2009年12月26日土曜日

湿潤療法

自分の顔面と右膝で湿潤療法を試しているが、実際にやってみないとわからない難しさを感じた。

・膿なのか浸出液なのかの区別が難しい
一見黄色い塊ができて臭いもするので、「やばい、水洗いが不十分で化膿したのか?」と思ってギクッとしたが、先生に確認してもらったら浸出液とのこと
臭いがしたので、嫌気生菌が繁殖した証拠ではないかとも考えたが、正常の浸出液の塊でもこれくらいの臭いはするらしい
もっと発赤、熱感がないと化膿したから治療とはならないらしい

・被覆材の交換時期が難しい
動きがあるため、どうしても1日程度で被覆材を交換しないとならない部位と、しばらく貼りっぱなしの部位で治癒効果を比較。傷の深さが均一ではないので、単純比較はできないが、まずはイメージを掴もう。最適な交換時期は、季節、患部の状態、位置(可動性の有無など)によって変わるはず。

確かに従来の絆創膏に比べて、目立つことや大きさを変えにくい、傷には最適だが周囲の正常組織には悪影響などのデメリットはある。
やはり自分で試すのが一番

湿潤療法についての本↓
http://bjnikotoyoro.blogspot.com/2009/10/blog-post_18.html
その著者のHP↓
http://www.wound-treatment.jp/

2009年12月25日金曜日

医療保険改革案上院可決@米国

http://www.cnn.com/2009/POLITICS/12/24/health.care/index.html

ついに米国にて医療保険改革案上院可決した。

クリントン政権時代も度々必要性が唱えられてきたが、実現できなかった。それを進めたのが、ヒラリー。
このような動きに対して必ず出される意見が、「米国は自由の国であり、そのような社会主義的な制度は必要ない」だ。冷戦時代を思い出させることで、人々に拒否反応を誘発させるため効果的な意見だ。
それについての総括で、米国には馴染まない制度を性急に作ろうとしてしまったためだという記事を半年くらい前に読んだ(詳細は忘却)。

オバマ政権下でも実現できずじまいなんだろうと、悲観的にみていたが。イヴに新たな動きがあった。
新自由主義の行き過ぎに対する揺れ戻しなんだろう、と考えている。
これからの動きに注視したい。

2009年12月24日木曜日

煙か土か食い物

煙か土か食い物 (講談社文庫) 舞城 王太郎

小説は久しぶりに手にとってみた。
スピード感と圧倒する文章は凄い。
基本展開が唐突で、面食らうこともあるが、それが歯切れの良さにもなっている。

自暴自棄になりがちなシローの気持ちもわかるぜ!!ヘイヘイヘイ
誰もが内包する暴力性は、眼をそむけているといつか爆発するだろう。心のドレナージも時々しないと?

今の自分を、ボロボロのシローに投射してしまった。未成熟な精神防御機構を使ってしまった。

満身創痍でイヴに読むには最高の出会いだった。
顔面はダメージを受けたが、幸い眼に支障がなくて何よりだったぜ。
眼と片手さえ残っていれば内科にはなれるし。ミリ単位で動かしても痛いし、不自由さもあるが、明日もとりあえず活動しよう。
止まっていると不安になってしまうからか(動いていると余計なことを考えなくて済むからか)、酷使していることに快感を感じているからか?

2009年12月23日水曜日

感染症は実在しない

「感染症は実在しない」 構造構成的感染症学 岩田健太郎

 医療の内包する恣意性について触れた書。哲学的アプローチを試みている。
 精神疾患を規定しているDSMシリーズを始め、インフル、腫瘍、などあらゆる「病」は医療者が作り上げたものである。そして、「診断」の過程で行う検査は影を捉えているに過ぎない。そのことを肝に銘じて謙虚でないといけない。
 
 患者さんがもつ価値と一番マッチした検査・治療との交換、「価値交換」が医療である。
 それは、投資に類似していると言える。必ず儲かるものはないように、100%安全な検査・治療は存在しない。リスクと利益を天秤にかけて、判断しないといけない・
 しかし、金銭と異なり、自分自身という代替不可能なものをリスクにさらすわけだから、その判断に慎重を期するのは当然だ。

 100%正しいものは、この世に存在しない。そして、100%正しいことを言っているというのは、何も言っていないのと同じことだ。イデオロギーの抱える胡散臭さは、このあたりからきているのだろう。
 大事なのは確率の見積もり。

 最近、医療のもつ「さじ加減」さについて考えていただけに、その領域にちょうど一石を投じてくれた。


 昨日(正確に言うと今日の深夜)、帰り道に顔面スライディングをして打撲した。他人の幸せを嫉んでいた罰が下ったようだ。
 段差に対して、平行気味に入ってしまった。小学生の時にも同じようなスタイルで怪我したのを思い出した。

 唇が少し(だいぶ)腫れただけでも飲食しづらい。口は一番最初にある消化器であり、この障害は、経口摂取の大きな妨げになることが身をもってわかった。
 湿潤療法を試そう。とりあえずマスクで隠れる範囲内が主要な受傷でよかった(よかったのか??)。
 
 宴会・飲み会が多い時期ですが、酒の上でのトラブルに注意しましょう。
 また、受傷時からの記録を残すのを怠った。

2009年12月22日火曜日

知の鎖国

知の鎖国―外国人を排除する日本の知識人産業  アイヴァン ホール

「・・・日本の若者は興味の対象がしぼられた序列の厳しい集団の活動一辺倒になってしまう。級友同士の横の結びつきは生涯つづくと思われ、強い絆は将来OBが学生を自分の会社に勧誘するのに役立つ。外国人の学生はどうしてもこの基盤に入り込めない。彼らは単に通り過ぎていく存在だし、彼らの母国では「参加する」だけでこんなに厳しい要求が突きつけられることはない。」
→実際に部活の延長で、働きはじめることも多いだろう。多少なりとも「体育会」の身を置いていたからこそ、この結びつきの強さはよくわかる。この結びつきの特殊性を理解した上で、暖めていこう。

「日本が約束する「国際化」とは、実際、どちらかと言うと絶え間ない不安を解消する自己防衛の手段であり、世界の国々との活発で外向的なかかわりをさすのではない。」
→本当に「国際化」を果たせたなら最早口にはされないはず。できていないからこそ、「やりますよ」というポーズだけみせて実際は遅々として進まない。

メディア・法曹界・大学に旧態として残る見えない壁。その根底には、自由競争によりポストを奪われてしまうかもしれないという恐怖があり、「島国だから特殊なんだよ僕らは」という島国根性な言い訳をつくり、他の民族には持ち得ない精神性を有しているという優越感に浸るための装置なのだ。
うん年前の欧米から植民地化される近隣諸国を横目に自分たちは植民地化されないために自分たちで国を守らなければならない、というイメージが払拭し切れていないかも。

10年近く前に書かれた本だが、親日派の著者があえて苦言を呈してくれているだけに真摯に受け取るべきだろう。
視聴者として日本の政治家や官僚に対して不平・不満を言っている、その背中で同じ内容を海外の方から自分たちに言われているのだろう。

そして、以前程魅力を失った日本に「国際化」を要求することも少なくなってきているのだろう。はるか以前に帝国の座から滑り落ちても、なお影響力を保ち続けている英国に何かヒントがあるのではないだろうか?

「日本」を「科学」に言い換えられる。「自分」にも言い換えても自分にも思い当たるふしは大いにある。

以下この本を手にするきっかけになった記事
Kiyoshi Kurokawa's blog
「知の鎖国:外国人を排除する日本の知識人産業」と、科学研究関係の「事業仕分け」

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2009/12/%E7%9F%A5%E3%81%AE%E9%8E%96%E5%9B%BD%E7%B6%9A%E7%B7%A8.html

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2009/12/%E7%9F%A5%E3%81%AE%E9%8E%96%E5%9B%BD%E5%A4%96%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E3%82%92%E6%8E%92%E9%99%A4%E3%81%99%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E7%9F%A5%E8%AD%98%E4%BA%BA%E7%94%A3%E6%A5%AD%E3%81%A8%E7%A7%91%E5%AD%A6%E7%A0%94%E7%A9%B6%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%81%AE%E4%BA%8B%E6%A5%AD%E4%BB%95%E5%88%86%E3%81%91.html

2009年12月21日月曜日

テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方

テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方 (角川oneテーマ21) (新書) 佐藤 優

新自由主義の行きすぎで、社会がどのようになっていくのかについて考察した本。だいぶ前に買ったがなかなか読み進められなかった。脳の「引き込み」現象がうまく作用すると、どんなに長い本でも一気に読めるが、間ができたりするとなかなか入り込めずに遅々として読み進められない。本の厚さや中身、自身の知識に応じて、最適な時間とパワーを確保して臨むのがベストだろう。実生活ではなかなかうまくいかないが。

「蟹工船」は、共産主義を広めるために執筆されたフィクションであり「海に生くる人々」の方がリアリズムを反映していると主張している。
最近のロシアの動向についての考察は、メドベージェフが寄せた北海道新聞の記事を読み解くところなどはなるほどと感じた。

新自由主義に関連して
昨日、NHKスペシャル マネー資本主義「ウォール街の“モンスター”」
でリーマンショックについて解説されていた。金融工学の繁栄、行きすぎた競争、1%の富裕層と99%の貧困層、新自由主義の行きすぎに世界は待ったをかけるべきなのか。

ヒトは適応してしまう。よくいえば「順応・適応」した。わるくいえば「感覚が麻痺」してしまうのだろう。
ヒトの生涯分泌できるエンドルフィン総量と効果的に作用し続ける量・間隔を考えると、あまりに早いうちに幸せを手にしすぎると、それに「適応」してしまうと思う。よく、「幸せは普段の生活の中にある」「失って初めてわかる●●の大切さ」というが、ありがたさを忘れないくらいに程良い距離感であるべきなんだろう。
だから、今のうちはあえて過酷な環境に身を置くようにしよう・・・こじつけると

「感染症は実在しない」
「ローマ人の物語」
を友達から借りた。
「知の鎖国」
「奇妙な論理」
「バングラデシュを知るための60章」
「教養主義の没落」
を図書館から借りた。
「中核対革マル(下)」
「学問論」
「東大教師が新入生に進める本」
が買った本として積まれている。
・・・今年の年末は最後のまとまった読書期間かもしれない
今日も明日も試験☆

2009年12月19日土曜日

水・電解質と酸塩基平衡―Step by stepで考える

水・電解質と酸塩基平衡―Step by stepで考える 黒川清

2年くらい前に、当時先輩の勉強会に参加させてもらっていて、その会で教えてもらって買った本。その時も読んだが、いまいち消化しきれなかった個所もあり、水・電解質系の勉強を重点的にしようと思い、読み直してみた。先週は昼休みは一人だったので、ちょうどぴったりのサイズ&ボリュームだった。

まだ、AGの計算や補正HCO3-の計算といった酸塩基平衡の崩れる病態が複合した際のアプローチが甘かったことを再認識できた。
甘草が鉱質コルチコイド作用を示すメカニズムが原発性アルドステロンと違うこともわかり、勉強になった。

本は読み手の成熟に合わせて、読み取れる情報や感じ方が変わることを実感できた。

第8回若手医師セミナー

第8回若手医師セミナー
心電図について。自転車で直接会場に向かった。

前述したが、「さじ加減」を学ぶために研修がある
と思えば、その意義も見出せるのではない
・・・という言葉が一番印象的だった。苦労して研修をしてきたK先生だからこそ、この言葉に重みを感じる。

・ST変化は上昇が下降より重要
・右脚ブロックはM字、左脚ブロックはV字
・aVR誘導ははぐれもの、だからこそ大切

最近やっと系統的に読めるようになって、心電図の面白さがわかってきていた。この面白さにさらにブースター効果を足してくれた講演だった。

計160km(片道16km×往復×5日)を走破したので、A葉でつけ麺を大盛りにして一人でねぎらった。
「お金がないなら頭を使え、頭がないなら体を使え、一人でできないならチームでやれ」
・・・お金も頭もないので、体を使ってごり押しした1週間だった。妙な充実感がある。

医療の倫理

医療の倫理 星野一正

18年前に出版されたものだが、今読んでもなお考えるところが多い。根本的な倫理はわずか18年で大きく変わりはしない。
医療の内在する不確実性、科学と芸術の両方の側面を併せ持つ特異性、高度化したことによる複雑な生・死の境、・・・倫理的な判断を必要とされる場面は大いにある。

日本人についての考察で「出し抜かない、でも遅れはとらない」という表現はうまいと思う。
世間一般の流れから逸脱した自分は、「出し抜くことも、遅れをとることも気にしない」ようになってしまっているのだろう。
この国でそれなりにうまくやっていくには、阿吽の呼吸、いわゆるcontext richでないと限られたスペースでうまくはやっていけないだろう。この特性は利点と欠点を考えないといけない(度々言及してきているので、詳しい考察は省略)。欠点の面が顕著なものが、本書内で言及されている移植や献体の不足だろう。

教科書通りのclear cutにできることは全体的には少なく、その「さじ加減」を学ぶのが大切だから、研修があるのだ
・・・と昨日のW手医師セミナーでも伺った。本書にも書かれていた。同じ内容を異なるチャンネルからほぼ同時に受け取ったので、かなり強化されたはずだ。多分、どちらかのインプット時期がずれていたら、普通に流してしまっていただろう。
だから、教科書・成書から学ぶのも大切だが、それだけでは医師になれないのだろう。全く同じ疾患でも、その個人のもつ背景や置かれている社会的状況なども考えて最善の一手を考えないといけない。深い。

2009年12月16日水曜日

中核vs革マル

中核vs革マル(上) 立花隆

東大闘争や浅間山荘事件など、考えてみれば自分の親の代が学生であった時代のことは何も知らない。
まだ、日が浅く解釈がなされておらず「歴史」となっていないからだろうか?「歴史」になってはいなくても過去から学ぶべきことは大いにある。
読んでいてイデオロギーに殉じることの危うさを感じる。大義を掲げることは必要性はわかっているが、それが内包するあいまいさ・胡散臭さにも注意をはらうべきだ。
一方で、これだけのエネルギーや情熱をもって(発揮の仕方は決してスマートではないが)本気で社会を変えようという力を学生がもっていた。今の学生が大人しすぎるだの、年配の方に言われるのもよくわかる気がする。裏を返せば、自分たちの世代も「腰を入れれば」このくらいの原動力をもっているはずだ。内に秘めて有効利用したいものだ。

今週は片道1時間半で自転車通学している。
病院のすぐ横に下宿させてもらって、歩いて通えることのすごさを改めて認識した。
家では一切暖房器具を使っていないため、手が悴む。通学中、2重手袋でも手が悴む。本格的な冬到来を感じさせる。

2009年12月14日月曜日

ローマ人の物語6

ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち[一]~[四]

ユリウス・クラウディウス朝末期とその終焉が描かれている。
皇帝ネロの暗殺は、アウグストゥスがこだわった血の継承がついに元老院と民から捨てられた時だった。

積極的な反体制とは、例えれば野党が「シャドウ・キャビネット」をつくり自分たちが政権を奪取した暁にはこのような国にしたいとビジョンを示すことだ。しかし、積極的な反体制を示せない時、人は安易な批判に走る。権力への批判がウケルというのは、この時代も現代も大差はないだろう。

この時代から学ぶべきことも多い。遺伝子と同じように人の本質は劇的には変化をとげるのに、わずか2000年たらずでは十分でないからだ。いくら文明が進化した、環境が変わったといってもそれを扱う人はほぼ同一といっても間違えではない。過去からの遺産を引き継いでいる以外では。

自転車通いも悪くはない。疲れるが。水曜の降水確率に一喜一憂している。10%下がった!!

