もう2週間前になってしまいますが、まとめを載せます。
喘息発症にはHRV, RSV感染が関与。増悪にはIFN-β, IFN-γの低下が関与。アトピー性喘息と非アトピー性喘息には気道病理像やサイトカインプロファイルに差はない。From 教育講演1
腸管出血性大腸菌について。1996年大阪堺市のアウトブレイクからサーベイランス開始。報告数は増加傾向。牛が保菌。O157, O26, O111でO群の90%以上。HUSは0ー4歳で47%、成人は10%。分離株解析と疫学情報がアウトブレイク検知に必要。From教育講演2
ワクチン政策の現在と未来。H1N1インフルエンザワクチンの導入で、従来の予定接種法上1類と2類の間の枠組みが必要に。現在検討中のワクチンはHib, HPV, HBV, 肺炎球菌、水痘、ムンプス、ポリオ、百日ぜき。Fromワークショップ2-1
ACIP。米国予防接種諮問機関。15名の投票権のある会員(4年で一部交代)+Steering committe(専門家と被接種者の代表)+Ex offico, Liaison(行政、群、実施時の関連団体)から構成。会員は名誉職で無給。利益相反は厳しい。
その後ろに多くのObserverがいて、発言権はある。議事録は90日以内に公開。ACIPは議決機関に近い存在。その下に多数のWGが情報収集、解析、原案作成を担う。米国の予防接種効果のデータは高い接種率に裏打ちされているので、解釈は注意。
ACIPの役割は、ワクチン政策への助言、エビデンスに基づいた提言、ワクチン政策の監視。提言策定の過程に多くの人々が関わり、ACIPへの信頼がある。今まで提言が拒否されたことは1回だけしかない。
Fromワークショップ2-2
新型インフルエンザパンデミックへの対応。エビデンスから複数のプランが考えうるが、誰かが決断しないといけない。渡航延期勧告で香港国際空港はガラガラに、経済活動に対するインパクトは大きい。今回のパンデミックは「phase6 = 重症」という誤解があった。
2005年からIHRができ、各国が情報開示し共有する義務を課す枠組みができた。現在もH5N1のパンデミックへのリスクは変わらない。2010のインフルエンザは昨年よりslow startと予測される。From特別講演1
HIV 陽性でtiter32×で脊髄穿刺考慮。梅毒はnontreponemal testは病勢反映、treponemal testは診断。ガラス板法は2倍までは誤差、それ以上は病勢の変化。神経梅毒に準じて眼の梅毒も治療。神経梅毒はCNSに侵入した時点から。どのステージでもありえる。
梅毒は試験管内で培養できず、兎の睾丸で培養可だが、コスト高い。研究が進みにくい原因。
Nocardiaを疑った際は長期培養を検査室に伝える。Actinomyces, NocardiaはG染で判別不可。Nocardiaは一般にST合剤感受性だが耐性に最近なることも。肺、皮膚、脳がやられやすいので、神経所見に注意。あすぺるぎうす合併注意。
肺炎球菌は肺胞付近で一部が自殺しpneumolysin放出。肺胞上皮溶かし、菌侵入。ペニシリン投与で一過性に増悪するのも同じと考えうる。大葉性なら肺炎球菌、クレブシエラ、レジオネラ。小葉性ならインフルエンザ桿菌、ぶ菌、マイコプラズマ。細葉性なら結核、非定型抗酸菌、真菌が予想。
From 症例から学ぶ感染症セミナー1
血液培養は最大量入れると検出率増加。subculture時にデスクで1時間、分離培養で1日、血液培養コロニーを検出機で2日で推定同定。血液培養陽性時は当直帯でも6種の培地に血液を広げておけば嫌気性菌以外の推定同定可。
procalcitoninは重症で上昇。局所感染では高値にならない。10以上を陽性とする半定量で、GNR多い。0.5以下ではGPCが多い。From教育講演13
農畜産抗菌剤投与1690>>ヒト抗菌剤投与520。鳥肉はC.jejuni70-80%保有。鶏はVRE、キノロン耐性カンピロバクターが検出され、一部の抗菌剤の使用中止。耐性菌は院内だけの問題ではない。From合同シンポジウム2
個人的には葛西先生のインフルエンザパンデミックの話が心おどる感じだった。
現場での緊迫感や躍動感が伝わってきて、
渡航延期勧告の経済へのインパクトは大きいが、誰かがどこかの段階で決断しないといけない。判断材料と想定しうるケースを鑑みて、Decision Makingしなくてはいけない。そこには正解はない。
一方同時にバンクーバーではIDSAが。
IDSA annual meetingが単品で60ドル。フルで400ドルで配信されている。
書生レベルは躊躇してしまうプライス。
働きだしたら購入してみたい。そして、いつか現地で生の講演を聴きたい!!
