃より自分自身をリードできないとリーダーになれない。
地球史の中からみれば取るに足らない個人でも、地球史からみれば取るに足らない個人の一瞬(一日)でもきっと意味はある。
そして、リーダーシップのダークサイドにも触れているのは、新書では珍しい面だと思う。とかく、わかりやすくとか紙面の都合とかの理由がつけられるとは、思うがあえて負の面に触れることで、全体のバランスがとれている。
ただ、「本当にやりたいと欲せば、絶対に実現できる」というのは、呈のいい言い回しだと思う。実現できたことを逆算すればそれは、あなたが本当に実現したいと望んでいたといえるかもしれない。逆に実現できなければ、それはあなたが本当に実現したいと望んでいないと言える。そして、中間の本当に実現したいと思っているのにそれが実現不可能なことと場合、そのヒトは中途で斃れることになり、実現できない。この言い回しは多分に占い的などっちに出ても当たるようになっている。この心意気は否定しないが。
忙しいふりをしているのは、inactive activeといえる。これは確かにそうだと思う。グーグルも普段の仕事の5~10%は新規の独創的なプロジェクトに回すようにしている。いつか(1.5年後)自分にも目の前の仕事に追われて、大きな絵を見失う日が来るのだろう。その期間に備えて今から、一緒に目指す人脈や、アカデミックさを見失わない仲間とのネットワークを築いておこう。
難癖をつけたが、今まで読んだ新書類の中で一番琴線に触れた。特に今描いているキャリアプランに迷いが生じ始めている自分にとっては。
結局、他人のドグマに流されないように自分の軸を獲得するために、教養・経験は必要なのだ。と行間からは読める。
読み終わって瞬間に隣の友達に貸した。手元に返ってこなくていいから、それくらいみんなに読んで欲しい。