2009年12月13日日曜日

外国語上達法

「外国語上達法」 千野栄一

最近諸事情により2つほど言語習得が必要になって、この本を読めば近道できるのではないかと下賤な心をもって読んでみた。

・言語習得には時間とお金が必要
→それだけの犠牲をはらったという覚悟がないと本腰が入らない
・よい教科書・教師・辞書にめぐりあう必要がある
・最初の1000語の語彙が必須
・頻度と範囲の2×2のマトリックスで、頻度高・範囲広と頻度高・範囲狭(自分の専門分野など)の語彙習得を目指し、残りは辞書に任せる
→ある程度の割り切りがないと言語の奴隷と化してしまう
・会話には「いささかさの軽薄さと内容」
→要は内容。後は完ぺき主義に陥らないように、ミスを重ねて上達していく。

結局近道はないけど、毎日地道にコツコツ学習しましょう。はい。

感染症フォーラム

感染症フォーラムに参加してきた。

HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについてと感染管理については勉強になった。

HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンについて
HPV(ヒトパピローマウィルス)はSTD(性行為により感染する病気)ではない
→ほとんど全ての人が生涯のうち感染する「風邪」のようなもの、大多数の人は何の影響もないが中には子宮頸癌になってしまう方もいる
HPV ワクチンによって子宮頸癌のほとんどを防ぐことができる
→感染前にワクチンを打つことができればほぼ確実にその発症を防ぐことができる
残念ながら今のところ任意接種なので、3回打つには3万円以上は確実にかかる

小児科はHPVワクチンについて知らないし、産科はHib(子供の髄膜炎の原因になるインフルエンザ桿菌type B)ワクチンについて知らない。
久しぶりにフロアからのコメントで素晴らしいものを聞いた気がした。

感染管理については、当たり前のことを続けることの難しさを感じた。働き出したら、デジカメをポケットに入れよう。

明日から自転車通い。水曜の天気が怪しい・・・

PreTest OB GYN

Obstetrics & Gynecology PreTest Self-Assessment & Review

やっと終わった。Step 2ではOB GYN(産婦人科)Psychyo(精神科)が海外の受験者には1つの試験の山になると言われている。米国特有の知識が要求され、かつ国試ではそこまで深くは要求されないからだ。

婦人科検診の頻度(リスクファクターや以前の検診結果によって微妙に変わる)や、垂直感染(母親から子への感染)防止のための妊娠後のワクチンについてなど、国試の産婦人科すらまともに勉強していない自分にとっては、難しく、時間がかかってしまった。

First Aid step2などでは、あまりこの問題集の評価は良くないが、不得意分野の補強という意味では項目ごとにまとまっていて勉強しやすい。確かに部分部分ではここまで細かい知識は必要ないのでは、と思える個所もある。いただきものなので、一版前のものだが。

次はpretest psychologyに取りかかろう。

2009年12月12日土曜日

H5N1ウィルス@ベトナム

http://www.who.int/csr/don/2009_12_11/en/index.html

Dien Bien Phu(ディエンビエンフー)の男性がH5N1ウィルスに罹患し入院。
ベトナムでは、112人がH5N1に感染が確認され、52人が亡くなっている。

H1N1の反省をH5N1対策に反映できる時間は、思ったより少ないのかもしれない。

感染症ミュージアム

B国で研究をされていたY先生が、一時帰国されたので、その報告会が昨日あった。
「感染症ミュージアム」と称されるだけに、感染症を目指すものとしては訪れておいて損はない。日本にいては出会うことのできない感染症がみられる。反面、自分自身が感染してしまう可能性も高い。
結局、報告会の途中で呼び出されてしまい、全てを伺うことはできなったが。

夜にお話しを伺う機会を得た。
CNN対アルジャジーラの話や、大国のエゴに振り回され続ける途上国、外からみて初めてわかる日本の立ち位置、日本とイギリスの違い、など話は多岐にわたった。自分自身のidentityや価値観、自分の国の文化に対する知識など確立していないといけないと強く感じた。

同じ期間に、同学年の人達はマッチングに向けて就職活動をしているので焦りを感じるが。
今まで途上国を訪れたことがなかったので、感染症を学ぶ上でも、経験を広げる意味でも有意義な1カ月半にしたい。

2009年12月9日水曜日

Podcast



いつも聞いているポッドキャスト達。聞き始めの時に比べれば、格段に聞き取れるようになったと思う。扱うトピックに依っては難しいのもあるが。

上2つとBBCは世事から疎くならないために。
下2つはiPODには取りこんでいないが、役に立つフランス語ポッドキャスト。
他は医学雑誌から出しているもの。

一昔前までは、リスニングの練習をしたくても高価な教材を買わなくてはならなかったことを考えると、すごく恵まれていると思う。言語習得のための可塑性を失わないうちに(最適な時期はとっくの昔に逃しているが)このような時代がきたのは幸せな限りだ。

2009年12月7日月曜日

来年とその先

最近・・・悩んでいる
来年の国外で行える実習について、B国とC国ではできるように準備を進めているが、A国でもやはり行ってみたいと思う気持ちはある。探すだけ探してみたが、良い受け入れ先をみつけられていない。十分探してみたしやれるだけのことはやったと思う反面、まだ足りないのではないかと心のどこかで思っている。

学生でいることはチャンスに恵まれているということだ。
働き出したら決してこんな風に行ける機会はなかなか巡ってこないだろう。
これから残り少ないチャンスを大切にしたい気もする。今回もその数少ないチャンスの1つだろう。

語学の先生からは、「あまりに欲張りすぎているから、今を大切にすることもしなさい」、と教示を受けた。
確かに詰め込み過ぎなのか、無理できるうちに無理をしておかないと後悔するのか。よく考えよう。来年になったら考える間もなくなるくらい、忙しくなるだろうし。

2009年12月6日日曜日

日常英会話モノローグ&ダイアローグ

日常英会話モノローグ&ダイアローグ The Japan Times

前の大学の同期で、英語教師として最前線で教育をおこなっている友人から勧められた。CD5枚組とそのスクリプトが本として別に出ているが、自分は前者しか買っていない。

巷にあふれる海千山千の英会話教材の1つと侮れなかれ、非常に質が高い。
日常の場面を切り取って、よく使う自然な言い回しが盛り込まれている。

聞き流し→書き取り→シャドーイングをしている。
まだ、1つ目のCDも終わっていないが。書き取りをしていると些細なスペルを間違って覚えていたり、また意外に綴りがわかっていたりと発見があって面白い。

IDATEN interactive case conference

今日は、IDATEN interactive case conferenceが都内で行われた。

よくテレビにも出演されている東北大学の押谷仁先生が現在の新型インフルエンザの動向について解説を下さって大変に面白かった。

まず、強調されていたのは、疫学は競馬の予想をしているのではないので、常に最悪の場合を想定しないといけないということ。
各国の動向では、遅れて成人の感染が広がり、その中で重症化・死亡しやすいとのこと。これから、日本もそのような傾向にならないとは、言えない。そして現に厚労省によるここ4週間の死亡者数は4,3,4,5人,と少しずつ上昇傾向にあり、一気に爆発的に増える危険性も拭えない。
現時点では、日本の感染動向は各国とは違う特異なパターンを示している。その理由として、①学級閉鎖などの感染拡大対策、②タミフル・リレンザの早期投与が考えられるが、あくまで推測の域を出なく、ちゃんとした解析が待たれるとのこと。

本題とは外れるが、妥当性の証明は疫学を聞きかじったことのある身では本当に難しいと思う。「正しさ」の主張は、取りもなおさず、反対意見の不正を主張になるからだ。最近「正しさ」の胡散臭さを感じるようになってきた。

行きの途中、舞城王太郎の本を買ってみた。教養のための本の中で紹介されていて、実に楽しみだ。初めての作者の本に触れるときの未知さというか、ワクワク感を久しぶりに感じている。
今度は、友達に白洲次郎についての本を借りよう(ドラマになって以来一種のブームになっているので、自分はへそ曲がりなのでそれを忌避するように試みているが、それを押してもオススメらしい)。ローマ人の物語もそろそろ返して新しいタームを借りないと。

リーダーシップの旅 見えないものを見る

リーダーシップの旅 見えないものを見る (光文社新書)
野田 智義 (著), 金井 壽宏 (著)

敬愛するI先生のブログで紹介されていて、いつか読もうと思っていたら書店で見かけてつい衝動買いしてしまった。本当に考えさせられる。また、人生の節目に悩んだら読もう。

lead the self → lead the people → lead the societyという3つの段階を経てリーダーとなる。常日頃より自分自身をリードできないとリーダーになれない。

地球史の中からみれば取るに足らない個人でも、地球史からみれば取るに足らない個人の一瞬(一日)でもきっと意味はある。

そして、リーダーシップのダークサイドにも触れているのは、新書では珍しい面だと思う。とかく、わかりやすくとか紙面の都合とかの理由がつけられるとは、思うがあえて負の面に触れることで、全体のバランスがとれている。

ただ、「本当にやりたいと欲せば、絶対に実現できる」というのは、呈のいい言い回しだと思う。実現できたことを逆算すればそれは、あなたが本当に実現したいと望んでいたといえるかもしれない。逆に実現できなければ、それはあなたが本当に実現したいと望んでいないと言える。そして、中間の本当に実現したいと思っているのにそれが実現不可能なことと場合、そのヒトは中途で斃れることになり、実現できない。この言い回しは多分に占い的などっちに出ても当たるようになっている。この心意気は否定しないが。

忙しいふりをしているのは、inactive activeといえる。これは確かにそうだと思う。グーグルも普段の仕事の5~10%は新規の独創的なプロジェクトに回すようにしている。いつか(1.5年後)自分にも目の前の仕事に追われて、大きな絵を見失う日が来るのだろう。その期間に備えて今から、一緒に目指す人脈や、アカデミックさを見失わない仲間とのネットワークを築いておこう。

難癖をつけたが、今まで読んだ新書類の中で一番琴線に触れた。特に今描いているキャリアプランに迷いが生じ始めている自分にとっては。
結局、他人のドグマに流されないように自分の軸を獲得するために、教養・経験は必要なのだ。と行間からは読める。
読み終わって瞬間に隣の友達に貸した。手元に返ってこなくていいから、それくらいみんなに読んで欲しい。

「理系」が未来を変える! 続編

先日のシンポジウムに関して、十分に意見・感想を述べられなかったため追記する。

本来、理系が果たすべき説明責任を果たしてこなかったため、(仕分けでザックバランに切られるような)このような事態になったのだと思う。金をせしめる時(すみませんストレートな言い方で)は、「こんなに社会に役立ちますよ」と歌っておきながら、いざ金が削られる時になると「科学は聖域だから」「科学技術立国日本を壊すのか」という二枚舌を使っていたツケが回ってきたのだと思う。そのような「甘え」に一石を投じた意味でも今回の事業仕分けは意味をなしたと考える(個人的には、出身も合わせて科学応援派なので、科学のための費用を削られることには抵抗を感じるが)。

ちなみに、フロアからの意見として出ていたが、日本はあまりに綺麗事しか見せていないことにも問題があると思う。確かに科学を進める上で、「宇宙の起源に迫る」「医学の進歩に貢献する」「地球環境の改善に役立つ」などの綺麗事を言うのは、多くのヒトを引き付ける上ではそのようなある意味プロパガンダ(別の言い方ではリーダーシップ・夢、悪く言えば美辞麗句)は必要だと思う。しかし、一方で、その研究を進める上で、金銭感覚や、当たり前の社会常識を身につけずに研究室という限られた空間だけに留まっているのは、(特に国立大では)血税を投入してもらっているという身ではおかしいと感じるべきだ。メディアもあまりに汚いもの(金、死、生、性など)に蓋をした報道をしたきただけに、多くの学生には突然社会に出た瞬間に清濁併せ持てというのも酷だと多分に思う。

そして、斜陽の国にいる限りは、いくら「国民の健康・命のため」というスローガンを掲げてもある程度は合理的にあるべき医療体制に余波がくると考えるのは想像に難くない。これからは予防と疫学の時代が主流になるだろう。

M君に自分の記事を引用してもらえて非常にうれしいと思う。これは、本来このシンポに来たくても来れなかったO君のためにその要訳+意見を記載したものだからだ。
卒論が終わったら連絡下さい。大学時代に読んで欲しい多くの本をキープしてます。きっと卒論でしか味わえない深い世界もあるけれど、燃え尽きてはいられないと思えるくらい広い世界もあると思う。

2009年12月4日金曜日

「理系」が未来を変える!

文理融合シンポジウム 「理系」が未来を変える!

に参加してきた。考えてみると医学系のセミナーや授業に参加するのは久しぶりだった。
都内のB国大使館にビザを取りに行った帰り、面白そうなシンポジウムをO君から告知されていたので、足を運んでみた。(というより、帰り道だったので寄ってみたという方が正しいのかもしれない)
行ってみたら副題が「博士人材の社会貢献とキャリアパス」となっていて、自分には場違いであったと感じたが、聴いていたらなかなか面白かった。

基調講演は毎日新聞科学環境部の元村氏で、日本のを取り巻く現状の厳しさを指摘した。人材・金・資源・信頼がないにも関わらず、競争は激化している。そして、専門が細分化されており、連携ができていない。
I型、T型、П型と表現していたのは面白かった(いずれも下に伸びるのが専門分野で上にある横棒は幅広い知識)。従来の理系がI型であったが、より後者になれるようにとのことだ。

続いて、パネルデスカッションで元村氏、西村氏、朝日氏の3氏が熱い議論を交わされていた。
西村氏の持論は、大学は道楽で、共産圏崩壊+グローバル化→多くの低賃金労働者出現→先進国で大学進学率上昇、つまり大学は失業対策なのだ。科学→技術→経済というliner modelはそもそも存在しない。というネガティブな側面を強調されていた。
一方の朝日氏は大学で先端研究に触れることで、研究力(独創力)と社会力(深い教養、正しい倫理感、自己と他者の正確な把握の上のコミュニケーション、変革を牽引するリーダーシップなど)を得ることができ、それには大学が一番だ。だだし、大学の問題として、①教える側に社会シテラシーがないため、それが身につかない学生を輩出してしまう②優秀な学生を研究室内に飼い殺してしまい、「他流試合」をさせていない。
両氏とも言っている事は同じことで、それらをポジティブに言うかネガティブに言うかの違いだけだった。

社会に対して説明責任を果たしてこなかったため、「事業仕分け」はそれを見直す良いきっかけではないか?これからは、研究室だけに留まらずに、理系の素養をもった人材を広く社会に輩出する役割を大学が担うべき。そのためには、たこつぼ化していた分野間の壁を完全に取っ払うことはできなくても、壁の向こう側を覗いてみたり、壁を薄くする努力をしなくてはならない。

聴いていて、専門性と教養の両立の重要性、専門分化され不十分な連携など医学にも通じるところが多い。科学界の縮図が各分野にあるのだろう。
そして、経済状況の悪さから、皆の将来への不安がすごく感じられた。雇用の心配が少ないだけでも(労働環境は決して良くはないが)恵まれているのかもしれない。この危機感は、自分たちの分野に波及するのもそう遠くはないだろう。確かに「聖域」論だけで、いつまでも費用を確保できるほど、甘くない時代はもうそこまできている。金銭感覚のない理系は、これからは生き残れないだろう。
個人的には○○力という表現には、胡散臭さが漂う感を禁じえないが・・・

人体常在菌のはなし

人体常在菌のはなし -美人は菌でつくられる 青木のぼる

友達から借りて読んだ本。
確かに日本人の綺麗好きすぎる傾向に警鐘をならしている点では賛同できる。
菌にストレスがかかるかは謎。まぁフ~ンって感じだった。そんなに新たな発見はなかった。

2009年12月2日水曜日

緒言

ドクターはドクターにしかできない仕事に集中すべき
確かに他の人でもできる仕事が多い。コメディカルの方が充実していれば、働き方も変わるし、ドクター自身の仕事も生活も質が上がると思う。ドクターの地域や分野での偏在の原因にもなっているのではないか?診療報酬を上げて単純に給料を上げるだけではなく、サポート体制の充実など多角的にアプローチしないと偏在の問題は解決しないと思う。

医師免許はヒトを救える可能性もあるし、殺す可能性もある
もちろん、後者については意図せずにそのような結果を招いてしまう可能性に警鐘をならしているのであって。勉強します。

正しい知識をどれだけ知っているかも大事だが、正しい知識にいかに早くアクセスするすべを知っているかはもっと大事だ。
知識の量よりも学び方をいかに身につけるか。働き出したら、I-Phoneにしょうかな。

昨日初めて

二日酔いでもなく、感染症でもなく、気持ち悪くなってリバースしてしまった。
働きすぎには注意しましょう・・・僕らは無給だし。

2009年11月28日土曜日

Dr.ハーストの医学教育論

Dr.ハーストの医学教育論. J. W. ハースト著/道場信孝, 高橋長裕訳. 医学書院

S藤先生のブログで紹介されていたので、図書館で借りて読んでみた。含蓄の多い内容で、読み手の成熟に比例して感じることも多くなる本だと感じた。薄い本だが、中身は濃い。真の教育とは何か、考えさせる一冊。

データの収集→再構築→実際への当てはめ(実践)
第一段階から第二段階の過程を思考という。確かに読書はすべきであるが、しすぎて思考を忘れないようにしないと。

常に新しい知識が正しいわけではない
日進月歩のこの世界、どうしても最新の論文・知識を追求してしまう傾向に警鐘をならしている。最新の知識を得ようとする好奇心はもつべきであるが、我々は古典からも学ぶべきことが多い。

患者の問題を何よりも優先されるべきであり、自分の都合、睡眠、食事、その他のことはすべて二の次だ
その気持ちを忘れないようにしたい。

知識の吐き出ししか評価できない択一式試験、知識の伝達だけに終始する冗長な講義・・・
本当に学ぶべきは、個々の知識ではなく、どうやって学ぶかだ。例え社会的身分としての学生が終わっても、学ぶ気持ちを忘れない「学生」でありたい。