2010年11月3日水曜日
2010年9月8日水曜日
耐性菌報道について
特に述べることはないです。
その道のプロの方々がコメントを出しています。
「感染症診療の原則」
「楽園はこちら側」
「感染症ブログ」
「グラム染色道場」
「今にも落ちてきそうな空の下で」
「感染症疫学の風」
もう少し「話題」のアシネトバクアーについて知識を深めたい方はこちら
「感染症の病理学的考え方」
大学院(念願の3コ目!?)に行って統計や疫学を学ぶ必要性を再認識しました。
その道のプロの方々がコメントを出しています。
「感染症診療の原則」
「楽園はこちら側」
「感染症ブログ」
「グラム染色道場」
「今にも落ちてきそうな空の下で」
「感染症疫学の風」
もう少し「話題」のアシネトバクアーについて知識を深めたい方はこちら
「感染症の病理学的考え方」
大学院(念願の3コ目!?)に行って統計や疫学を学ぶ必要性を再認識しました。
2010年6月9日水曜日
Nipah virus(ニパウイルス)
↑昨日村で見かけたおサルさん。記事とは無関係。サルの間でも増えすぎてFood crisesが起こり、村に出現するようになったらしい。明日はホモ・サピエンスの身に起こることかも。
http://www.who.int/mediacentre/factsheets/fs262/en/
上記参照下さい。
以下自分のための覚書です。
今日の帰りのバスで隣に座った技術職員さん(初対面、こういう展開がこちらでは比較的普通)とニパウイルスについて話し合いました。気になったので、自分でも調べてみることにしました。
・ニパウイルスは重篤な脳炎、呼吸器感染症を引きおこす
初期はインフルエンザ様症状、重篤例は脳炎・痙攣、感染後24-48時間後で昏睡、脳炎発症の20%は後遺症、長期的には15%で何らかの神経学的異常を残す、死亡率は45%-75%(ただしこの値はサーベイランスの質に依る)
・ヒト-動物感染(人畜共通感染)、ヒト-ヒト感染(バングラでは約半数がこちら)
・インド、マレーシア、シンガポール、バングラデシュなどの南アジアで多く確認されている
・診断は血清学的、ELISA、PCR、蛍光抗体法、細胞培養によるウィルス分離を組み合わせる
・有効な治療法なし、対症療法のみ
・予防としては、同じく宿主となりえる豚の感染管理(小屋の掃除、アウトブレイク時に豚を隔離・屠殺、調子の悪そうな豚の世話する人間の感染予防)、感染疑い患者の早期発見・隔離
・Paramyxoviridaeに属し、Hendra virusの親戚
2010年5月20日木曜日
Offical Dhaka Report 1
This is my first week to study in ICDDR,B (The International Centre for Diarrhoeal Disease Research, Bangladesh).
I want to summarize here for my reminder.
Previous one (Personal Dhaka Report 1) focuses on my daily life and what I thinking. Here, I want to focus on medical issue.
1. All doctor make a point of vital sign and physical exam.
Of course, there are not enough medical equipment, but it is important attitude to search a variety of signs from patients.
They check pulse more seriously,
This is my first time to see xerophthalmia (fortunately it is reversible).
2. It is important to check quality and quantity of patients' stool to presume the pathogen.
I only knew rice-watery stool is likely to cholrea.
But there is more information to detect E.coli, Shigella, or Salmonella.
Of course, doctors use other information (like history, general appearance, and abdominal physical).
3. Poverty and poor nutrition state directly connect to infectious diseases and other
diseases.
Normal nutrition people don't tend to get severe condition. On the other hand, poor nutrition people tend to get severe and have to cure their diseases and to improve nutrition state.
We can really know how social and economical condition is important for prevention and healing diseases
4. There are remarkable electrolyte abnormality.
When Japanese doctors found such a worse electrolyte abnormality, the unit would be in turmoil.
I could know how electrolyte abnormality make symptom.
First of all, I have to correct my electrolyte abnormality.
I want to summarize here for my reminder.
Previous one (Personal Dhaka Report 1) focuses on my daily life and what I thinking. Here, I want to focus on medical issue.
1. All doctor make a point of vital sign and physical exam.
Of course, there are not enough medical equipment, but it is important attitude to search a variety of signs from patients.
They check pulse more seriously,
This is my first time to see xerophthalmia (fortunately it is reversible).
2. It is important to check quality and quantity of patients' stool to presume the pathogen.
I only knew rice-watery stool is likely to cholrea.
But there is more information to detect E.coli, Shigella, or Salmonella.
Of course, doctors use other information (like history, general appearance, and abdominal physical).
3. Poverty and poor nutrition state directly connect to infectious diseases and other
diseases.
Normal nutrition people don't tend to get severe condition. On the other hand, poor nutrition people tend to get severe and have to cure their diseases and to improve nutrition state.
We can really know how social and economical condition is important for prevention and healing diseases
4. There are remarkable electrolyte abnormality.
When Japanese doctors found such a worse electrolyte abnormality, the unit would be in turmoil.
I could know how electrolyte abnormality make symptom.
First of all, I have to correct my electrolyte abnormality.
Personal Dhaka Reprot 1
自分がどれだけcontext-richな環境にいたかを知った一週間だった。
全ての常識を一から学び適応していく。
信号がない
力車やCNG(緑のタクシーのような小型車)は道路を逆走する(というかこの世界に交通ルールは存在しない)
blackout(停電)はいつ起こるかわからない
道端では・・・が
いろいろ日本人マインドから観るとツッコミどころ満載だが。。。ツッコミ始めるとキリがないので。
でも楽しい。
カオスなのに、全てのヒトが目に不思議な力を宿していてエネルギッシュだ。
今のところはそれほど世界観の転換には至っていない。むしろ帰ってからcounter culture shockに陥りそうだ。
この世界をバランス良く理解するためには、キリスト教の国々しか知らないのは偏っていると思う。ムスリム系の国を知っていることも必要なんだと思う。
とりあえず、ベンガル語で
「こんにちは。Taka(現地通貨と同じ、ここで笑いをとる)と言います。日本の医学生です。診察しても良いですか。熱ありますか。ありがとうございます。」
までは言えるようになった。手の開いているスタッフに片っ端から教えてもらって、目下練習中。
方言があって、同じフレーズでも発音がヒトによって若干異なるため、複数のヒトに聞いて最小公倍数の発音を採用しないと通じにくい。
到着して以来下痢+腹痛が収まらない。まさか初っ端から洗礼を受けるとは。
毎日12時間寝ても治らない。
そろそろ抗菌薬投与を開始すべきか。
来週には落ち着いてくれることを願うばかり。
2010年4月25日日曜日
New Techonology
↑Montrealの地下鉄。今日はOld Montreal(旧市街)に足を運んでみる予定。
初めて地下鉄を使う・・・ワクワク
どうやら
時代に乗り遅れてしまったようだ。確かにこれらのテクは米国とその周辺から生まれているので、Japanで広まるには若干のタイムラグはあるはず。
http://blog.livedoor.jp/med_nyc/archives/51541187.html
を読んでいてそう感じた。
確かに図書館に足を運ぶと、皆がラップトップで作業をしていて(マック率が若干多い気がする。あとは東芝をよく目にする)
全ての机に電源を設置するように急ピッチで改装をしている。
Drop Box
を始めようかな・・・
こちらはカード社会だし、日本は現金が(電子マネーに移行しつつあるが)主。どちらも長所短所があるし、国柄もあるので、どちらが優れているとか進んでいるとかいう話ではないが。新しいものに飛び込んでみる気概を持ちつつけよう。
Kindle bookを初めて購入した。iPhoneにはスムーズにダウンロードできたが、kindle for PCにダウンロードは何回試してもうまくいかなかった。昨日クレームメールを出したら、今日ダウンロードできた。回線の問題だったのか、先方で対応してくれたのか不明だが。
この種のトラブル(kindle bookのダウンロード関連)はネット上で見る限りは結構多いみたいだった。
無事ダウンロードできて、一件落着。
南半球で始まった2010年版季節性インフル予防接種は、副作用が多く報告され、5歳以下への接種は自粛を勧告されている。
日本で始まる前には、さらに情報が集まっているだろうし、改善もされているだろうが。
2010年2月28日日曜日
HIVについて
大学に都内の某病院から先生方がいらしていたので、その講演を聴きにいった。
・Acute HIV syndrome(HIV感染初期に出る風邪様症状や皮疹など)を見逃さない、早期発見+早期治療で、予後が改善
・STD(性行為による感染症)を見つけたら、HIVも検査する
・HIVを見つけたら、最もハイリスクであるパートナーも検査する
今や、糖尿病などと同じように早めの治療を開始すれば、死ぬような疾患ではなくなってきている。むしろ、いかにして薬をしっかり飲み続けてもらうかが、ネックになっている。
医療従事者の側にもまだまだ、偏見がまだまだ残っているそうだ。
この世界は究極的にドライだ。たじろいだり、恥ずかしがたり、はしていられない。
・Acute HIV syndrome(HIV感染初期に出る風邪様症状や皮疹など)を見逃さない、早期発見+早期治療で、予後が改善
・STD(性行為による感染症)を見つけたら、HIVも検査する
・HIVを見つけたら、最もハイリスクであるパートナーも検査する
今や、糖尿病などと同じように早めの治療を開始すれば、死ぬような疾患ではなくなってきている。むしろ、いかにして薬をしっかり飲み続けてもらうかが、ネックになっている。
医療従事者の側にもまだまだ、偏見がまだまだ残っているそうだ。
この世界は究極的にドライだ。たじろいだり、恥ずかしがたり、はしていられない。
2010年2月27日土曜日
Johns Hopkin's Infectious Diseases Grand Round
http://www.ccghe.jhmi.edu/CCG/index.asp
Johns Hopkin's Infectious Diseases Grand Roundがみられる。
自分も決して全てを見たわけではないが。
いつか、こんなカンファの末席に列することができれば、と思っている。
iTune U といい、ハイクオリティのコンテンツを無償で提供できるのは、寄付の風潮があるからだろうか。
世界の医療レベル向上のために、このような提供をできるのはすごいと思う。
この国でも医学教育機関でカンファレンスを公表できるところがいくつあるだろうか。
外からの風を入れ続けないと、いつかは淀んできてしまうだろう。
Johns Hopkin's Infectious Diseases Grand Roundがみられる。
自分も決して全てを見たわけではないが。
いつか、こんなカンファの末席に列することができれば、と思っている。
iTune U といい、ハイクオリティのコンテンツを無償で提供できるのは、寄付の風潮があるからだろうか。
世界の医療レベル向上のために、このような提供をできるのはすごいと思う。
この国でも医学教育機関でカンファレンスを公表できるところがいくつあるだろうか。
外からの風を入れ続けないと、いつかは淀んできてしまうだろう。
2009年12月13日日曜日
感染症フォーラム
感染症フォーラムに参加してきた。
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについてと感染管理については勉強になった。
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについて
HPV(ヒトパピローマウィルス)はSTD(性行為により感染する病気)ではない
→ほとんど全ての人が生涯のうち感染する「風邪」のようなもの、大多数の人は何の影響もないが中には子宮頸癌になってしまう方もいる
HPV ワクチンによって子宮頸癌のほとんどを防ぐことができる
→感染前にワクチンを打つことができればほぼ確実にその発症を防ぐことができる
残念ながら今のところ任意接種なので、3回打つには3万円以上は確実にかかる