2009年11月24日火曜日

感染症疫学

「感染症疫学 感染性の計測・数学モデル・流行の構造」 ヨハン・ギセック著 山本太郎・門司和彦訳

今まで、成書で潜伏期間がどうで感染経路がどうで、という結果だけを勉強していたが、その結果が作られる過程として、疫学というツールが効果を発揮することは勉強になった。

疫学の面白さ・難しさを知る上で最初に手にとるには良い。
ワクチンには直接効果(摂取者が罹患する確率を減らす・罹患した際の重症化を防ぐ)以外に間接効果(自分が感染しないことで周囲に広げることを防ぐ)があることは、集団免疫を考える上で大切だ。
risk vs benefitを押し測って、極稀な副作用を恐れて接種を任意にしてしまうことが、果たしていいのか?ワクチン後進国・麻疹輸出国である日本はどんなスタンスで行くのか、よく考えるべきだ。

以下長文になるが、現在の日本の予防接種のラインナップの乏しさを知ってもらいたく、なるべく平易に書こうと思うので、読んでもらえると幸い。

去年やっとインフルエンザ桿菌type Bのワクチンが導入され(もちろん自費で)、HPVワクチンもやっと今年になって導入された。
前者は、子供の髄膜炎(起こすと後遺症を残したりや死亡する危険が高い危険な病気)を引き起こす菌で、インフルエンザウィルスとは関係ない。以前は、この菌がインフルエンザを引き起こすと考えられていたため、この名前がついた。洋書では、髄膜炎の原因としては稀と書かれているが、残念ながらわが国では依然原因となりえる。導入後も在庫が追いつかず、予約待ちに去年末はなっていた(今年は改善されたと思うが、現状を知らない)。そして高いため、子供をもつ親御さんの相当な負担になる。それでも接種を希望される方が多いが。
後者は、子宮頸がんの発症を予防できる、いわゆる「癌予防ワクチン」とさえ期待されている。HPV(ヒトパピローマウィルス)のあるタイプに感染すると症状は出ないが、子宮頸がんのリスクが上がる。このワクチンを青年期前に打っておくと、子宮頸がんの発症を下げることができる。これも導入前に、若年層の性行動の乱れを助長しかねないなどと、反対意見があった。

以上、最近やっと導入されたワクチンについて述べたが、時々ニュースを賑わす百日咳など、打っていても時間とともに防御力は落ちるので、一定期間の後再度打つ(ブースターという)制度も足りないし、啓蒙されていない。

2009年11月23日月曜日

カナダでグラクソン・スミス社のワクチン使用中断

http://www.asahi.com/national/update/1122/TKY200911220249.html
http://www.dancewithshadows.com/pillscribe/glaxosmithkline-recalls-a-lot-of-h1n1-vaccine-pandemrix-from-canada-due-to-side-effects/
http://www.americanchronicle.com/articles/yb/137980569

当初予想されたより、H1N1ワクチンによる急性の副反応が多いため、GSK 社からカナダ保健省に対して使用中止をするように求めた。10万人に1人と予想されたアナフィラキー反応が、2万人に1人の割合であったからだそうだ。いずれも、注射直後に起こり、軽度のものとのこと。

日本のワクチン接種スケジュールも延期になるかもしれない。

副反応を恐れすぎて、効果の低い薄いワクチンにしても効果はほとんどないし。病気から守るためのワクチンで体を壊しても本末転倒だし。ワクチンは難しい。集団でみたrisk vs benefitの評価をしないと。特に今回は、初めての「新型」ウィルスに対するワクチン導入ということで、不確定要素も多い。

2009年11月22日日曜日

感染症外来の事件簿

「感染症外来の事件簿」 岩田健太郎

友達から借りたが、プレッシャーがかかったため、慌てて読んだ一冊。
随所に出てくるオススメ教科書や情報源、感染症にとどまらず医学全体の考え方・哲学など読んでいて非常にタメになった。
「レジデントのための感染症診療マニュアル」の該当箇所と合わせて読むと理解が深まる。

医学の世界でも(専門分野だけでない)広い知識が、そして医学だけにとどまらない広い知識が必要だと感じた。

立花隆思索ドキュメントがん

2009年11月23日(月) 午後10時00分~11時13分
総合テレビ

立花隆 思索ドキュメント
がん 生と死の謎に挑む

http://www.nhk.or.jp/special/onair/091123.html

久しぶりに見ようと思える番組。

2009年11月21日土曜日

タミフル耐性H1N1のヒト―ヒト感染

http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/8370859.stm

タミフル耐性化は報告されていたが、そのヒト―ヒト感染確認の報告は世界初だ。
元々RNAウィルスであり、RNAがセグメントに分かれていることからも他のウィルス以上に変異しやすい。そのため、このような報告が出るのも時間の問題であっただろう。

接種の始まったワクチンの効果も全てが初めてであるため、確たることは誰にもわからない。

ワクチンでの予防より、体調不良の際には無理せず休んでくださいという社会全体の同意が蔓延を防ぐ一番の方法だと思う。社会情勢的には難しいこともあるだろうが。
その際に罹患証明だのを必要とすると、ただでさえ足りない医療資源の非効率的な配分につながる。

再来週、感染症のカンファレンスでH1N1の話を聞けるのが、待ち遠しい。

厚生労働省崩壊

厚生労働省崩壊-「天然痘テロ」に日本が襲われる日  木村 盛世

アマゾンから届いた瞬間に2時間で読み終わった。
時折ロハス・メディカルなどでお名前を目にすることがあり、ブログをみて、経歴にも惹かれて、読んでみようと思った。アマゾンでの読者評を初めて参考にしてみた。手にとって正解であった。

官僚の基本行動として、システムの維持のために保守的なことは当然であると思う。しかし、迅速な対応を余儀なくされる局面では、このシステムが裏目に出ることもある。
そのような負の側面が特に厚生労働行政に露わに顕れてしまっているのだと思う。

昨今、テレビをにぎわせている「仕分け人」も今まで見えないところでやっていたこのような予算編成作業を可視化したに過ぎない。そして、以前は個人的な好悪や根回しの仕方などの本質とかけ離れた「仕分け作業」がなされていたと想像に難くない。
官僚の対価と福利厚生が正確に表立って計上されておらず、将来関連団体のポストを渡り歩くことで、その分を回収するというものが「天下り」システムだと感じる。
組織の硬直化と表立って見えないシステムを守ろうという風潮に問題があるのだろう。そして「お上頼り」の傾向が拍車をかけている。
・・・「お役人」とひとくくりにしても、著者のような孤軍奮闘している方もおられるのだし、国を良くしたいと思って働いている方も多いはず。
そして、「お上頼り」ではなく、自分で考えて動けるようにしたい。

確かに日本は、唯一の被爆国であり、生物テロ被害国でもある。後者に対する国防は事件以後強化されているとは言い難い。

第7回若手医師セミナー2009

S藤先生の輸液の話。

http://bjnikotoyoro.blogspot.com/2009/09/blog-post.html

上記でも一回伺っていたので、なんとか話についていけた。
血清Na濃度→体全体の水の量
身体所見→Na量
ということだけでも記憶にとどめておきたい。
時間もみつけて、以前に紹介されたネタ本の教科書も読んでみたい。

M戸からTくばに帰ってきて車を乗り換えて、会場に辿り着くという(いつもの?)ドタバタっぷりだった。送ってくれた皆さんありがとうございます。

2009年11月15日日曜日

教養のためのブックガイド②

読了した。

明日から、大きな本は持っていけないので、とりあえず読んでしまおう、と思った。
自分の読書生活の偏りを直すにはいい本だった。ちらほら既に読んでいる本があっただけに、まだ少しだけ救いようがあるかもしれないと感じた。
とりあえず、西洋のバックグランドやイスラムの人達の考え方の底流を知るためにも、それらの本は読もうと感じた。

まだ、1年ちょいは大学の図書館に入れるので、その特権を思う存分行使しないのは、もったいない。

・・・と読み終わったと思ったら、アマゾンから本が届いた。別送のものの払い込みもしないと。贅沢すぎる。現代に生まれた幸せの一部を満喫している気がする。

・テロリズムの罠 左巻 新自由主義社会の行方 佐藤優
・東大教師が新入生にすすめる本 文春新書
・感染症疫学―感染性の計測・数学モデル・流行の構造 ヨハン・ギセック
を今週読もう。

A船山

今年3つ目の山(大菩薩山、富士山、そしてA船山)

天気が心配されたが、土曜日はBBQをして、今日は天気に恵まれた。2年前に一生分くらい雨に打たれたお蔭かもしれない。

土曜日は久しぶりに、ゆっくり料理した。普段は、1食あたりにかける時間は15分程度なのに。火から起こして、みんなでゆっくり料理しながら食べるという、当たり前のことを忘れてしまっていた。

運動不足気味の自分には最適な山だった。来年はいくつ登れるかな??

2009年11月13日金曜日

教養のためのブックガイド

「教養のためのブックガイド」 東京大学出版会

読了していないが、気づいたら半分読んでいたので、ここまでの感想を。

教養とは、自由を使いこなす力だと思う。現代は、過去に比べてこれ以上になく、自由だが、それを使いこなす力がないため、思考停止し、誰かに・何かに縋ろうとしている。なんとなく流されるということが多くはないか?

教養とは、運動をする上での筋力や体力と同じようだと思う。これらだけでは、競技がうまくなるわけではないが、これらが素地にないと長期的な伸びは期待できない。そして、今日明日の試合にすぐ効果の出るものでもない。
「教養を身につける」とは、「脳の鍛え方を習慣づける」ことだと思う。先ほどの比喩に例えれば「ランニング・筋トレをする習慣づけ」をすることだと例えられる。

学生でいられるのは、後1年半もない。この段階で再認しておいて良かった。
大学一年生になったばかりの鬼のように、何かに憑依されたかのような知識に対する(特に受験勉強以外の知識に対する)貪欲さを失いかけていた。

ぼくらの頭脳の鍛え方

ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書) 立花 隆・佐藤 優

人間は読書を通じて疑似体験する。
効率よく学習するために「人から話を聞く」「ネットで調べる」にしても、最低限の教養は必要となる。前者では的確な質問を、後者では的確なキーワードを必要とするからだ。
ダークサイドについての知識も知っておかないと、その罠に陥る危険がある。

・・・と感じた。
興味の視野狭窄に罹患している自分にとって素晴らしい処方箋だった。
Tくばに帰ってきて、本屋に足を運んだ。

東大教師が新入生にすすめる本 文春新書
教養のためのブックガイド 東京大学出版会
中核VS革マル(上)(下) 講談社文庫
学問論
を5冊を買った。

このほかに
厚生労働省崩壊-「天然痘テロ」に日本が襲われる日
日常英会話モノローグ&ダイアローグ
First Aid for the USMLE Step 2 CS, Third Edition
Kaplan Medical USMLE Step 2 CS: Complex Cases: 35 Cases You Are Likely to See on the Exam
をamazonで注文している。

最近本買いすぎだな・・・知的投資には金・時間を惜しまないようにしたいけど。

2009年11月8日日曜日

今月の文春

今月の文芸春秋「小沢一郎 「新闇将軍」の研究/立花 隆」
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungeishunju/

小沢一郎による権力の2重構造化、密室政治の弊害について言及されていた。
確かに、現在のマスコミの傾向(全てをウオッチしてるわけでは到底ないが)として、小沢一郎についての動静がほとんど伝えられていないのは、気になるところだ。

『田中角栄研究(上)』『田中角栄研究(下)』講談社
『田中真紀子研究』文藝春秋 2002年改
http://chez.tachibanaseminar.org/books/
などを合わせて読んでいるとよりこの記事の理解が深まると思う。良くも悪くも田中角栄は日本の政治に大きな影響を与え、その影響を受けている小沢一郎の権力の掌握で、名残が発揮されるのだろう。

政治に限らず、その成り立ちから現在に至る流れを知らないと、表面で起きた現象しか捉えられない。
最近、「知る」ことの対象が狭まってしまう傾向にあるので、適宜視野を広げるように気をつけないと。
最近仏語を勉強し始めた。語学を学ぶ時の最初に猛烈に伸びる感じが楽しい。

2009年11月3日火曜日

H1N1パンデミック@ウクライナ

http://www.who.int/csr/don/2009_11_01/en/index.html

ウクライナでH1N1がパンデミックが起こっている。
「2009年10月30日現在で2300人が入院し、うち1100人は子供であった。131人は集中治療を必要とされ、32人は子供であった。38人の方が重篤な急性呼吸器疾患で亡くなり、20-50才台の年齢層が優位に重篤化、亡くなっている。重篤例・死亡例は発症後5-7日後に医療機関を受診している。」

日本でも、今月から妊婦・発症すると重篤化しやすい合併症を有する患者さんに対してH1N1のワクチン接種が始まった。
既に医療従事者は接種しているが、医学生は最後らしい。

2009年11月1日日曜日

手洗い・うがい

新型インフル対策により手洗いが普及→他の感染症も減少 @ボリビア

http://www.time.com/time/health/article/0,8599,1931223,00.html?xid=rss-topstories

手洗いしすぎて、手が荒れた。どうしても免疫状態が抑制された方と接する機会が多いので、仕方ないが。アルコールが沁みてしまう。ハンドクリームを小まめに塗っても回復が追いつかない。

日本人は潔癖になってしまう傾向にある。正常細菌叢(皮膚や口、腸に普通にいる細菌達、これにより病原性の高い細菌の増殖を防いでくれている)と仲良く暮らしたい。

そろそろ「新型」って呼び方をやめた方が、「H1N1」で十分な気がする。何か「新型」だから特殊な対応をしなくては、前例のない対応をしなくては、という雰囲気がある。

来週末に「季節性」インフルエンザの予防接種をする予定。

2009年10月31日土曜日

ところ変われば、ところ変わっても

「ところ変われば」
施設が変われば、施設の置かれている環境が変わり、対象とする集団が変わることを体感した1週間だった。
土地柄というか、Local factorというか、場所が変われば、住む人の傾向も少しづつ変わっていく。

とりあえず、車がないと不便でしょうがない。

久しぶりの我が家。旅行で帰ってくる時は、アッという間な気がするが、この1週間がひどく長かった気がする。
とりあえず体が鈍った。
来週は、スリッパと卓上スタンドを持っていこう。

「ところ変わっても」
今年のマッチングは終わった。来年は、自分たちの番だ。今年のように、今年以上に、朝令暮改に振り回されるのだろう。
医療者はこれから今まで以上に世間に敏感になっていかないといけないらしい。


結局は、「どこにいるか」ではなく、「何をしているか」が大切で、「何がしたいか」が一番大切なんだろう。

2009年10月25日日曜日

Advanced PBL

昨日、H宿にてH大学式Advanced PBL という勉強会に参加してきた。

PBLとは problem based learning のことで、従来の大教室での講義から、ケースからグループで議論して学んでいこうという方式のことだ。

名古屋や大阪、沖縄からはるばる足を運んでいる先生や学生がいて、その熱心さにまず驚いた。
形式は、自分の大学でやっているのと同じであった。先生や学生の熱意が変わるだけで、こんなに熱い話し合いになるとは。
座って話し合っているので、普段使わない頭の一部がすごくあつくなっている感じがした。

「教えることは学ぶこと」:教える中で教わる側に勉強になるだけでなく、教える側も実は勉強になっている。
楽しく教えていると、その楽しさは教わる側にすごく伝わることを感じた。一日だった。

これに参加する前に都内で、ワクチン接種をしてのギリギリの参加だった。
明日からM戸だ。

2009年10月23日金曜日

システムに乗っかって

今日の昼飯(月に一回のお楽しみ♪○イキングだった)に友達に言われた言葉。
「なんで、いつもそうやってシステムにはむかおうとするのか?」

英語を教えてもらっているS.N.に海外臨床実習の書類を推敲してもらった時に言われた言葉。
「なぜ、こんな(夏に沖縄に行ったり、海外に行くために)準備をするのか?周りの人達は、普通に生活して、普通に勉強して、システムに乗っかってキャリアアップをしているではないか?」

なぜか?
・システム自体を信用していないから
・現コミュニティの常識とされることに重きを置いていないから
・現システムを外から客観的に評価したいから
・このような過程で、出会う素晴らしい人々がいるから
・爆発的な伸びを期待できる期間が残り少ないから
・生活の足枷少ないうちにやれるだけのことはしたいから
・今出ようとしないと後で大変な後悔の念を抱きそうだから
・多文化にまたがる広い視野を養いたいから
・外の空気を吸いたいから
・追い込むのが大好きだから
・ただ単にへそ曲がりだから

逆に問いたい。現システムに乗っかっていくことに不安を感じないのか?