小児科はHPVワクチンについて知らないし、産科はHib(子供の髄膜炎の原因になるインフルエンザ桿菌type B)ワクチンについて知らない。
久しぶりにフロアからのコメントで素晴らしいものを聞いた気がした。
感染管理については、当たり前のことを続けることの難しさを感じた。働き出したら、デジカメをポケットに入れよう。
明日から自転車通い。水曜の天気が怪しい・・・
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについてと感染管理については勉強になった。
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについて
HPV(ヒトパピローマウィルス)はSTD(性行為により感染する病気)ではない
→ほとんど全ての人が生涯のうち感染する「風邪」のようなもの、大多数の人は何の影響もないが中には子宮頸癌になってしまう方もいる
HPV ワクチンによって子宮頸癌のほとんどを防ぐことができる
→感染前にワクチンを打つことができればほぼ確実にその発症を防ぐことができる
残念ながら今のところ任意接種なので、3回打つには3万円以上は確実にかかる
小児科はHPVワクチンについて知らないし、産科はHib(子供の髄膜炎の原因になるインフルエンザ桿菌type B)ワクチンについて知らない。
久しぶりにフロアからのコメントで素晴らしいものを聞いた気がした。
感染管理については、当たり前のことを続けることの難しさを感じた。働き出したら、デジカメをポケットに入れよう。
明日から自転車通い。水曜の天気が怪しい・・・
2009年12月6日日曜日
IDATEN interactive case conference
今日は、IDATEN interactive case conferenceが都内で行われた。
よくテレビにも出演されている東北大学の押谷仁先生が現在の新型インフルエンザの動向について解説を下さって大変に面白かった。
まず、強調されていたのは、疫学は競馬の予想をしているのではないので、常に最悪の場合を想定しないといけないということ。
各国の動向では、遅れて成人の感染が広がり、その中で重症化・死亡しやすいとのこと。これから、日本もそのような傾向にならないとは、言えない。そして現に厚労省によるここ4週間の死亡者数は4,3,4,5人,と少しずつ上昇傾向にあり、一気に爆発的に増える危険性も拭えない。
現時点では、日本の感染動向は各国とは違う特異なパターンを示している。その理由として、①学級閉鎖などの感染拡大対策、②タミフル・リレンザの早期投与が考えられるが、あくまで推測の域を出なく、ちゃんとした解析が待たれるとのこと。
本題とは外れるが、妥当性の証明は疫学を聞きかじったことのある身では本当に難しいと思う。「正しさ」の主張は、取りもなおさず、反対意見の不正を主張になるからだ。最近「正しさ」の胡散臭さを感じるようになってきた。
行きの途中、舞城王太郎の本を買ってみた。教養のための本の中で紹介されていて、実に楽しみだ。初めての作者の本に触れるときの未知さというか、ワクワク感を久しぶりに感じている。
今度は、友達に白洲次郎についての本を借りよう(ドラマになって以来一種のブームになっているので、自分はへそ曲がりなのでそれを忌避するように試みているが、それを押してもオススメらしい)。ローマ人の物語もそろそろ返して新しいタームを借りないと。
よくテレビにも出演されている東北大学の押谷仁先生が現在の新型インフルエンザの動向について解説を下さって大変に面白かった。
まず、強調されていたのは、疫学は競馬の予想をしているのではないので、常に最悪の場合を想定しないといけないということ。
各国の動向では、遅れて成人の感染が広がり、その中で重症化・死亡しやすいとのこと。これから、日本もそのような傾向にならないとは、言えない。そして現に厚労省によるここ4週間の死亡者数は4,3,4,5人,と少しずつ上昇傾向にあり、一気に爆発的に増える危険性も拭えない。
現時点では、日本の感染動向は各国とは違う特異なパターンを示している。その理由として、①学級閉鎖などの感染拡大対策、②タミフル・リレンザの早期投与が考えられるが、あくまで推測の域を出なく、ちゃんとした解析が待たれるとのこと。
本題とは外れるが、妥当性の証明は疫学を聞きかじったことのある身では本当に難しいと思う。「正しさ」の主張は、取りもなおさず、反対意見の不正を主張になるからだ。最近「正しさ」の胡散臭さを感じるようになってきた。
行きの途中、舞城王太郎の本を買ってみた。教養のための本の中で紹介されていて、実に楽しみだ。初めての作者の本に触れるときの未知さというか、ワクワク感を久しぶりに感じている。
今度は、友達に白洲次郎についての本を借りよう(ドラマになって以来一種のブームになっているので、自分はへそ曲がりなのでそれを忌避するように試みているが、それを押してもオススメらしい)。ローマ人の物語もそろそろ返して新しいタームを借りないと。
2009年11月24日火曜日
感染症疫学
「感染症疫学 感染性の計測・数学モデル・流行の構造」 ヨハン・ギセック著 山本太郎・門司和彦訳
今まで、成書で潜伏期間がどうで感染経路がどうで、という結果だけを勉強していたが、その結果が作られる過程として、疫学というツールが効果を発揮することは勉強になった。
疫学の面白さ・難しさを知る上で最初に手にとるには良い。
ワクチンには直接効果(摂取者が罹患する確率を減らす・罹患した際の重症化を防ぐ)以外に間接効果(自分が感染しないことで周囲に広げることを防ぐ)があることは、集団免疫を考える上で大切だ。
risk vs benefitを押し測って、極稀な副作用を恐れて接種を任意にしてしまうことが、果たしていいのか?ワクチン後進国・麻疹輸出国である日本はどんなスタンスで行くのか、よく考えるべきだ。
以下長文になるが、現在の日本の予防接種のラインナップの乏しさを知ってもらいたく、なるべく平易に書こうと思うので、読んでもらえると幸い。
去年やっとインフルエンザ桿菌type Bのワクチンが導入され(もちろん自費で)、HPVワクチンもやっと今年になって導入された。
前者は、子供の髄膜炎(起こすと後遺症を残したりや死亡する危険が高い危険な病気)を引き起こす菌で、インフルエンザウィルスとは関係ない。以前は、この菌がインフルエンザを引き起こすと考えられていたため、この名前がついた。洋書では、髄膜炎の原因としては稀と書かれているが、残念ながらわが国では依然原因となりえる。導入後も在庫が追いつかず、予約待ちに去年末はなっていた(今年は改善されたと思うが、現状を知らない)。そして高いため、子供をもつ親御さんの相当な負担になる。それでも接種を希望される方が多いが。
後者は、子宮頸がんの発症を予防できる、いわゆる「癌予防ワクチン」とさえ期待されている。HPV(ヒトパピローマウィルス)のあるタイプに感染すると症状は出ないが、子宮頸がんのリスクが上がる。このワクチンを青年期前に打っておくと、子宮頸がんの発症を下げることができる。これも導入前に、若年層の性行動の乱れを助長しかねないなどと、反対意見があった。
以上、最近やっと導入されたワクチンについて述べたが、時々ニュースを賑わす百日咳など、打っていても時間とともに防御力は落ちるので、一定期間の後再度打つ(ブースターという)制度も足りないし、啓蒙されていない。
今まで、成書で潜伏期間がどうで感染経路がどうで、という結果だけを勉強していたが、その結果が作られる過程として、疫学というツールが効果を発揮することは勉強になった。
疫学の面白さ・難しさを知る上で最初に手にとるには良い。
ワクチンには直接効果(摂取者が罹患する確率を減らす・罹患した際の重症化を防ぐ)以外に間接効果(自分が感染しないことで周囲に広げることを防ぐ)があることは、集団免疫を考える上で大切だ。
risk vs benefitを押し測って、極稀な副作用を恐れて接種を任意にしてしまうことが、果たしていいのか?ワクチン後進国・麻疹輸出国である日本はどんなスタンスで行くのか、よく考えるべきだ。
以下長文になるが、現在の日本の予防接種のラインナップの乏しさを知ってもらいたく、なるべく平易に書こうと思うので、読んでもらえると幸い。
去年やっとインフルエンザ桿菌type Bのワクチンが導入され(もちろん自費で)、HPVワクチンもやっと今年になって導入された。
前者は、子供の髄膜炎(起こすと後遺症を残したりや死亡する危険が高い危険な病気)を引き起こす菌で、インフルエンザウィルスとは関係ない。以前は、この菌がインフルエンザを引き起こすと考えられていたため、この名前がついた。洋書では、髄膜炎の原因としては稀と書かれているが、残念ながらわが国では依然原因となりえる。導入後も在庫が追いつかず、予約待ちに去年末はなっていた(今年は改善されたと思うが、現状を知らない)。そして高いため、子供をもつ親御さんの相当な負担になる。それでも接種を希望される方が多いが。
後者は、子宮頸がんの発症を予防できる、いわゆる「癌予防ワクチン」とさえ期待されている。HPV(ヒトパピローマウィルス)のあるタイプに感染すると症状は出ないが、子宮頸がんのリスクが上がる。このワクチンを青年期前に打っておくと、子宮頸がんの発症を下げることができる。これも導入前に、若年層の性行動の乱れを助長しかねないなどと、反対意見があった。
以上、最近やっと導入されたワクチンについて述べたが、時々ニュースを賑わす百日咳など、打っていても時間とともに防御力は落ちるので、一定期間の後再度打つ(ブースターという)制度も足りないし、啓蒙されていない。
2009年11月23日月曜日
カナダでグラクソン・スミス社のワクチン使用中断
http://www.asahi.com/national/update/1122/TKY200911220249.html
http://www.dancewithshadows.com/pillscribe/glaxosmithkline-recalls-a-lot-of-h1n1-vaccine-pandemrix-from-canada-due-to-side-effects/
http://www.americanchronicle.com/articles/yb/137980569
当初予想されたより、H1N1ワクチンによる急性の副反応が多いため、GSK 社からカナダ保健省に対して使用中止をするように求めた。10万人に1人と予想されたアナフィラキー反応が、2万人に1人の割合であったからだそうだ。いずれも、注射直後に起こり、軽度のものとのこと。
日本のワクチン接種スケジュールも延期になるかもしれない。
副反応を恐れすぎて、効果の低い薄いワクチンにしても効果はほとんどないし。病気から守るためのワクチンで体を壊しても本末転倒だし。ワクチンは難しい。集団でみたrisk vs benefitの評価をしないと。特に今回は、初めての「新型」ウィルスに対するワクチン導入ということで、不確定要素も多い。
http://www.dancewithshadows.com/pillscribe/glaxosmithkline-recalls-a-lot-of-h1n1-vaccine-pandemrix-from-canada-due-to-side-effects/
http://www.americanchronicle.com/articles/yb/137980569
当初予想されたより、H1N1ワクチンによる急性の副反応が多いため、GSK 社からカナダ保健省に対して使用中止をするように求めた。10万人に1人と予想されたアナフィラキー反応が、2万人に1人の割合であったからだそうだ。いずれも、注射直後に起こり、軽度のものとのこと。
日本のワクチン接種スケジュールも延期になるかもしれない。
副反応を恐れすぎて、効果の低い薄いワクチンにしても効果はほとんどないし。病気から守るためのワクチンで体を壊しても本末転倒だし。ワクチンは難しい。集団でみたrisk vs benefitの評価をしないと。特に今回は、初めての「新型」ウィルスに対するワクチン導入ということで、不確定要素も多い。
2009年11月21日土曜日
タミフル耐性H1N1のヒト―ヒト感染
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8370859.stm
タミフル耐性化は報告されていたが、そのヒト―ヒト感染確認の報告は世界初だ。
元々RNAウィルスであり、RNAがセグメントに分かれていることからも他のウィルス以上に変異しやすい。そのため、このような報告が出るのも時間の問題であっただろう。
接種の始まったワクチンの効果も全てが初めてであるため、確たることは誰にもわからない。
ワクチンでの予防より、体調不良の際には無理せず休んでくださいという社会全体の同意が蔓延を防ぐ一番の方法だと思う。社会情勢的には難しいこともあるだろうが。
その際に罹患証明だのを必要とすると、ただでさえ足りない医療資源の非効率的な配分につながる。
再来週、感染症のカンファレンスでH1N1の話を聞けるのが、待ち遠しい。
タミフル耐性化は報告されていたが、そのヒト―ヒト感染確認の報告は世界初だ。
元々RNAウィルスであり、RNAがセグメントに分かれていることからも他のウィルス以上に変異しやすい。そのため、このような報告が出るのも時間の問題であっただろう。
接種の始まったワクチンの効果も全てが初めてであるため、確たることは誰にもわからない。
ワクチンでの予防より、体調不良の際には無理せず休んでくださいという社会全体の同意が蔓延を防ぐ一番の方法だと思う。社会情勢的には難しいこともあるだろうが。
その際に罹患証明だのを必要とすると、ただでさえ足りない医療資源の非効率的な配分につながる。
再来週、感染症のカンファレンスでH1N1の話を聞けるのが、待ち遠しい。
2009年11月3日火曜日
H1N1パンデミック@ウクライナ
http://www.who.int/csr/don/2009_11_01/en/index.html
ウクライナでH1N1がパンデミックが起こっている。