地ビール



いただきものです。
静岡県沼津市の地ビール、ベアードビールのウィートキングエール。

程良い苦みと麦の芳醇な香りが・・・うまく伝えられない。要は飲みやすいってこと。

後は、明日朝一で都内で接種ワクチンをすれば、手続きカナダ編はほぼ一段落。その後、behavioral scienceの勉強会に参加。来週からのM戸に向けて準備しないと。

2009年10月21日水曜日

手続きの数々

海外臨床実習の準備に追われている。
来週からM戸に泊まり込みにいってしまうので、平日にしかできない手続きが全てストップしてしまうからだ。
しかも、プレッシャーのかかるメールを先方からいただいてしまった。

いろんな方に迷惑をかけているが、これだけ煩雑な手続きを比較的時間のある学生のうちに体験しておいて良かった。働き出してから、初めてこんな手続きをしたら本当に発狂しそうになっただろう。

お願いした書類の1つがポストに届いた。無理無理言って急なお願いをして、速達で届けてくれたことに感謝です。

無償なのに協力してもらえると、胸が熱くなる。

2009年10月18日日曜日

AIDMA

昨晩、寝る前にボーッとテレビを回していたら、偶然プレゼンについての番組をやっていた。

A: attention
I: Interesting
D: Demand
M: Memory
A: Action (E: Emotion)

のAIDMA(アイダマ)の法則でプレゼンを組み立てると、わかりやすいプレゼンにできるということだった。要は、注意や興味を喚起し、聞き手のニーズに合った、記憶に残りやすく、行動や感情を動かせるプレゼンにしましょう。ってことだ。

プレゼン能力は、この業界でも大事な能力の1つでフルプレゼンとショートプレゼンに大別される。前者は、カンファなどで新しい患者さんについて説明する時に。後者はより実践的に上の先生や他科の先生にご相談する時に用いる。後者の方が、状況に応じてどの情報を入れ、削るかが変わるため能力により左右される。

プレゼンや接遇、リーダーシップなど他業種から学ぶべきことも多い。

「傷はぜったいに消毒するな」

「傷はぜったいに消毒するな ~生態系としての皮膚の科学~」

http://georgebest1969.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/post-0459.html
に紹介されていたので、友達から借りた。

軟膏に含まれる基材には界面活性作用があり、傷の再生を遅らせる恐れがある。
消毒すると正常な細胞の修復能力を阻害してしまうのは、知っていたが。軟膏にもそのような作用があるのは、知らなかった。

自己治癒力と感染のバランスを如何にとるかだ。創の状態などによりケースバイケースだと思う。著書内でも述べられているように、湿潤療法は、感染していない創に関してであることは注意。

確かに、漫然と消毒している風潮に警鐘をならしているのは、一読の価値あり。
手術の際の手洗いなども、大それたものではなくアルコールで消毒する程度にとどめて、手袋を小まめに変える、という方向に変わっていくだろう。

ICU book pp41~によれば
イソジン:より多くの菌をカバーする、乾く際に殺菌力を発揮するため待つ必要あり、持続時間はクロロヘキサジンに劣る
クロロヘキサジン:GNC(グラム陰性桿菌)や真菌にカバー弱い、持続時間長い
アルコール:即効性あり
など違いがあることを初めて知った。

2009年10月17日土曜日

若医セミ

Dr.Tによる救急部にて初期研修のうちに学ぶべきことや注意することについての講演。

実践的なパールが多く散りばめられており、研修開始前に知っておいて良かった。
・全てをオープンにするが、当事者をキズつけない形でのカンファを心がける
→既に弱っている当事者を追い詰めてないように
・泥酔患者に対する対応は難しいので、感情に流されずに心して対応する

救急は病院だけでなく、消防や警察、地域の支えなくしては成り立たない。

次回はDr.Sの電解質についての講演。来月20日。M戸に行っているので、聴けるか微妙。

2009年10月16日金曜日

東京小児感染症勉強会

昨晩、東京小児感染症勉強会に参加してきました。海外実習の手続きやらで実習やらで忙殺されていて、勉強する時間がないことにフラストレーションを感じていて、準備する気持ちが萎えてきたので、なんとか自分を奮い立たせるきっかけになれば。

遅れて行ったら、会場に入れないくらいの人が押し掛けていて、関心の高さを感じました。Dr.Sの講演を初めて聴けてよかった。

・培養ボトルには、レシンが付いていて抗菌薬吸着によって、投薬開始後でも菌の検出率は高いものがある。(BACTEC PLUS®など)ほかに小児用の1-4mlの少量の好気ボトルもある。
・血液培養システム(血液中に細菌がいないかみる検査)はボトルの底がCO2によってPHが変化するかをみて、菌の有無を自動判定している。蛍光強度とCO2量は比例。

については知らなかったので勉強になった。今夜は若手医師セミナー。

2009年10月11日日曜日

結婚式

昨日は前の大学の友達の結婚式に出席してきた。

久し振りに会えて懐かしかった。自分とドクターに行っている一人以外、みんな働いていた。みんな日本の各地に散らばっていた。

お世話になった先生は教授に昇任したらしい。研究室立ち上げ時期で大変なのに、うちらの代は迷惑かけすぎだった。再来年無事、卒業できたら挨拶に行こうかと考えている。

前大学の学科では、いつも教室の右後でやる気のない一団で「ライトバック」というメーリスを作っていた。自分はあまり参加できなかったが飲み会やらがよく開催されていた。
この業界も、今の業界と同じで、特殊なだけに世界が狭いね。

一次会と二次会の間に、友達のうちにあがらせてもらった。高層マンションに住んでいて、自分の生活とのギャップに驚いた。
三次会は、久し振りに大変な目にあった。なんとか理性を保っていたが。ワタミ焼酎が5本くらい空いた。お酒はほどほどに。

やっと起き上がれるくらいに回復したが、消化器症状がやばい。

ノーパソ


をついに買った。今までデスクトップだけだったが、これから泊まり込みが多くなってくるので、必要経費と考えて思い切って。
値段、スペック、バッテリーのもち、重さなど勘案して、一番バランスのとれているものにした。
多少の付属品の購入と引き換えに、うまいポイントのやりくりをしてもらった。

PCが安くなっていくことに驚きを隠せない。この値段で、この性能はすごい・・・論評できる程、詳しくないが。

久し振りに大きな買い物をしたので、すごいエネルギーが消費された気がする。

2009年10月8日木曜日

ベイツ読了

「Bates' Guide to Physical Examination and History Taking」

をやっと読了した。このブログを読み返した限り遅くても4/19~なので半年近くかかったことになる。今まで読んだ洋書の中では、もちろん最長。

系統だった身体所見の大切さがよくわかった。問診と身体所見だけで、どこまで診断を迫られるかが、ドクターとしての力量だと思う。

朝ベイツの次は朝ハリソンを始めよう。単純計算で3倍の分量があるので、1年くらいを目途に読み進めたい。

「プライマリ : 地域へむかう医師のために 」

「プライマリ : 地域へむかう医師のために 」松村真司著

を昨晩、一気に読んだ。行き詰まりを感じていた自分にとって、ありがたい一冊だった。また、今日から頑張ろうと、読んだ後少し心に余裕ができ爆睡できた。暴風の音を聴きながら。

この学部に入る前は、医学とはもっと科学的であらゆるデータを頭に入れて、理路整然と対応できるものだと思いを勝手に抱いていた。ハリソン(内科学の大著)の最初にページに書いてあるように「医学はサイエンスとアート」なのだ。この本は、その後者に力点を置いて書いている。

そして、大事なのは持続可能性の維持。そのためには、潰れない程度の量的付加をかけること、“自己開発”のための時間的金銭的投資を一定レベル維持すること、には共感が得られた。

生活の足枷が少ない今のうちに、勉強できるだけしておこう。
○学図書館で借りれます。

2009年10月7日水曜日

ACP内科医のための「こころの診かた」

ACP内科医のための「こころの診かた」 ここから始める!あなたの心療

PIPCベーシックコースの受講前に一通り目を通して、受講後にいただいた資料を片手にさらっと目を通した。
基本的には、STEP1の精神科の枠組みの中で(両方ともDSMに準拠している)+スクリーニング+治療法。

治療法については、まだ用量などは実際に治療できる立場にいないため、ピンとこなかったが。
スクリーニングについては、有用だった。
精神疾患は、学生にとって身体疾患に比して、とっかかりにくい感があるが、少なくともとっかかりはできた気がする。


「プライマリ : 地域へむかう医師のために 」松村真司著 を今読んでいる。
明日はお休み♪

2009年10月5日月曜日

「精神疾患はつくられる―DSM診断の罠」

「精神疾患はつくられる―DSM診断の罠」 ハーブ カチンス

DSMは精神疾患を診断するための基準を記載した書物。支持派と批判派の双方の意見を知っておくのが大事だと考え、この本を手にとった。前述のとおり立花隆の本を紹介する本の中で、チェックしておいた本だ。

DSMの功罪はあると思う。そしてこの本は、後者に重点を置いて書いている。確かにDSMによって、それまで個人的な基準に則って診断されていた精神疾患に対して信頼性を挙げることができたと思う。しかし、DSMを金科玉条のごとく、崇め奉るのもどうかと感じた。
多くの身体疾患の診断基準も、絶対的なものではなく、変わっていくものだ。それと同じようにDSMもより科学的な診断を目指して、作った発展途上のチェックリスト・診断基準であることをわかった上で用いるべきだ。そして、拡大解釈、拡大運用される際は注意を要する。
DSMに含まれる多くのチェック事項のうちに、日常生活への影響があるかどうかを判断しなくてはならない、というものがある。それは、個人の置かれている状況によってあまりに多様であり、そこからも診断に難しさが見て取れる。

DSMの使い方を知ってはいたが、その成り立ちまで知ることができ、面白かった。科学的診断をしようという正の力と外圧や利権といった負の力の双方を内包して、こころの病を創られる。

こころの病の診断基準を通して、アメリカという国の抱える構造的な病(差別、偏見)を浮き彫りにするという試みは面白い。
そして、金科玉条と思われがちなものに対しても批判的な意見を述べる風潮は健全であるし、羨ましいとも思う。

「ブラックジャックによろしく ~精神科編~」を読んで面白いと思った人にはお勧め。

2009年10月4日日曜日

就職戦線

今年の就職戦線は、予想されていたとおり昨年より格段に厳しいそうだ。
就職説明会についてのニュースが昨日流れていた。
先行きが不透明な閉塞感が、世界を特にこの島に濃く漂っている感じがする。

大変だと思うが、できうる範囲で頑張って自分の道を切り開いて。

自分も時間を見つけては、あちこちの病院に見学に伺っている。来年は、マッチング(6年生と病院側が双方に行きたい病院、採りたい人材の希望順位を提出して、プログラムで最適化する制度)の試験やら面接やらでてんやわんやだろう。国の医療政策に翻弄されながら。
今年のマッチングは、国が各施設に割り振る定数が直前までわからないため、6年生も病院側もストレスのようだ。

事実は唯一だが、解釈は無限だ。

2009年10月3日土曜日

TORAY's panpacific tournament

Today is final match in TORAY's panpacific tournament.
Ai Sugiyama and Daniela Hantuchova pair are finalsts in doubles.
This tournament is final match for Ai Sugiyama as a tennis player.
I watched the match on TV. She is good doubles player, and a paler of large experience in doubles. I think she is the only tennis player who can earn her cost of living in Japan.

While I was watching the TV program, I felt the end of the one tennis age.
I have never played, or practiced tennis since last year.

2009年10月2日金曜日

case study 「浮腫」

昨晩は、自分が担当だった。
「浮腫」について
初めてのフィードバックの試みだったが、オリジナルのケース・資料を追加して2時間枠のものにした。

・なぜprimary aldosteronismでは浮腫にならず(高Kにはなる)、甘草では浮腫になるのか?エスケープ現象のみでは説明できない
・低蛋白血症でfast edemaになる理由
については答えられなかった。

オリジナルのケースは、ネフローゼ→AT-Ⅲ低下→腎静脈血栓・PE
というシナリオだったが、少々捻ってあったので、難しかったかもしれない。

フロア7人と久しぶりに多かったので、議論が盛りあがった。議論が煮詰まった時に、うまく導けるようにならないと。トークしっぱなしだったので、疲れたが。

2009年9月30日水曜日

フラット化する世界と他流試合

インターネットや交通機関の発達で世界は、どんどん狭くなっている。最新情報へのアクセスは、やろうとしればどこでもできる時代になり、移動しようとすればわずかな時間で世界中どこへでも行ける。

そんな中、他流試合の大切さを感じている。自分の出身母体や得意分野のみにしがみついては、程度の差こそあれ井の中の蛙になってしまう。我流では通じない時代がすぐそこまで来ていると感じる。
そして、他流試合を多く経験でき、その経験を生かせるのはフットワークの軽い若いうちだけだ。

決して出身母体の悪い所だけをみて辟易とし、「隣の芝は青い」理論で、外に出たがるのではない。どこの出身母体でも、完璧なところはなく、いい点悪い点が混在している。外のいい点を学んで、出身母体のいい点悪い点を客観視すべきではないだろうか。特に、自分の出身母体は、地理的言語的民族的に限りなく閉鎖的であることがわかっているならば。

そんなことを考えながら、来年の外での実習が動き出した。

2009年9月28日月曜日

先週末

先週末、金曜が学会で先生方不在のため午前中で開放。久しぶりに上野に足を運んだ。
1st Universityの時、サーフェイスがクレー(土の表面)だったため、前夜に雨が降るとコートの改修(水が掃けて、ローラーで固めるという作業)で午前中はできないということもままあった。コートが乾くまで、上野の美術館・博物館を回って心を満たし、某ラーメン屋でお腹を満たし、また練習に戻るというのが、最上の贅沢コースだった。

国立西洋美術館 「古代ローマ帝国の遺産」→某ラーメン屋→東京都美術館「トリノ・エジプト展」
というコースを久しぶりに楽しんだ。
「古代ローマ帝国の遺産」は、ローマ人の物語を読み途中で、だいぶ背景知識を持っているだけに観ていて、思い入れができて楽しかった。
ローマもエジプトも日本も八百万の神を信じていた、信じている、という意味では、共通項があるだろう。自然への畏敬がより強い地域・時代には、このような傾向にあるのでは。(決して、一神教の地域だから畏敬がないと言っているわけではない。あくまで、全般的な傾向として)
某ラーメン屋に行ったら、ひどく味が薄く感じてしまった。確かに○年前は大好きだった味だったはずなのに。確かにI県は全体的に濃い目のラーメンが多い気がするが。味が変わったのか、舌が変わったのか、永遠の謎。

金曜夜は・・・飲み会。朝5時まで飲んでしまい、土曜の午前はおじゃんに(泣、たまにはこんな時間の使い方もいいのでは)
土曜午後はケースタの人達と感染症についての勉強会。久しぶりにまとまった時間を割いて勉強した。

日曜はPIPCベーシックコース。精神的疾患についての取っ掛かりは得られた気がする。

そして今日からまたいつもの日々・・・

2009年9月22日火曜日

偽膜性腸炎とlactobacillus

参加しているメーリスで偽膜性腸炎とlactobacillusの関係についての言及があり、興味があったので調べてみた。
偽膜性腸炎とは、抗菌薬などの薬剤を投与されたことが原因で、腸内の正常な菌の集まりが壊されてしまい、代わりに白い膜をつくる菌(Clostridium difficile )が増えてしまい、下痢などの消化器の症状が出る病気。腸内を生態系に例えるなら、人工的な影響で系が崩れ、ある特定の(微)生物が異常増殖してしまっている状態。

http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6T7H-4VW50SP-3&_user=128923&_rdoc=1&_fmt=&_orig=search&_sort=d&_docanchor=&view=c&_acct=C000010078&_version=1&_urlVersion=0&_userid=128923&md5=d900350ad99d18be4a2820df072a1096
「Clostridium difficile 30 years on: what has, or has not, changed and why?」
に偽膜性腸炎の30年間の歩みがまとめられている。ここではラクトバチルスなどのプロバイオテクスは、まだ議論の余地があると記載されている。ただ魅力的な方法であるとの結語だけど。

http://www.bmj.com/cgi/content/full/bmj.39231.599815.55v1
「Use of probiotic Lactobacillus preparation to prevent diarrhoea associated with antibiotics: randomised double blind placebo controlled trial」
BMJ, doi: 10.1136/bmj.39231.599815.55, (Published 29 June 2007)
上記の孫引きでのRCTの論文。

そのほかに2006年に米国で同じような治験があったみたいだけど、その結果がどのペーパーかは探していない。
日本でも偽膜性腸炎の原因となる薬剤投与時にlactobacillusの特定の菌(菌名は忘れた)入りのヨーグルトを入院患者さんに出すといった取り組みを始めているところもあるそうだ。

Standstill

Yesterday, I was asked to dinner with my friends of Wandervogel club.

Some friend starts his job hunting. Other friends will move to Tokyo to start their new life and their new study next supring. I had to feel that time has passed.
On the other hand, one of my friends in prevoius University will be married next month. Another friend has a child.

All friends move next stage in their life.
I think I'm at a standstill. Therefore, I have to do what I can do now.

2009年9月21日月曜日

こころを診るための2冊

「精神疾患はつくられる―DSM診断の罠」 ハーブ カチンス
ACP内科医のための「こころの診かた」 ここから始める!あなたの心療

の2冊をこの休み中に読もうと思う。来週末にPIPCベーシックコースというプライマリーケアのための心療を勉強するコースを受講するためだ。
実習としても、精神科を回ることができず、自分がその方面が弱点だと自覚している。

前者は、以前に読んだ立花隆氏の書籍を紹介する本に載っていて、ぜひ読もうと思っていたままになっていた。図書館で偶然みつけた。
後者は、友達に薦められた。

2009年9月20日日曜日

目白押し

先週は水曜にM戸まで「県北レジデントセミナー」presented by T田先生
木曜は前回の記事のように毎度おなじみケースタ presented by はるさん
金曜はW手医師セミナー「ER」presented by T沢先生
土曜はIDATEN interactive case conference
と予定が目白押しだった。お陰様で、台所が大変なことになったまま・・・

水曜にM戸まで「県北レジデントセミナー」presented by T田先生
鑑別診断道場と銘打っているだけに、熱気がすごかった。教えよう+教わろうという気持ちが両方共に高かった。これから、実習に伺えるのが楽しみ。
青木先生のブログにも紹介されている・・・感激
http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/6dfb86d829adfd1c93561ee22f41969f
次回開催時は、自分が県北にいるはず。甘草でなぜCushingのような浮腫にならないのか調べよう。
県北の病院に実習にいっている同期に会えて良かった。

木曜は前回の記事のように毎度おなじみケースタ presented by はるさん
これは前記事参照。

金曜はW手医師セミナー「ER」presented by T沢先生
話しっぷりが半端なく面白かった。あのトーク力はすごい。あの域に達せるように、達人達の話し方を盗もう。一瞬で時間が経った。下手な有名人のトークより数倍磨かれていた。フロアを引き込む力は、①トークのテンポ、②随所の笑い、③そして明確かつ簡潔な伝えたいメッセージの3つだと、聴いていて思った。次回も楽しみ。
そして、時々青木先生の解説+つっこみ

土曜はIDATEN interactive case conference
遺伝子検査は、起因菌同定の最後の切り札。なんでも菌や真菌を同定できるプライマーがすでに実用化されているのは、知らなかった。
CA-MRSAの実態はいかに。激しい議論が交わされていた。地域や病院全体からみる感染制御の立場、主治医の立場、と立場によって微妙に選択が変わる。
途中で、隣にH川先生が座られて、驚いた。そして前にはO曲先生、さらにその前の司会席にO野先生、やば贅沢な状況に自分がいることに、びびってしまった。最後には、H川先生から話しかけていただいて、質問もできて大満足の一日だった。
もうシルバーウィークに思い残すことはない・・・たぶん。

2009年9月18日金曜日

case study 「下肢の痛みと浮腫」

9/17のケースタは、NEJMのcase report2003case18からの出題。
15歳女性
C.C.左背部痛・臀部痛

とりあえずこれだけのD/Dxは以下
皮膚:アトピー、帯状疱疹、薬疹、蜂窩織炎、丹毒、壊死性筋膜炎、接触性皮膚炎、
筋肉関節:筋肉痛、腸腰筋膿瘍
消化器:膵炎、胆石
腎泌尿器:尿路結石、腎盂腎炎
代謝内分泌:DM
血管:DVT

D/Dx②慢性反復の左殿部痛・左背部痛で、病歴だけからは、
皮膚:アトピー、帯状疱疹、薬疹、蜂窩織炎、丹毒、壊死性筋膜炎、接触性皮膚炎、ダニ虫さされ、慢性膿皮症、
筋肉関節:筋肉痛、腸腰筋膿瘍、脊椎炎(TB、強直性)、Reiter syndrome、乾癬性関節炎、脊柱管狭窄症、ヘルニア、外傷、
膠原病:PMR、SLE、
消化器:膵炎、胆石
腎泌尿器:尿路結石、腎盂腎炎
代謝内分泌:DM、甲状腺
血管:DVT
血液:MM
神経:MS、
婦人科:子宮内膜症、PID、
心因性:さ病

その後、problem毎に考えてみて
#1左殿部痛、左背部痛:脊椎炎(TB、強直性)、Reiter syndrome、乾癬性関節炎
#2前側頭部痛、しゅう明:PN、側頭動脈炎(+PMR)、偏頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛、高安、
#3胸部圧迫感:自律神経失調
#4発汗、ほてり、掻痒感、頻脈
#5 WBC↑ESR↑

自己免疫、内分泌(甲状腺機能亢進)、MS、精神系あたりが怪しいということで、尿、血算(CRP,ESR)を検査したいということになった。

画像からは、脊椎カリエス、サルコイドーシス、腫瘍(meta、リンパ腫、白血病、骨肉腫、Ewing、カルチノイド→傍腫瘍症候群or交感神経幹?)が疑われた。特に脊椎カリエスでもツ反が有効なのは初めて知った。
話の方向は良かったが、最後の詰めができる程の知識&経験がないので、いつも最後は消化不良感が残ってしまう。NEJM case reportも回を重ねる毎に少しづつ消化できる範囲が広がっていっている。

2009年9月17日木曜日

case study 「易疲労感」

9/10のケースタ。

42歳男性、主訴は易疲労感ということで鑑別診断を挙げてもらった。

急性6か月以内
悪性腫瘍、膠原病、高体温期(女性)、筋ジストロフィー、重症筋無力症、電解質以上(低Na・K、)、DM、甲状腺機能亢進(低下)症、下垂体機能低下症、白血病、貧血、アレルギー性鼻炎、頭痛、妊娠(周産期)、更年期、薬物(ヒスタミン)、SAS、ナルコレプシー、摂食障害、栄養障害、肺水腫(病態?)、寄生虫?(サナダ、ヒストプラズマ)、IBD、IBS

慢性6か月以上
心不全、腎不全、肝不全、慢性感染症(HIV、結核、梅毒)、肺塞栓、喘息、COPDなどなど

じゃあ整理しようか・・・というところで症例に進んでしまったので、整理できずじまいだった。

case study 「呼吸困難」

9/3のケースタについて。
担当は自分だった。
呼吸困難を急性と慢性に分けて、鑑別を挙げてもらった。症例は前者について。

急性
肺・上気道:肺炎、喘息(アスピリン)、急性喉頭蓋炎、気管支炎、気胸、咽頭膿瘍、胸膜炎、サルコイドーシス、肺癌、結核
神経:横隔神経麻痺、テトロドトキシン、脳幹梗塞
循環器:心不全、MI、解離、PE、心タンポ、不整脈、アナフィラキシー、癌性心内膜炎(→心タンポ)、IE(→心不全)、弁膜症(AS,MR)
筋骨格:ボツリヌス、外傷、
中毒:CO
心因性:解離性障害、パニック

その後の検査の優先順位は
1 ECG 、CXR、血ガス
2エコー
3CBC(WBC)、生化学(Na,K,Cl)
4 血培

ちなみに慢性呼吸困難は、急性のものに付け足す形で挙げてもらった。
肺・上気道:肺炎、喘息(アスピリン)、気管支炎、気胸、咽頭膿瘍、胸膜炎、サルコイドーシス、ALS、COPD、IP、肺癌、縦隔腫瘍
神経:横隔神経麻痺、テトロドトキシン、脳幹梗塞
循環器:心不全、MI、解離、PE、心タンポ、不整脈、アナフィラキシー、心筋症、IE
筋骨格:ボツリヌス、外傷、
中毒:CO
心因性:解離性障害、パニック
血液:貧血(再生不良性)
膠原病:PM・DM

case study 「乾性咳」

8/27にやったケースタについて。
乾性咳の鑑別として、今回はproblem毎にMost likely、less likely、rareを挙げる形式にしてみた。

Most likely>less likely>rare
#1 乾性咳(咽頭発赤):マイコ > ACE-I、HIV、sarcoidosis
#2 5日続く発熱 : ウィルス 、細菌性>TB, IE, Kawasaki、sarcoidosis
#3 下痢 : ウィルス(インフル、ロタ、)> IBD, cancer
#4 労作時呼吸困難 : 肺炎>狭心症、心不全>COPD、PE
#5 両側下肢筋肉痛 : インフル>心因性>ASO、線維性筋痛症
#6 脈圧↑ : AR
#7 肥満:
#8 HTN(PCI後),HL既往: >> 血管炎

その後の検査の優先順位として
① CBC(→)WBC、Hb、Htc、
② 生化学(→下痢)Na,K,Cl
③ CXR(CTR拡大、シルエットサイン+)、肺炎球菌尿中抗原(-)
④ インフル(-)

2009年9月9日水曜日

米国式症例プレゼンテーションが劇的に上手くなる方法

「米国式症例プレゼンテーションが劇的に上手くなる方法 」

を読んだ。
プレゼンテーション力向上のヒントが散りばめられている。
ほかの大学の友たちの話を聞いていると、自分の大学は学生でもプレゼンをする機会は割りと多い方だと思うが、フィードバックがもらえないので、慣れることはできるが向上させる機会はあまり多くはないと感じている。

パワポの構成1つ取ってもプレゼンの仕方の平均値は、米国式の方が高いと感じることが多い。

プレゼン力はドクターの身に着けるべき最初の力であり、この力がその力量を反映する。・・・と1年前くらいに聞いてそのときはピンと来なかったが、今では確かに頷ける。
いかに伝えれば相手に効率よく伝えられるのか?をこれからも磨いていきたいものだ。

今日の初戦は辛勝だったようでだ。とりあえず、全体で勝てたのは自信につなげてほしい。

2009年9月7日月曜日

誰から一番学ぶのか?

一番学ぶことが多いのは、同僚や同期のような気がする。最近そう言われたし、自分でもそう感じることが多い。確かに先輩にも同期にも後輩にも恵まれるのが、理想だが。同期に恵まれるのが、仕事や勉強をする上で必須の条件な気がする。

実際、年齢や経験が上の先生はロールモデルという位置づけにできるが、接する時間は限られているし、聴くことができることもかぎられてしまう。

気がついたら今年も関東学生テニスリーグの季節がやってきた。なんか知らないがそわそわしてくるのは、自分だけだろうか?
http://www.geocities.jp/kanto_gakuren/
残念ながらコートまで応援には行けないけれど、後輩たちには頑張って欲しい。
1つのことに打ち込めるのは、学生の特権だから。もちろん勝って欲しいが、万が一結果が伴えなくても、達成感とその過程で得たタフネスやら経験やらは一生ものだと思う。
この時も同期に恵まれたと切に感じる。あの時の同期は皆、それぞれ別々の道に進んだけど、その先で活躍していて、自分だけ取り残されたような気がする。そう思えるのも、今のうちは振り返るだけの余裕があるからだろうか。
どうしようもなくしんどい状況をくぐり抜けた集団は、それだけで一種の連帯感が生まれる。

2009年9月6日日曜日

リーダー・指導医・ロールモデル

すごい指導医(研究室でいう直接指導を受ける先生を想像してもらえるといいかも)はスーパーマンでなくてよい。

・・・このことを沖縄に行って実感した。聞けば何でも知っていて、その根拠となる論文すらも諳んじることができるスーパーな人を勝手に想像していた。「それはわからない」「そうか。覚え間違いをしていた」と超有名な先生方が素直に認めるところを目の当たりにして、理想の指導医像に大きな影響を得ることができた。若手を導いていくために必要なものは、決して超人的な能力ではない。キャリアや立場を超えて共に学んで切磋琢磨できる環境を提供し、大きく逸れないように時に軌道修正をできる人なのではないか。

また、自らのステップアップのために経験が豊富な先生が自分たち学生と同じようにシャドウイングをしている現場を目の当たりにした。もし、自分が同じ立場だとしたら、同じようにできる自信がない。歳や経験を積んでも、挑戦し新しい一歩を踏み出せる可塑性は残しておけるようにしたい。

前記の指導医像に関連して、リーダー論についても若干触れておく。
理想のリーダー像に普遍的なものがないように、その組織なりその状況なりに一番最適な人がリーダーになれるのが一番だ。といっても、人によって俯瞰する能力が高い人もいれば、細部を精度高くこなせる人もいる。
時代が変われば、求められるリーダー像も変わる。日本の次のリーダーは、この国の舵をとれるのか?

研修医のための腎セミナー

に昨日参加してきた。

S藤先生の水・Naの考え方についてのレクチャーは秀逸だった。さすが、教えなれていると感じた。一枚一枚のスライドを視覚的に訴えるようなものであったし、全体の構成も、思い出すためのreview→ケース→ケースのreviewでうまいと思った。

沖縄でケースカンファに参加させてもらった時、水とNaは分けて考えるようにと教わった。その時は時間の関係で詳細を教えてもらえなかったので、のど元に小骨が刺さっているようなモヤモヤする感じが残っていた。ちょうど、そのもやもや感を払拭してもらえる内容で、最適な時期にレクチャーを受けられたことに陰ながら感謝したい。

W手医師セミナーでも講義があるので、それも楽しみにしている。

2009年9月1日火曜日

1Q84

帰ってきて、読みかけだったので一気に読んだ。過去の作品も有名なものは、だいたいチェックしている。自分は周りの多くの人のようにファンではないが、読んでも損はないと感じた。エンターテイメントとしても、教養としても、共有知識としても。
自身にとっても久しぶりに小説のジャンルの本に触れられて、抑圧された想像力をフルに発揮できるいい機会だった。

過去の社会派の作品からの影響が読みとれた。
伏線もうまく張ってあって、まとまっている印象がある。人によっては円熟の域に達したと感じるかもしれないし、人によっては若い頃の勢いが弱まってこじんまりした印象を受けるかもしれない。

一回しか読んでいないが、多くの人がいうような続編への期待はあまり感じなかった。確かに上・下でなく、book1, book2としていることからも続編が出せる設定にはなっているだろうが。その理由は、前記のように2巻でまとまりがありすぎる。1巻―2巻のつながりに比べて、2巻―3巻があまりにも希薄になってしまうのではないか?ファンや読み込んだ人にはわかるヒントや伏線があるのかもしれないが。そこらへんは一普通の読者にはわからなかった。
世界観は底流に組みしながら、人物などの設定をし直した形での事実上の“続編”の可能性はありだと思う。

Okinawa2009

2週間半で感じたこと・・・

まだまだ自分の知らない凄い人たちがたくさんいることを肌で感じた。
机上で学んだ並列的な知識を、臨床では直列に並べ替えないと使えない。
一定期間毎に外部の空気を入れないと、どんな人であれ組織であれ閉塞していく。
仕事、家庭、自分の3つの軸で常にベストの答えを導き出す。

多くの人に出会い、話を聞き、よくしてもらって、多くの刺激を受けた。
来年も訪れるだろう。先輩達の姿を見る限り、ゆっくりしている時間はほとんどないだろうけど。

2009年8月27日木曜日

ただいま!!