「2009年10月30日現在で2300人が入院し、うち1100人は子供であった。131人は集中治療を必要とされ、32人は子供であった。38人の方が重篤な急性呼吸器疾患で亡くなり、20-50才台の年齢層が優位に重篤化、亡くなっている。重篤例・死亡例は発症後5-7日後に医療機関を受診している。」
日本でも、今月から妊婦・発症すると重篤化しやすい合併症を有する患者さんに対してH1N1のワクチン接種が始まった。
既に医療従事者は接種しているが、医学生は最後らしい。
ウクライナでH1N1がパンデミックが起こっている。
「2009年10月30日現在で2300人が入院し、うち1100人は子供であった。131人は集中治療を必要とされ、32人は子供であった。38人の方が重篤な急性呼吸器疾患で亡くなり、20-50才台の年齢層が優位に重篤化、亡くなっている。重篤例・死亡例は発症後5-7日後に医療機関を受診している。」
日本でも、今月から妊婦・発症すると重篤化しやすい合併症を有する患者さんに対してH1N1のワクチン接種が始まった。
既に医療従事者は接種しているが、医学生は最後らしい。
2009年11月1日日曜日
手洗い・うがい
新型インフル対策により手洗いが普及→他の感染症も減少 @ボリビア
http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1931223,00.html?xid=rss-topstories
手洗いしすぎて、手が荒れた。どうしても免疫状態が抑制された方と接する機会が多いので、仕方ないが。アルコールが沁みてしまう。ハンドクリームを小まめに塗っても回復が追いつかない。
日本人は潔癖になってしまう傾向にある。正常細菌叢(皮膚や口、腸に普通にいる細菌達、これにより病原性の高い細菌の増殖を防いでくれている)と仲良く暮らしたい。
そろそろ「新型」って呼び方をやめた方が、「H1N1」で十分な気がする。何か「新型」だから特殊な対応をしなくては、前例のない対応をしなくては、という雰囲気がある。
来週末に「季節性」インフルエンザの予防接種をする予定。
http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1931223,00.html?xid=rss-topstories
手洗いしすぎて、手が荒れた。どうしても免疫状態が抑制された方と接する機会が多いので、仕方ないが。アルコールが沁みてしまう。ハンドクリームを小まめに塗っても回復が追いつかない。
日本人は潔癖になってしまう傾向にある。正常細菌叢(皮膚や口、腸に普通にいる細菌達、これにより病原性の高い細菌の増殖を防いでくれている)と仲良く暮らしたい。
そろそろ「新型」って呼び方をやめた方が、「H1N1」で十分な気がする。何か「新型」だから特殊な対応をしなくては、前例のない対応をしなくては、という雰囲気がある。
来週末に「季節性」インフルエンザの予防接種をする予定。
2009年6月12日金曜日
phase 6
WHO raised H1N1 influenza pandemic level from pahse 5 to 6.
It didn't mean that the virulence(toxicity of pathogen) of the influenza become stronger. It only meant the spread of the influenza infection is constant.
WHO also said that the countries which have already passed the peak of infection spread should prepare for the next wave of pandemic.
We should watch the prevalence of the disease more carfully, because no one said that it is impossible to change the virulence through human - human infection like Spanish flu.
The vaccine for the new influenza would be made in fall, if the development of the vaccine is smooth.
In Japan, we should immediately analysis into provision against this influenza. Was quarantine(a state, period, or place of isolation) against new influenza really efficient? In pandemic, medical staff, time, and investement would be absolutely lack. Therefore we should use these staff more and more efficiently.
It didn't mean that the virulence(toxicity of pathogen) of the influenza become stronger. It only meant the spread of the influenza infection is constant.
WHO also said that the countries which have already passed the peak of infection spread should prepare for the next wave of pandemic.
We should watch the prevalence of the disease more carfully, because no one said that it is impossible to change the virulence through human - human infection like Spanish flu.
The vaccine for the new influenza would be made in fall, if the development of the vaccine is smooth.
In Japan, we should immediately analysis into provision against this influenza. Was quarantine(a state, period, or place of isolation) against new influenza really efficient? In pandemic, medical staff, time, and investement would be absolutely lack. Therefore we should use these staff more and more efficiently.