2週間半に及ぶ沖縄実習(?)から帰ってきた。

多くの人に出会えて、自分自身2週間半とは思えない刺激を受けた。この興奮を忘れないうちに、日常に反映させよう。


・・・とりあえず生活を復旧させないと

2009年8月8日土曜日

沖縄へ

昨日は、局所的豪雨の中、私淑している先生の講演会の中継会場に行った。
何回聞いてもためになる話で(多分5,6回目くらい)、最近はいつもと違う箇所に集中できるようになってきた。
大事な話は何回聞いても聞き過ぎることはない。

明日から沖縄に行ってきます。
病院を3か所見学に伺って、1日半くらい観光してくる予定。来週は一人だが、再来週からは友達と合流して一緒に回る。沖縄は研修が熱い地域で、今医学界を引っ張る多くの先生方がここでトレーニングをしていた。毎年、沖縄で卒業する医学生の数の倍に当たる初期研修医が、最初の一歩をかの地で歩み始めている。その熱さを学んできたい。
準備のために、初めて紳士服店に行ってワイシャツやらパンツやらを買った。今まで、(最初の)大学入学時に購入した一張羅で粘っていたもので。
去年の夏に九州病院見学、今年の春に屋久島、そして今年の夏と南に最近ご縁がある気がする。しかも今回は2週間半と、最近にはない長期(見学)旅行で、少しワクワクしている。今月末まで。
帰ってきたら、海外実習選考試験を受けて、また実習が・・・ww

TOEFLのスコアが返ってきた。良くはなかったが、一応最低限レベルはクリアしていた。模試の平均点通りの結果だった。

2009年8月4日火曜日

Step1について④

Dr.Aに「海外臨床留学を目標に準備していて、その目標が達成されればそれは確かに素晴らしいことだ。でも、例え途中でやめてしまってもそれはそれで、十分力になっているはずだ。Step2でやめてしまってもその分の力は身に付いているし、Step1でやめてしまってもその分の力は身に付いている。だから、チャレンジすることは全く損にはならない。」

Dr.Kに「Step1に投資した金で、今の自分の能力を買えるとしたら、間違いなく買っている。その能力は、投資した金額以上の価値があるでしょ」

・・・という言葉がくじけそうになった自分を何度支えてもらえたかわからない。
つまり、今投資した労力・時間・金額は嘘をつかず、それら以上の力が必ず身に着くはず。と信じて日々問題集のPCに向かっていた。
この作業は筋トレに似ていると思った。その効果が発揮されるのはまだまだ先で、とりあえず直近の課題には役立たない。そのタイムラグに耐えられるかどうかが問題だろう。

まず分野別に教科書を買って取り組み始めた。BRS behavioral scienceの薄いペラペラの教科書を読むのにも1カ月近くかかって、嫌気がさしそうになった。しかし、次のillustrated biochemistry, microbiology make ridiculousと冊数を重ねるにつれ少しづつ早くなっていくのが実感できた。

BRS behavioral scienceとillustrated biochemistryを終えた時点で、一冊通読法では途中飽きてしまうことがわかり、臓器・分野別読破法に移行した。例えば、microbiology make ridiculousの細菌の分野を読み終わったら、illustrated pharmacologyの抗菌薬を読むという具合だ。この方法は、飽きずにしかも被っている記載があるとより記憶に定着しやすいという利点がある。
臓器・分野別読破法でmicrobiology make ridiculous, BRS pathology, illustrated pharmacology, BRS biologyと一通り分野毎に単語や知識が着いたので、満を持して(・・・とこの時は錯覚していたが甘かったことは後でわかったが)問題に取り組むのだが・・・つづく

大学案内

今日は、知り合いの高校生が見学したいということで案内した。
自分も大学受験の時に、さまざまな人にお世話になったので、自分がその分を返せる出番がきたと思った。
どうしても入試のことが気になるようだったが、自分は大昔にとった杵柄だったので、あまり参考にはならないだろう。大学受験までは、他人との比較だが、そこから先は自分が何がしたいかどうなりたいかの世界になっていくので、そのギャップに自分を見失う人が多いのではないか。
確かに一大イベントだが、これで人生が決まるほどシリアスには考えなくても良いのではないかと感じた。しかし、自分も当事者になると必死になるだろう。

車がない、ここの大学の入試を経験していない、1年生の経験がないなどの不安要素があったが、とりあえず足を運んでもらったことに後悔させないような案内はできたのではないか?・・・と感じた。

自分が高校生に戻れたら何をしようかと思いを馳せた。
とりあえず、台風の進路が気になる。後は来沖する前に、家のPCがネットにつながるように復旧したい。

2009年8月2日日曜日

Step1について③

久しぶりにこの続きを書こうと思い立った。他に書くネタがなくなりかけているから、Step2に取り組み始めてその前に以前のまとめをしておこうと思ったから、などが端緒となったのだろう。

受験時期に迷っていたので、Kaplanの説明会に行ってみることにした。
Kaplanは予備校をイメージしてもらえるとわかりやすい。Step1に限らずTOEFLなど資格試験に関して多くのノウハウを持っている。Step1に関しては実際の授業だけでなく、ネット上の問題集(Q bank)や本の問題集(Q book)を取り扱っている。Step1関連のサイトにはここでのコースを受けることを勧めているものもあるが、学生の身分で手が出せるほどのプライスではないと思う。

その説明会で、偶然同じ大学のDr.Aに出会った。学生とドクターの違いはあったが、同じ大学所属で、隣の席だった。本当に偶然で、人の出会いの奇遇さをこの時ほど感じたことはなかった。Dr.AはStep2CK以外すべてパスしていたので、この後も連絡を取り合った。Step1に関してアドバイスをもらったり、教科書や書籍をもらったり、と本当に良くしてもらった。
今思い返しても、自分に影響を与えた出会いだった。自分が良くしてもらった分、次に目指す人に自分もできることはしてあげよう。

その説明会で、取り組み方次第で4年の夏でも不可能ではないという情報を得て、4年の夏休み(最後の2ヶ月間休み)を目標にすることにした。

2009年8月1日土曜日

case study 「進行性神経障害」

A 30-Year-Old Man with Progressive Neurologic Deficits
N Engl J Med 2009;360:2341-51 Case 17-2009

今週の担当は自分だった。同学年の半分夏休み(半分づつ2週間休みをとる)なので、人が集まるか心配だったが、5人も来てくれて、突貫工事で準備した甲斐があった。経過が長いので、経過をフォローするだけでも大変だった。2週に分けようかとも途中思った。情報量が多いので、ケースレポートからうまく取捨選択できるとすっきりプレゼンできるのだろうが、自分にはまだそのような力量がないので。

D/Dxとしては
SLE、RA、べーちぇっと、angiitis、Wegener, AOSD, PN, Reiter,
HIV(PML)、HSV、梅毒、TB
MS,TS, 海綿状脳症、
Brain tumor,白血病
PSL副作用、stroke, ペラグラ(B3)、脚気(vitB1)、Wernike(B1), 亜急性混合性脊髄変性症(VitB12)

MSとベーチェットが2大候補として残り、どちらかというとMSっぽいという議論議論の方向性としては
結局経過が全部提示するだけで2時間かかったので、最後の方の鑑別診断除外のための細かい過程や生検組織や剖検組織の所見については飛ばしてしまった。

輸液を学ぶ人のために

輸液を学ぶ人のために 和田 孝雄

を読んだ。途中TOEFLなどで飛びとびになってしまったが。
輸液の基礎の基礎を学ぶにはちょうどよい厚さだと思う。知らないことが多く、実習で輸液についてわからないことが、少しわかってきた。

術後のタンパク異化を抑えるために高カロリー輸液を用いるような雰囲気が出ているが、書かれた当時は確かにそのような考えだった。今の流れとしては高カロリー輸液の有効性はあまりないと考えられている。

2009年7月30日木曜日

context

contextとは直訳すれば文脈。
しかし、この単語に内在する意味は大きいと思う。
日本などはcontext richな国で、対してアメリカやカナダはcontext poorな国だ。
前者は多くを言葉にしなくても、要は“ツーカー”で通じ合え、暗黙の了解が多い。共通の背景、比較的な均一な傾向を示す。
対する後者は、多くの言葉を必要とする。前提条件が少ない。比較的多様な背景をもつヒトが集まる。

なぜこの言葉を思い出したのかというと、前にDr.Mに話を聞いていて、別の機会にTOEFLを勉強していてこの内容に言及したreading passageを読んだことで、記憶が強化されたからだ。
話はそれるが、別のチャネルから同じ内容のことをinputされると、同じチャネルからの反復に比して、より強化される傾向にあると感じる。チャネルが異なれば、その内容に付随するinputされる状況は異なり、内容に付随した事柄が記憶強化に結び付いていると考えられる。言い換えれば、議論された内容が頭に残っているとき「Aさんがあの状況でこんなことを言った」と内容+付随する状況が結び付いて記憶されている。さらに言うと、記憶はシンプルな情報だけでなく、五感や前後の流れ(いわゆるcontext!)として脳内に保管されているのだろう。

話は戻るが、context richな国に住んでいると自分たちの前提条件は、万国共通の普遍的条件であるかのように信じ込んでしまう傾向にあるのではないか?
「正しさ」を示すのは難しいが、視野狭窄にならないように、質の高いチャネルの複数保持しておきたいものですね。

母校が甲子園に出場する。

2009年7月29日水曜日

朝読み

久しぶりに早起きして止まっていたベイツの朝読みをした。血管・リンパ系の身体所見についてで実習との関連が深いセクションだっただけに読んでいて面白かった。

amazonでThe ICU Book、Janeway's Immunobiologyを注文した。ベイツ後はこれらを読もうと思う。
TOEFLやSTEP1など試験対策は、期限が決められているだけに効率よく伸びるが、直前になると「試験対策を通じて能力の向上を図る」ことより「点数アップのための対策」に主眼が置かれるようになってしまいがちだ。

純粋に知ることの・勉強することの楽しさを思い出した朝だった。
「医者という職業は一生勉強できる幸せな職業だ」という言葉が頭をよぎった。どんな職業でも一生勉強なのには、変わりない。この職業ではそのような側面がより強いというだけのこと。

2009年7月27日月曜日

虚構の砦

虚構(メディア)の砦 真山仁

全体としては山崎豊子の沈まぬ太陽を彷彿とさせた。
手法としては、現実の事象をベースにうまく文字って再構成させる手法はうまいと思った。読者は、文字られた現実の“それ”に対する背景を思い出すので、よりうまく物語に引き込むこと、登場人物に対する思い入れを持たせること、ができる。過去に起きた事件を自分の中でも、思い出した。
「ハゲタカ」は書籍でも、ドラマでもノーマークだったが、この本を読んで読みたいと思えた。

久しぶりに小説を読んだ。作品の出来栄えに読書への餓え・日本語への餓えが相乗効果としてあり、TOEFL受験会場からの帰路から、一気に読んでしまった。登山前の仮眠時間が半減されたが、それくらい引き込まれた証左だろう。

話は変わるが最近、勝手に批判的吟味をしてしまう自分に興ざめすることがある。
例えば、ドラマで話の筋に対して少し強引に主人公がドライブするシーンが出てくる。スポンサーをチャックすると、やはり有名車メーカーがスポンサーだった。
今回の著作でも、時事ネタを思わせる事件が作品内で出てきたら、勝手に出版年や作者の年齢などの背景を巻末をめくって調べていた。
作品の背景を知った上で、どんなバイアスがあり得るのか、書かれた時期と現在との差は何かなど知るのは重要。が、しかし純粋に作品を楽しんだり、味わったりすることができていない自分に歪みを感じてしまう。
作品の楽しみ方は人それぞれ。いろんな方面からスポットライトを当てて多角的に捉えることも必要だが、感じるままにストレートに作品を味わいたい。“知る”、“賢くなる”とは自分の直感に疑念を投げかけることなのだろうか。

富士山

25日にTOEFLを受験。あまり手ごたえはなかった。iBTになってから初めて受けたが、自分の英語能力をintegrateする意味では、対策をする過程で大変勉強になった。CBTの時から苦手意識がある試験だけに終わって、とりあえずホッとしている。
事前情報から、早めの入室や耳栓など“防音対策”はしておいて良かった。

26日は24時間弾丸ツアーで初富士山に登った。
天候に恵まれて、噂よりはすいていて登りやすかった。五合目からご来光を見れた。
山頂3,770m付近では酸素が下界の60%程度ということで、低酸素血症を味わうことができた。徹夜明けのような頭がフラッっとする感じや軽い頭痛が、運動強度が弱まる度に波のように押し寄せてきた。トップアスリートが高山トレーニングをする意義を体で学ぶことができた。自分の心拍、呼吸数などを計測しながら、登ったが、SpO2など測って登れたら、さらに楽しいだろうと感じた。いい心肺トレーニングになった。
富士山の山小屋バイトをしている友達に会いたかったが、探してみたが会えず。富士山は広い+人多い。団体さんがすれ違う度に、「今度こそ、この集団を引率しているはず・・・」と淡い期待を抱いて、すれ違うのは少しワクワクして楽しめたので良かったけど。


先週末は、ものすごく濃週末だった。今日から仕切り直し!

2009年7月21日火曜日

レジナビ

一昨日、東京ビッグサイトで行われたレジナビ(研修病院の合同説明会みたいなもの、就職活動のそれみたいな)に行ってきた。

朝から足を運んで、10以上の病院の話を伺った。地元の病院を始め、これから実習でお世話になる病院も雰囲気を知りたくて話を聞いてみた。もちろん、再来年自分が研修したい病院の話も聞いたが。

久しぶりの人ごみ+久しぶりの勧誘される側
ということで、予想以上に疲れた。

群星沖縄のブースで、宮城先生にお会いできるとは、思ってもいなかった。突然、真ん前に座らせてもらって一対一で話ができて、緊張したが、この体験だけでも有明まで足を運んだ甲斐があった。
書籍部でよく著書を立ち読みしていて、学生実習にフラストレーションがたまりがちな時に琴線に触れる文言に胸が熱くなった覚えがある。また、今年の感染症学会で宮城先生の話を拝聴して、いつかお会いしたいと思っていた。まさか、こんな形で実現するとは・・・
憧れの先生と直接話しができる機会が、今年だけでも何回かあった。それだけで、モチベーションになる。みんな、器のでかい、底が知れない、そんな雰囲気が漂っている。

2009年7月18日土曜日

口渇感、総合力

最近、全てに満足する状態になってはいけないと強く思うことが多い。
何か満たされないものがある、何かに渇いている状態だからこそ、それが原動力になっている気がする。

悪く言えば、一生満たされないから、それは不幸だともいえる。良くいえば、向上心の持続なんだろう。

それでも頑張っている自分に酔ってはいけないと思う。自分の傾向として、プライオリティの先頭にあるもの以外をしている自分に罪悪感を感じてしまうことがある。特に最優先事項の期限近くやそれに高い精度が要求される際には、この傾向が強くにじみ出てしまう。
パフォーマンスの最適化を図るために、効率的な気分転換を挟むことを忘れてはいけない。自戒の念も込めて。


話は替って、TOEFLの勉強をしていて自分に突出した得意分野がないことを再認識した。
大学受験の時も、そうだった。特にできる教科もないが、特別できない教科もない。テニスのプレースタイルもそうだった気が・・・
だから、自分はアベレージで勝負するしかない。良くいえばComprehensive、generalで、悪く言えば平凡なんだろう。良く言えば隙がなく、悪く言えば武器がないのだろう。
強烈な個性を要求されたり、他人との違いをアピールしなければならない場では、苦労するだろうと想像に難くない。

この二週間への総括と今後

やっと予想外にきつい科の実習が終わった。
あまりに大変だったので、一緒に回った学生共、先生たちとも妙な連帯感が生まれた気がする。この2週間自分の勉強をする時間がほとんどなかったし、これを更新する余力もなかった。
一昨日、焼き肉に連れて行ってもらった。通常の生活では口にすることができないレベルの肉が食せて幸せだった。先生方の普段聞けない話も聞けて、貴重な体験だった。終わってみれば、特にいじって・・・じゃなくて目をかけてもらえて楽しかった。大変だったけど。思い出は美化されるものなんだ。
焼き肉の関係で、今週はcase studyは欠席してしまった。全参の勢いだったし、たまにはいいか。

これから、、まずはTOEFLを来週末に受験→海外実習のために大学に提出する書類関係提出→沖縄で病院見学三昧(?)→海外実習選考試験→夏休み終わりまた大学での実習
と9月まではとりあえず予定が詰め詰めになっている。

今、懸案となっている生理学の勉強会についての話し合いも来週行われる。多分、それぞれが目指すところや求めるものに違いがあるはず。夏休み後から大学以外での実習も始まるので、いつどうやって集まり、どう進めていくのか?しっかり詰めておかないと自然消滅が容易に予想される。
自分としては、病態生理と絡めて生理学を勉強したいと考えている。ハリソン(内科学の名著!)を読む際に理解が深められるような勉強会になれば・・・と望んでいるが。他のヒトはどんな青写真を描いているのだろうか?

2009年7月12日日曜日

発信しない考えとfeedback

語学は、読み・聞き・話・書きの4つがリンクして成長する
・・・と英語教師になった友達が言っていた。TOEFLの問題集にも同じようなことが書いてあったので、思い出した。

懇意にしていただいている先生から、日本人はinput(読み・聞き)はできるがoutput(話・書き)がpoorだ。だから、学会などに出席すれば理解はできるし、すごいことを考えているが、発信できない。

以下は自分の考えだが、
発信しない考え≒証明されていない仮説
と思う。発信しない限り他者からの意見や評価を得られず、間違っているのか、はたまた世紀の大発見につながるのかは不明のまま消えていく。このような傾向は英語力のみならず、国民性や教育の過程も関与していると考えられる。発信しない考えは、証明されていない仮説と同じくこの世界にとっては存在しないと同等になってしまう。

話は飛ぶが、前述の先生から伺ったfeedbackについての話
一般にfeedbackというと①Aが何か行為をする②その行為に対して他者Bが意見や評価を加える
と捉われている。自分もそう思っていた。
しかし、③その他者BがAの次の行為を見て変化を確認する
これでfeedbackが完了する。しかし、現場では②で終わってしまい、Bは言いたいことを言っただけで「教えた」と思ってしまっている。こんなことが間々ある。実際は③までしないとBがAのレベルに合った「教え方」ができているのかはわからない。実は、Bが想定している程Aのレベルは達していなく、Bの「教え」はAの理解の範疇を超えているかもしれない。
Education is change.

今日は都議選。投票権はないけど、結果に注視したい。

2009年7月11日土曜日

case study 「headache」


ケーススタディー『頭痛』
47歳男性 頭痛

1.頭痛の鑑別疾患は?
2.身体所見で気をつけることは?
3.どんな検査をするか?

入院したのは7/9午後四時ごろ
P.I
・入院3日前7/6頃から左耳を強く痛がっていた。
・入院前夜に強い頭痛が突然出現、混乱した様子も呈していた
・頭痛が始まって1時間くらいから嘔吐しはじめ、夜間で5回の嘔吐を認めた。
・入院当日の朝は妻によればぼんやりした様子であった。

P.E
Vital sign:BT40℃,BP140/100,PR140/min, RR20/min, 意識:呼名反応なし。強い痛み刺激にのみ四肢を動かす。

耳:両側が耳垢で閉塞。左側に浸出性中耳炎様の所見(写真)
鼻腔・副鼻腔:異常なさそう、鼻汁(脳脊髄液漏を疑う)なし
咽頭:発赤、腫脹なし
眼:両側瞳孔8mm散大,対光反射あり,
眼底:乳頭辺縁は平坦
頚部:非常に硬直強い。ケルニッヒ・ブルジンスキー(+),
心音:雑音なし
肺:全肺野に湿性ラ音
神経:Ⅰ~?異常なし、反射の左右差なし。

検査
・胸部X線
・血液培養
・血液・生化学
・血糖値(比較に重要)
・腰椎穿刺→
多核白血球が90%を超える(除:リステリア)
蛋白上昇(150-1000mg/dl)
糖低下(血清糖の2/3以下、25以下で予後不良)
・グラム染色

鑑別疾患
・ウイルス性髄膜炎 → 重篤な意識障害、神経障害を来たすことはほとんどない。

今週一週間は

しんどかった。トータルで30時間近く立ち見していた。

フリーの時間は全て寝る・食うのみに充てられ、ひたすら効率よく体力回復するようなモードになっていた。省エネの風潮に逆行するような、電気やテレビをつけたまま気づいたら寝ていた・・・ということが久しぶりによくあった。
他にできたことはcase studyへの出席をなんとかしたことと、英語のlessonだけは予定として入っていたので何とかこなした。今週は図書館では1時間も勉強できていない。

やっぱり外科には向いていないな・・・自分と再認識してしまった。外科のノリや手技は嫌いではないのだけれど、自分の適性を総合的に考えると不適と言わざるを得ない。
たまにはこんなきつい実習もいいけど、願わくばTOEFL後が良かった・・・
来週もさらにきつそうだ

2009年7月6日月曜日

ウィンブルドン

充実感と疲労感を携えて帰宅し、テレビをつけたら、ウィンブルドンの決勝をちょうど放映していた。ロデック対フェデラー。

前は狂ったように毎日練習して、プロの試合も見たり録ったりしていたが、今ではテニスの試合を見ること自体久しぶりだった。

ロデックは数年前に一度ピークがあり、その後不調が続いていた。ロデックから7-5 6-6で4本マッチポイントを握りながら、痛恨のボレーミスで一気に流れがフェデラーにいってしまった。圧倒的有利なスコアに立ってもとどめがさせずにズルズルと相手に流れをもっていかれてしまうのは、どんなレベルのゲームでもある。自分の無意識下の気の緩みと相手の奮起がシンクロするのだろうか。プロのメンタルをもってしても難しいのだろう。

サードセットの途中までで力尽きてしまい、テレビでは見られなかった・・・
でも決勝でこんな熱い試合はなかなかないかと。5-7 7-6 7-6 3-6 16-14

クリニカルセミナー

先週末は泊りがけでA中央病院のクリニカルセミナーに参加してきた。
臨床研修病院としては有名で、初めて足を踏み入れた。各セクション1時間程度でG染、災害シュミレーション、心エコー、臨床診断、産科、栄養学、代謝内分泌学など体を動かして実際に学ぶという形が多く、座学も症例ベースで退屈することはなかった。
2日目も夜遅くまで飲みがあり、朝も早い日程だった。眠りが浅く3時間程度しか寝れなかったので、(もう一度寝ると遅刻できる自信があったため)明け方に周囲をジョギングしてみた。土地勘がないため、近辺をグルグル回っただけだが、後から地図を見てみたらもう少し頑張れば海まで行けた。
ほかの大学の5,6年生にも話が聞けて刺激になった。

その後帰ってから、大学の先生から夕飯をごちそうになりながら、instructer design(ID)についてレクチャーを受けた。教え方を教えてもらう。効率的、魅力的、効果的な学ばせ方とは?今の現場は、教えることに満足していて教わる側のニーズに合った教え方ができていないのでは?
まだまだつまみ食いした程度にしかわかっていないが、教え方を教えられるようになったら周囲の人にも伝えたい。
教え方と接客マナーは、以前から知っておくべきだがカリキャラムにはないと、常々思っていた。

学ぶことが多い週末だった。

ライフラインも復旧できず次の週に突入してしまい、週初めから体が重めですが・・・

2009年7月3日金曜日

case study 「nausea and vomiting」

昨日は悪心・嘔吐とそれに伴う酸塩基平衡異常について
初めてwordで書記をするという試みをしてみた。
[問診]

妊娠(-)薬歴(-)渡航歴(-)職歴:OL DM(-)

嘔吐物:血(-)

腹痛(-)下痢(-)ガス(+)息苦しさ(-)

排尿時痛(+)色不明 回数↑ 量不明

悪寒(++)頚部痛(-)頭痛(-)体重変化(-)

sexual history(-)

月経正常

水・グランベリージュース

5日前~体調不良(頻尿・排尿時痛)

昨日吐き気・嘔吐、食欲減弱、38.3℃

[D/Dx part1]

①UTI(E.coli)→敗血症10+20+20+15=65

腸チフス

③虫垂炎1+2+1=4

結核

梅毒

②STD(淋菌、クラミジア)15+3+2+7=27、肝周囲炎?

④HIV急性期1+1+1=3

⑤尿路結石1

悪性腫瘍

心因性

妊娠

[physical]

<V/S> T:38.9  PR120(臥位)145 (立位) RR24  BP95/62(臥位)72/49(立位)

四肢冷感なし

口腔内乾燥不明 ツルゴール不明

CVA tenderness右(+)

腹部軟、圧痛なし

腸蠕動音聴取

psoas sign不明 obturater sign不明

直腸診:異常なし血液付着なし

capillary refilling time2sec

[D/Dx part2]

①UTI(E.coli)→敗血症24+20+23+23=90

②STD(淋菌、クラミジア)2+2+1=5

③虫垂炎2

④HIV急性期1+1=2

⑤尿路結石

[exam]

尿培、血培

尿Gram→GNR

尿検査;細菌、WBC20(検鏡)、亜硝酸塩、潜血、タンパク

血ガス:pH7.29 PaCO2 30↓ PaO290 HCO3 14↓↓ BE不明lac8 Na138 K5.4 Cl94 AG30↑ BS90(pH↑、lac↑、敗血症pH↓)

血液:WBC、CRP、BUN、Cre、Ht、血糖

ECG

[assessment]

GNRによる腎盂腎炎の敗血症性ショック、代謝性アシドーシス呼吸性代償
[plan]

細胞外液輸液、抗菌薬(1st cephem)


腎盂腎炎の起因菌はE.coli、EnterococciでGNRと一致。キノロンでした。ST合剤かと思っていましたが、これは pyelonephritisにまではならないUTIみたいです。1st cephemは確かに起因菌第一位のE.coliはカバーしますが、それ以外をカバーしません。なのでベストとはいえないと考えられます。

2009年7月2日木曜日

Medicine and English

In world, all most all medical education is done by English, except few contries, including in Japan. Therefore, most medical reports or papers are written by English. It means that medical staff whose English is poor have severe disadvantage to update newset knowledge, because there are time lag when the article is translated in his or her native language. It is critical for the staff, because medical knowledge is making steady progress.

The knowledge is making steady progress. Most of famous medical textbooks become online, and the contexts are rewritten so often. Paper isn't good medium to update early and early.

There is one episode. A doctor advised me to learn English more in student, instead of studying medicine.

In infectious disease field, 80% of information is from U.S. I think there are bias toward it, and basic difference between U.S. and my country. Therefore, I will work at U.S. hospital to know the difference.

2009年7月1日水曜日

最近

work-life balanceを考える際に、思い出される岐路がある。
前の大学で、就職するか、院に行くか、編入するかに迷った時のことだ。

あの時、違う選択をしていた時の自分を想像すると、様々なひとに迷惑をかけてまで進路を変えたのだから、変えた先ではそれなりのクオリティーを出さないといけないと考えてしまう。また人並みの生き方をしようと思えば、特に進路など変えずにエレベーター式に流れに乗っていれば良かったはずだとも思う。
結果今導かれている状態はwork.>>life
それでもこのバランスに迷う時は多々ある。そして今の状況が正解だとも思わないし、他人に薦められるようなものでもない。端的にいえば、持続可能性は極めて低い。

米国ではメディカルスクールに入る前に、他の専攻をもったり社会経験を積んだりしてからくる、いわゆる4+4制をとっている。自分の進路もretrospectiveに見ると(決して最初からそのようにしようと思っておらず結果的に)、それと極めて類似している。比較しても遜色のないくらいのレベルには達していたいと思う。

出る杭

黒川清といえばこの業界では知らない人がいないくらい有名人ですが、そのブログを読んでいたら琴線に触れる記事があったので、紹介します。

http://www.kiyoshikurokawa.com/jp/2009/04/post-29c9.html

「若い時にこのような境遇の中で実体験を積んだ経験があるということも「出る杭」の特徴の一つでしょう。これは「出る杭」がブレイクするのに大事な条件だと 思います。特にこのフラットでグローバルな時代ではね。研究に関してだけじゃなく、世界中のどんな分野においても、成功している人たちに共通して見られる パターンです。組織でなく、個人で修羅場をくぐる経験、そして多くの異質な人たちとの出会い。これらは何物にも代えがたい「人生の心棒」をくれるでしょ う。世界観も変わるでしょう。」

2009年6月30日火曜日

shelter

Last weekend, I drank with my friends at my friend's house. I drank too early, so I totally lost my memory.

In the result, I lost one day, Sunday, because of severe hungover. I think it was one of the severest hangover in my life.
I'm sorry to have inflicted myself on my friends.

Recently, I was mentally driven into corner. I heartily think that it is important for all people to have shelter. It means not only other place where we can escape from daily life, but also other friends who listen to our frustration. Shelter nearly means other channel.

2009年6月27日土曜日

第2回若手医師セミナー

昨日は学内の東洋医学講演会に参加した。第2回目。
西洋医学ベースで勉強してきた。自分としては東洋医学というと代替医療の側面が強く、とっつきにくさがあったが、基本的な考え方は興味がある。お互いの弱点を補えられれば、outcomeの改善に寄与できるのではないかと思う。
西洋医学→要素還元的考え方が基本。要素間(臓器間、領域間)にまたがると弱い傾向にある。
東洋医学→包括的な考え方が基本。全体を捉えるので、漠然としてしまう傾向にある。
前回は初回ということで、総論であったが、今回はより実践的な漢方の使い方についてだった。

その後、若手医師セミナーに参加した。
T田先生のバイタルサインについての見方で、こちらも2回目。
1つ1つの所見の見方と、その考え方をエビデンスに基づいて解説が加えられ、こんな風に教えられたらかっこいいだろうと感じた。
紹介されたペーパーを少しづつでも目を通していきたい。
来年、M戸協同病院に実習に行かせてもらえるのが、今から楽しみになってきた!!

Weekly burnout syndrome:週末に近づくにつれ起こる週周期のburnout syndrome
・・・をその後夕飯を食べながら、友達と話していて、考案した。みんな多方面に興味をもって、つまみ食いしているので、週末に近づくと力尽きていく傾向にある。個人的には木金に予定が偏りがちなことも影響している。単に疲労が貯まっていくだけだからだけど。

2009年6月22日月曜日

ストレス強度の高いライフイベント

ストレス強度の高いライフイベントが起こった。
たぶん自分の短い短い人生経験の中では最強度のものだろう。

だいぶ前から予想はできていたため、突然の発生よりは比較的穏やかなのでは。
なるべく目の前にやるべきことを山積みにして、考えこまないようにしている自分がいる。

事柄そのものに感情を抱けず、周囲の感情表出にsympathyを感じて、その感情を抱く自分がいる。
人として当たり前の感情が素直に出せない自分に対してあらゆる負の印象を抱きつつある。

2009年6月20日土曜日

Dr.I講演

昨日、前述の著者の講演を聴きに○ヶ浦病院に足を運んだ。もちろんM君の車に便乗させてもらってだが。

○学療法学会で講演を聴いて以来二度目だ。
医者も看護士も検査技師も、とフロアの層の幅が広く、話の的を絞るのが難しいのではないかと、初めは思っていたが、軽快な語り口で抗菌薬の使い方について講じた。
Dr.Aの感染症診療の原則を聴きまくっているだけに、違う先生の語り口からのインプットは新しい側面の発見につながると思う。

今日も明日も十年後も患者さんをきちんと治療できるように!!

講演終了後、友達とサインをもらいにいった。Sanfordマニュアル(抗菌薬の使い方についてのマニュアル)にサインしてもらったが、T君はDr.Aの本にサインしてもらおうとして、「さすがにA先生の本に僕がサインできない」と一同笑い。
この後、ワンゲルの友達と夕食を共にできて、最高の週末だった。この2週間の実習は、久しぶりにまともに充実した実習ができたし。

オランダには何故MRSAがいないのか?

「オランダには何故MRSAがいないのか? 差異と同一性を巡る旅」
岩田健太郎、古谷直子 著


~日本の学校教育で本質的な問題は、質問想起力と問題発掘力だ~
問題発掘力については、取り組んでいる事柄に対してのみならず、自身についても当てはまると思う。自分に対する問題を発掘できれば、自ずと向上心が沸いてくるはず。全て周囲から設定されたハードルを飛ぶことができる「優等生」が、自分から動いて変わっていこうとできない。自分自身の見たい現実だけしか見ないで、見たくない現実を見ようとしないのは、紀元前からある一般性なのではないか??その見たくない現実にこそ問題があるはず。

~学力世界位置の称号を得て一躍有名になったフィンランドでは、教師に対する規制はほとんどない~
自分は現在教育を受ける側に立っているが、日本の教育者を教育するシステムが足りないのではないかと考えている。確かに今の教育現場でもすばらしい教育者はいるが、個々の能力や才能に依っていると考えられる。システムが一定以上の質の教育者を輩出できるように担保しないと、教育の質を保つのは難しいのではないかと思っている。

2009年6月16日火曜日

Externship program

My applcation could be accepted.
Thank you for everyone who helped me to give advices.

This is a small step, but it is a big step for me to make result every step in each stage.
My effort to apply this program was rewarded in some meaning.
This is good chance to improve my skill, to rise my motivation, and to see new world which I have heared, I but have never seen.

I have not standed my start line yet. My start line is more and more ahead.
Now is a time when I should bide my time. Do my best everyday.

2009年6月15日月曜日

channel

Yesterday, I met my friends of Wondervofel club.
Through talk, I thought what important it is that we have escape place.
If we had only one channel, we couldn't release our stress from the channel.
I want to study about accelerated reading.

According to Heisei 20 public documents, NHK's income consist of about 631,200,000,000 yen from TV reception fee. On the other hand, 3,300,000,000 yen from goverment budget. I confused that the company give more money form goverment.

2009年6月13日土曜日

Telephone interview was ended

Today, I finished all procedure for an Externship.
Telephone interview make me nervous, because this is first time.
I felt my hand shaking in first of the interview.
It was hard for me to prepare paper documents and interview. Through these procedure, I could grow more. and more.

I can know the result in a few days.
Three years ago, I talked with Dr.O who is now training in U.S. that I would like to go trainig the hospital which now I apply Extenship program. I reminded that today.

Next Friday, I will attend a seminar, because Dr.I who is one of famous infecious desease doctors in Japan come to our prefecture. Once I listened his talking in the society of chemotherapy, I had impression for his logic and energy. He is one of my respect doctor in Japan. I'm really looking forward to attend the seminar.

Rebounding from interview pressure, I browsed Dr.I's book in book store. His philosophy as doctor was also great! If I want to be a professional, I should do my best even if no one watch me. In addition, don't hate hard work.
I don't buy books except books which I can use long time. However, I really had a conflict to buy the books. In conclusion, today I don't buy that.

I have to prepare for TOEFL.

2009年6月12日金曜日

case study 「choking」

Yesterday, the case study was about choking.

58 years old woman, Her chif complian was choking.