2009年5月18日月曜日
新型インフル
日本国内でH1N1の確定例が出たということで大騒ぎになっている
爆発的に感染者が増えているのは、①感染力の比較的強い株が関西近辺に流行った②検査体制が整い確定するのに短時間になった、の2つが考えられる。(③メディアが煽って心配になった人たちが病院に殺到して検体が増えた、というのもあるかも)
ちなみに非感染者のマスク着用についてはエビデンスはない。マスクは感染した際に周囲に広げないという効果はあるが。手洗い・うがいは効果が認められている(T大のHPもよく読むとこのように書いてある)。結構ちゃんと対応(マスクの記載や潜伏期間、対応のレベルダウンなど)していると、今のところは評価している。近辺での確定例の発生の際にも、情報を集めてオーバーでない対応をして欲しいと願っている。
1917~1918年に流行ったスペインかぜの時は、マスク着用を義務付け、だらしなく着けている人を逮捕するまでの徹底ぶりだったそうだ。今から思うと科学的でないとか、人権侵害だとか、文句はいくらでもつけられるし、少々ヒステリックな気もするが、当時のunknownな病原体に対する、考えられる限りの対応をしようという姿勢は読み取れる。実際にあの株の感染性、毒性は本当に未曾有のものだったことが伺える。
そして、過労の医療スタッフの方々が多く感染する事態となった。
最近気になっていることとしては、
次の季節性インフル予防接種を受ける人が増えそうなので、足りるのか??しかもH1N1のワクチンの作成も同時並行で行う予定らしい
パンデミックとの戦いは1st stageだけでは終わらない。現在危惧しているのは、
A.現在の弱毒株に対して過剰な対応をしてパニックになる、現場の予備力の低下
B.今回過剰対応して、警戒感が薄れ、強毒化したときにも対応が遅れる、現場に対応能力が既に枯渇してしまっている(スペインかぜの時も1st stageはヨーロッパでmildな株が流行った後に、アメリカで史上最悪となって流行った)
もちろんBが起らないのを願うばかりだが、これから先のことは誰にもわからない。
これらの考えを踏まえ、早く対応をレベルダウンして、強毒化の有無に注視する。そして今回の対応の改善点を踏まえ、早く次の株・強毒化株・もしくは違う病原体に対する準備に入る。
昨日一日かけてPCを再セットアップしたのに、最後の最後でバグっておじゃんになってしまった・・・昨日一日パーになってしまったし家のPCも現在使えない(泣)
爆発的に感染者が増えているのは、①感染力の比較的強い株が関西近辺に流行った②検査体制が整い確定するのに短時間になった、の2つが考えられる。(③メディアが煽って心配になった人たちが病院に殺到して検体が増えた、というのもあるかも)
ちなみに非感染者のマスク着用についてはエビデンスはない。マスクは感染した際に周囲に広げないという効果はあるが。手洗い・うがいは効果が認められている(T大のHPもよく読むとこのように書いてある)。結構ちゃんと対応(マスクの記載や潜伏期間、対応のレベルダウンなど)していると、今のところは評価している。近辺での確定例の発生の際にも、情報を集めてオーバーでない対応をして欲しいと願っている。
1917~1918年に流行ったスペインかぜの時は、マスク着用を義務付け、だらしなく着けている人を逮捕するまでの徹底ぶりだったそうだ。今から思うと科学的でないとか、人権侵害だとか、文句はいくらでもつけられるし、少々ヒステリックな気もするが、当時のunknownな病原体に対する、考えられる限りの対応をしようという姿勢は読み取れる。実際にあの株の感染性、毒性は本当に未曾有のものだったことが伺える。
そして、過労の医療スタッフの方々が多く感染する事態となった。
最近気になっていることとしては、
次の季節性インフル予防接種を受ける人が増えそうなので、足りるのか??しかもH1N1のワクチンの作成も同時並行で行う予定らしい
パンデミックとの戦いは1st stageだけでは終わらない。現在危惧しているのは、
A.現在の弱毒株に対して過剰な対応をしてパニックになる、現場の予備力の低下
B.今回過剰対応して、警戒感が薄れ、強毒化したときにも対応が遅れる、現場に対応能力が既に枯渇してしまっている(スペインかぜの時も1st stageはヨーロッパでmildな株が流行った後に、アメリカで史上最悪となって流行った)
もちろんBが起らないのを願うばかりだが、これから先のことは誰にもわからない。
これらの考えを踏まえ、早く対応をレベルダウンして、強毒化の有無に注視する。そして今回の対応の改善点を踏まえ、早く次の株・強毒化株・もしくは違う病原体に対する準備に入る。
昨日一日かけてPCを再セットアップしたのに、最後の最後でバグっておじゃんになってしまった・・・昨日一日パーになってしまったし家のPCも現在使えない(泣)
2009年5月16日土曜日
新型インフル
神戸市で渡航歴なしの新型インフルエンザ感染例が見つかった。
経過はこちら↓
http://www.asahi.com/national/update/0516/OSK200905160054.htmlこれを受けて神戸市では22日まで学校や集会の停止を決めている。
新型インフルを疑うには、渡航歴+インフルエンザ様症状今までとしていたが、その定義も変えなければならなくなるだろう。
水際作戦として検疫は失敗に終わったのではない。日本や中国以外、確かに多くの国では検疫という対策をとっていない。マンパワーや資材・時間の制約の中では、もともとある程度の漏れが出てしまう仕組みであるから、今回の事態が確認されるのも時間の問題ではあった。ただ、国内流行を遅らせ、検査体制を整えるまでの時間稼ぎができたという意味では、一定の評価があると感じている。今回の一連の流行終焉後に再評価されることを望む。
今回も個人情報がだいぶ流れてしまっている。このようになるのが怖いから、黙っているといった傾向にならないかと危惧される。そうなると、正確に流行状況を確認し、拡大を抑えるといった対策を講じるのが後手に回るからだ。
今、スペイン風邪の本を読んでいるが、あの時も今もウィルスに対しての特効薬がないのは同じである。人が集まるのを避けるといった基本的対策はあの時と一緒。ただ、症例の報告義務や感染症対策センターがあるといった、システムがあるのは現在だからこその強みだ。読後に改めて考察したい。
今回のような感染性も毒性もそれほど高くない病原体のパンデミックにおいて、本当に怖いのは、病原体自体ではなくてパニックだ。
2009年5月7日木曜日
新型インフルエンザについて20090507
当初予想されているより、H1N1インフルエンザの感染力・毒性が低かったため、専門家の中でも緩やかなものになるのでは??と楽観視する声が多いようです。
米国での感染確定例の増加は、今週からCDCのみに限らず地方の保健所レベルでもこの株の同定が行えるように体制が整った(それまでは疑い例の検体が大量に送られてきて検査能力を超えていた)ためと考えるのが妥当です。
このように検査体制が整うと、一見データ上は悪くなっているように見えるので、そのようなファクターを差し引いて変化をみるべきです。
その反面、H5N1インフルエンザは、感染力自体は今のところ低いですが、毒性は極めて高い(データ上感染例が423例、死亡例が258例、死亡率は61%、もちろん国の医療事情によっては軽症では病院に来ないため重症感染例のみが分母になっている傾向はあると考えられますが)ので、今日明日にパンデミックになる確率は低くても、今後とも警戒を続けるべきだと思います。
今回の株は、パンデミック対策の限界や問題点・改善点、マスコミの扱い方などを探る上で、重要なものになっていると考えます。
まだT大の方針はHP上変わってないようですが・・・近いうちに対策も緩やかなものになるのでは!?
米国での感染確定例の増加は、今週からCDCのみに限らず地方の保健所レベルでもこの株の同定が行えるように体制が整った(それまでは疑い例の検体が大量に送られてきて検査能力を超えていた)ためと考えるのが妥当です。
このように検査体制が整うと、一見データ上は悪くなっているように見えるので、そのようなファクターを差し引いて変化をみるべきです。
その反面、H5N1インフルエンザは、感染力自体は今のところ低いですが、毒性は極めて高い(データ上感染例が423例、死亡例が258例、死亡率は61%、もちろん国の医療事情によっては軽症では病院に来ないため重症感染例のみが分母になっている傾向はあると考えられますが)ので、今日明日にパンデミックになる確率は低くても、今後とも警戒を続けるべきだと思います。
今回の株は、パンデミック対策の限界や問題点・改善点、マスコミの扱い方などを探る上で、重要なものになっていると考えます。
まだT大の方針はHP上変わってないようですが・・・近いうちに対策も緩やかなものになるのでは!?
2009年5月3日日曜日
新型インフルエンザ現状と課題
水際作戦として、
①帰国者に対して発熱を確認するためのサーモグラフィでチェック
②症状があれば、迅速診断キットでAかBか型判定
③A(+)ならPCRで既知の新型インフルエンザ株と配列を比較
これらを経て確定となる
①潜伏期間中に検疫を通過する可能性はある
②迅速キットの感度・特異度が不明(キットの種類により差があるが)。A(-)B(-)の際も可能性はある。実際USAでは迅速キットには頼っていない。
③確定までに時間がかかる。日本にもPCRのために新型の株が届けられたらしいので、以前よりは早くなると思われるが、特に国内一例目の確定には慎重になるため時間を要するだろう。
と理論的に考えると万全とはいえない。
とはいえ、動員できるマンパワーや機材を考えるとこれが、妥当だろうと考えられる。昨日だけで46000人が海外に出てしまった。GW後半~GW後が・・・
医療機関の対応として、
急性期:まだ数例の時点では、感染拡大を抑えるため、陰圧室で管理し、他者との接触を避けるように。
蔓延期:感染拡大が起こった際は、軽症例は自宅待機、重症例のみ入院。
と2つのフェーズに大別できる。
これらを通常業務もこなしつつ、(ただでさえ、GW後は旅行者感染症は多い)やるには本当に大変。お疲れ様です。
①帰国者に対して発熱を確認するためのサーモグラフィでチェック
②症状があれば、迅速診断キットでAかBか型判定
③A(+)ならPCRで既知の新型インフルエンザ株と配列を比較
これらを経て確定となる
①潜伏期間中に検疫を通過する可能性はある
②迅速キットの感度・特異度が不明(キットの種類により差があるが)。A(-)B(-)の際も可能性はある。実際USAでは迅速キットには頼っていない。
③確定までに時間がかかる。日本にもPCRのために新型の株が届けられたらしいので、以前よりは早くなると思われるが、特に国内一例目の確定には慎重になるため時間を要するだろう。
と理論的に考えると万全とはいえない。
とはいえ、動員できるマンパワーや機材を考えるとこれが、妥当だろうと考えられる。昨日だけで46000人が海外に出てしまった。GW後半~GW後が・・・
医療機関の対応として、
急性期:まだ数例の時点では、感染拡大を抑えるため、陰圧室で管理し、他者との接触を避けるように。
蔓延期:感染拡大が起こった際は、軽症例は自宅待機、重症例のみ入院。
と2つのフェーズに大別できる。
これらを通常業務もこなしつつ、(ただでさえ、GW後は旅行者感染症は多い)やるには本当に大変。お疲れ様です。
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