D/Dx(differential diagnosis) against choking is follow.
Respiratory system : COPD, tension pneumothorax, spontaneous pneumothorax, pulumonary embolism, epigpottitis, foregin body in respiratory tract and/or esophagus, airway obstruction (SAS, anaphylaxie, goiter), hyperventilation syndrome, community acquired pneumonia, aspiration, non-typical pneumonia (mycoplasma, Chlamydia, Legionellosis), asthma, Churg-Strauss syndrome, interstitial pneumonia(secondary to collagen, primary), asbestosis, pneumoconiosis, silicosis, malignant mesothelioma, lung cancer, pleurisy, Wegener granuloma, Goodpasture syndrome, TB, IE
Nervous system : stroke, cerebral hemorrhage, MG, paraneoplastic syndrome, phrenic nervous palsy, congenital deficiency
Others : anemia, HIV, hypo-/hyperthyreosis, panic syndrome, AP/MI/heart failure, SLE, pregnancy, damage after intubation

We could not remind for most popular pathgen in community acquired pneumonia for this age; S. pneumoniae, H. influenzae, aerobes, virus.
The case was difficult, because typical disease appear as atypical symptoms.

phase 6

WHO raised H1N1 influenza pandemic level from pahse 5 to 6.
It didn't mean that the virulence(toxicity of pathogen) of the influenza become stronger. It only meant the spread of the influenza infection is constant.

WHO also said that the countries which have already passed the peak of infection spread should prepare for the next wave of pandemic.
We should watch the prevalence of the disease more carfully, because no one said that it is impossible to change the virulence through human - human infection like Spanish flu.

The vaccine for the new influenza would be made in fall, if the development of the vaccine is smooth.

In Japan, we should immediately analysis into provision against this influenza. Was quarantine(a state, period, or place of isolation) against new influenza really efficient? In pandemic, medical staff, time, and investement would be absolutely lack. Therefore we should use these staff more and more efficiently.

2009年6月11日木曜日

Telephone interview

This weekend, I'm going to have a telephone interview.
It is short one, however I'm nervous to that, because this is first time.
This week, I was too busy to prepare for that. I will prepare for that from this Friday night.

I think this is good experience for me. I will have to write CV and personal letter, and have interviews more time on the way to my dream.
Having interviews more would become skilled in interviews.

In my educational experience, I am weak to appeal myself for other, to discuss effectively, and to instruct other young people. I should shape up not only my medical konwledge, but also my skill of those.
No pain, no gain !! (I found this phrase in article which Dr.A wrote his experience of his working and studying abroad)

2009年6月10日水曜日

Between Pharmaceutical Companies and Physicians

Time for the Medical Profession to Act
~New Policies Needed Now on Interactuinos Between Pharmaceutical Companies and Physicians~
Arch Intern med/Vol 169(No. 9) May 11, 2009 pp829-831

In US, there already are discussions to how distance is proper between doctor and pharmaceurical companies. On the other hands, in Japan, some hospitals which have concern for these vias restirct contact with the companies, but most hospitals still keep these contact.
It is still unclear how much profit pharmaceurical companies give the process of making guidline or paper in Japan. Therefore reader cannot know the vias.

Firstly, I will remove all small gifts around myself, when I become a doctor. However, after reading this article, I should act now. I will remove them when I have a time.

2009年6月8日月曜日

草食系男子

http://edition.cnn.com/2009/WORLD/asiapcf/06/05/japan.herbivore.men/index.html?eref=edition

「日本の草食系男子、お金にもセックスにも興味が薄い」
・・・という記事がCNNに載ってました。
「未曾有の不景気と言いながら、5%という世界基準より低い失業率である。」と記事の中で指摘している。日本の常識、世界の非常識という言葉が当てはまるだろう。怖いのは、ズレていることすら知らないことだろう。どっちが正しい、正しくないということを言いたいわけではない。ただどれくらい違うかを知っているか知らないかということだ。
日本というlocal factorを考慮するのは、確かにそうだと思う。それは、世界標準、Global standardを知っている上で、日本という個別の状況に当てはめるためにlocal factorも加えて考えるということだ。

本文とは全く関係ないけど、これから医療スタッフと企業との適切な距離を模索するペーパーを読もうと思う。

Monday is a start of week.

Today, I woke up 4'oclock because I drank with Dr.M and one of my medical friends. My sleep was light.
Dr.M has enthusiastic about education. He adviced us to study English. Medicine is making steady progress(日進月歩). In the world, the progressive is written in English. Therefore, it is disadvantage for medical staff not to read English as early as native speakers.

Last weekend, I drank 3 successive nights, with friends of my club, with friends of my junior-high school, and with medical staff. I could hear opinions from perons whose specific fields were different. This experience was stimulating me.
I think my motivation to study charged full. I can do my best from Monday.

After my wake up, I read Bate's. I aware that I have already finished to read half of it.
I never read books which mention the detail of apex beat like Bate's.

2009年6月7日日曜日

instructer competency

I usually think we should study about how to service consumer and how to instruct medical student to be a doctor.

Today is Sunday, but Dr.M who is an anesthetist lectured us, me and members of case-study group, about how to instruct.
When we educate adult, we shouldn't do spoon-feeding lecture as primary school teachers do. Instead of that, we should encourage them to study theirshelves, support their motivation, and give them better environment to study well.

In our University, there are less mass lectures than before, however there are tutorial system, in which we discuss clinical case in a group. I think this system has some potential to change our study attitude from spoon-feeding t0 self learning. Unfortunantelly, the history of this system is short. Japanese student cannot discuss efficenetly, and teacher cannot insturct us through tutorial system.

I suggest that University should prepare better e-learning system to guide student who want to study more. Also University should make Internet notice board in which medical student can ask teacher a question through self-learning.
Self-learning isn't neglect!!

@品川&丸の内

昨日は、idatenに参加しに品川まで足を運んだ。
Dr.Aのteacher's awardの授与式と3例のケースカンファレンスが行われた。
S路加やS岡がんセンター、K田、A中央といった一流の病院の感染症の先生方の力量の深さ、アセスメントの早さ・正確さには圧倒された。自分が実習でカルテに記載するアセスメントの貧弱さを省みて、少しはましなものにしなくてはと、感じずにはいられなかった。
臨床像から広く鑑別を挙げられるようなトレーニングを自分にもっと課そう。思考プロセスを全自動で行ってしまうくらいに若いうちに叩き込んでおかないと。
No assessment, No plan.


その後、中高時代の友達のT君に3年ぶりに会った。
この春からK大の大学院で、政策について研究をしているとのこと。自身や共通の友人の近況報告、将来のキャリアプラン、日本の政治動向、新型インフルエンザなど話は多岐にわたった。話が尽きないうちに終電となってしまった。事故で電車が動いてなかったみたいだけど、無事帰れたのかな??
やはり、文系のヒトと意見を交わせる機会を得られるのは、普段所属する集団外からの異なった意見を聞けて刺激になった。お互いに門外漢の分野を専攻としているだけに、専門外のヒトにわかるように説明することや、違う視点からの考え方を聞くこと、は普段の生活上なかなか難しい。

印象に残った話としては、
・なぜ今の日本の選挙にネットは解禁されないのか??
→それをすると多くの現在の議員が選挙に残るのが難しくなったしまうため
ざっくばらんに言うと、選挙に限らず体制保持のための本質をある意味突いている
・今回の新型インフル騒ぎについて
→報道の一部に過度に個人情報に触れているものがあり、その影響が危惧される
自分も同感であり、立場は違えど同じニュースに同じ感想を得た

久しぶりに会ったのに、あまり距離を感じなかった。お互いにあまり変わらなくなったのか、人慣れしたのか。

2009年6月5日金曜日

ガイドライン

やっと一週間が終わって、時間ができたので今週を振り返りたい。

昨日の教育講演で、ガイドラインの国際化について岩田先生が
  1. 英語でも併記
  2. 著者名を明記
  3. フリーでネットでアクセス可能(非医療者でも閲覧可能)
  4. 論拠となる文献を明記
・・・・などなど日本では国際化が足りないガイドラインが多いとおっしゃっていた。ガイドラインは多くの人の目に曝されて初めて意味をもつのだから、言語やアクセスの資格を除いて、広く見て使ってもらってpositive feedbackを歓迎すべきだとのこと。
これってガイドラインに限らず、自分自身の生き様や考え方にも当てはめられると思う。domesticに立つのももちろん大事だが、視野は広く持ち続けたい。
Think globally, Act locally とある先生がおっしゃっていた言葉が心に残っている。

初めて岩田先生の講義を生で聴いたが、そのうまさとパワフルさには圧倒された。青木先生もそうだが、発表内容の充実もさることながら、随所にユーモアを入れてフロアを飽きさせないなどプレゼンのうまさが感じられた。

今週

今週は、充実している。がやっと金曜になった感があり、疲れを感じえない。
最近11時には寝るようにしている(目標は6時間睡眠の5時起きだが・・・)が、一日の最後の1時間、10時になると体が鉛のように重い感じがする。
夕方になると信じられないようなミスが多くなってしまう。

月曜、○浦病院で大学院特別講義を拝聴
去年、先輩に連れて行ってもらって初めて聴いた衝撃から一年。今年聴いてもためになった。この後10時にも関わらず、personal letterやCVの添削に付き合ってくれたS先生には感謝m(_ _)m
木曜、○学療法学会
有名な先生の話を直接聴けておもしろかった。レジオネラには2つのformがあるなんて。目から鱗だった。岩健のコマが朝一にあったが、10分前から満員だったようだ。5分前に行ったので、ギリギリ座れるところが見つけられる程度だった。臨床感染症と微生物学のリンクが実感でき、足を運んだかいがあった。
合間にエクターンシップの書類作り。今朝になってやっと書類作りは終わった。後は、教務に依頼していた書類を受け取って出すだけだ。やっと今日で一段落する。

今週は後、
金曜、Dr.Kのレジデントレクチャー
土曜、○daten

やることが多すぎて、プライオリティが崩れたり、自分自身を見失いかけたり、ふと感傷的になったり、するが来週はペースダウンします。

2009年6月1日月曜日

personal letter

自分をアピールする術を幼い頃からトレーニングされているヒトとの違いを実感している。無論、そのようなトレーニングが皆無である。強いていえば、編入時に志望動機を書いた覚えがある程度。
紙面で自分の個性、ユニークさを主張し、会ってみたいと思わせる文面を書くのは並大抵のことではない。しかも母国語でないとなると、その不利さは際立つ。

月並みな、陳腐な言を並べ立てて、平凡なletterを書くことならできる。しかし、第一文から読むヒトの心を掴み、引きずり込めるような名文を書ける気がしない。特にHow to write personal letterの類の本を目にすると、自分の書きかけのものが目も当てられなくなってしまう。

しかし、自分に不利なこと、やらない理由を見つけるのは容易い。逆にこの不利さを有利なものにもっていけないか??
・・・今週いっぱいかけて練ることにしよう。まだまだ自分史の中で気づいていない材料で、アピールできるような原石はあるはずだ。まだ失敗しても失うものは何もないし、新進気鋭の気合で。

今夜は、A木先生の特別講義の中継を拝聴する予定だ。去年、先輩に連れて行ってもらって、初めて聴いたときのインパクトは忘れられない。あれから1年で、本当に成長したのか??確かめにいきたい。

2009年5月31日日曜日

ローマ人の物語6

「パクス・ロマーナ(上)」、「パクス・ロマーナ(中)」

~人は、他に心を傾けるものがないと、それまでのものにより強くすがりつくのが常だ~
何か心の拠り所となるものをヒトは欲している。左脳(比較的理論思考型の領域と考えられている)ばかり使っていないで、右脳(比較的創造感性型の領域と考えられている)を使うような時間も作るようにアドバイスを受けた。多分、自分は右脳をうまく使えていないため、左脳によりすがりたくなっているのだろうか?

~無理強いは、永続にとっては最大の敵なのだ~
持続可能性を残すには、一時のがんばりではなく、続けられるシステム作りが重要。一人では絶望するような仕事量や負荷でも、複数で並列なり直列なりで分担すれば、解決が可能になるやもしれない。
本当にそれが無理強いなのか?単なる甘えではないのか?この境界を常に自問自答するようにしたい。

2009年5月28日木曜日

personal letter and Curriculum Vitae

Today, I talked with my English teacher about personal letter and Curriculum Vitae.

This is my first time to write these document. Maybe I will write more time when I will apply matching for junior resident program in Japan and my future plan.
I will have to study how to write more attractive personal letter and CV in this weekend.

I know that these desk works are necessary to knock doors which lead me to next stage. However, I don't like these desk works deprove my study time.

Today's content is little poor because my computer's Internet connection is unstable.
I will write better topic next time.


2009年5月27日水曜日

走る

最近、めっきり運動量が減っている。
週2,3回ループを夜走って、筋トレをするぐらいがやっとだ。最悪、週1回しか運動できない時もある。
腹の減りと、その日に残された自由時間(あまり寝る直前では、体が起きてしまい寝つきが悪くなるため)、天気と相談して、走るかどうか決める。

体を動かすと、一般にはリフレッシュするという。
体を動かすと、脳にのみ集中していた血液が体全体に均等に再分布されるようなイメージが、自分の中にある。

考え事や悩み事をしていると、走り始める時にはnegativeであったものが、走り終わる時にはpositiveに変わっている。自分の中に貯め込んだ負の遺残物が汗と共に体外に排出されるようなイメージが、自分の中にある。

そして、自分の限界について再認する。頭の中でのシュミレーションでは十分実現可能であることでも、走りながら体力の減りを実感していくと、連動して実際の体力・知力の限界を考慮したより実現可能性の高いものに書きかえられる。

「走る」ことについて、そんなイメージが自分の中にある。

2009年5月26日火曜日

Dr.Tierney's diagnostic process

「Principles of Dr.Tierney's diagnostic process」

This book is written about how we can diagnose illness from history and physical. I borrow this book from my friend.
In this book, there are some cases for learning diagnose process. Almost all cases are difficult for me to reach right diagnosis. I maybe give an illusion of my diagnositic skill in case study group. In case study group, we can list up more diagnostic disease than one of us can do that.

I respect Dr.Aoki, and his teacher is Dr.Tierney. Dr.Tierney is said 'God of diagnosis' in our country. I want to see him someday.
In this book, there are many impressive clinical pearls. Clinical pearls mean useful proverbs for clinican.

'History is 70%, physical is 20%, examination is 10%'
In Japan, we can access medical resource easily. Patient tends to ask doctor to do expensive exams, and doctors depend on those exam. But is it really necessary?
I want be a doctor like Dr.Tierney.

2009年5月24日日曜日

K病院見学

昨日、K病院に見学に伺った。

片道3時間かかり、移動だけでだいぶエネルギーを要したが、雰囲気を肌で感じられて、足を運んだかいはあったと思う。
施設も充実していて、先生方のチャレンジ精神溢れる感じが印象的だった。新しいものを積極的に取り入れようとする姿勢は、見習いと感じた。

参加している学生は、モチベーションが高く話していて刺激になった。遠路からこの見学会のためにこられている方もいて、関東圏にいるということはアクセス上はかなり有利であることを再認した。

case study 「嚥下困難+呼吸困難」

今週の担当はS木師匠でNEJMのケースレポートが題材。やはり難しかった。議論の方向性は間違っていなかったが、細かい知識や経験がないため、つっこんだ議論はできなかった。

嚥下困難の鑑別としては・・・
腫瘍:食道、下咽頭、縦隔、甲状腺、脳、耳下腺、肺
膠原病:強皮症、SS
消化器:アカラシア、IBD、GERD
神経:ALS、脳卒中、MS
感染症:急性口頭蓋炎、脳炎、上気道炎、咽頭炎
循環:左房拡大(MS,MR,ASD,VSD)
呼吸器:IP、肺線維症、胸膜炎、中皮腫
リンパ腫、サルコイドーシス、アミロイドーシス、心因性、薬剤性(クロルプロマジン)、放射線障害、脱水、AN

石灰化と骨化の違いなど勉強になった。今後、実習先がバラバラになるので、少し周囲に声をかけてメンバーを増やすか、新形式を導入するか、する予定。
来週は・・・

2009年5月20日水曜日

Step1について②

2年生の冬に、有志で週一回勉強会を始めた。
一人2,3問分担して、問題や解答の和訳を作成。自分らのレベルでわからない内容についてさらに捕捉で調べて資料を作る。勉強会の時は、それらを配り解説するという形。問題集はKaplanの市販の問題集を使った。

まず、毎回やる範囲を全て目を通してくる人はいなかったし、なによりレビュー本であるFirst Aid for USMLE Step1に準拠して、勉強会を進める感じでもなかった。何よりも、医学英語が0で、もともとの英語能力も抜きん出ているわけではなかった。そのため、数問解くのに週末1つが潰れるほど、難渋した。

First Aid for USMLE Step1というレビュー本は、受験者のほとんどが手にするほど一般的であったし、事実、質も高かった。毎年改定されるので、自分は2年と4年の時に買った。後者の版は、本当に毎日持ち歩いたし、開かない日はなかった。手あかで変色するくらい開いたし、最後の方は本が壊れてしまったので、セロハンテープでページを止めて使った程。本当に隅から隅まで何が書いてあるか把握することが、まず最初に取り組むことだと思う(教科書を読みながらでも、問題集を解きながらでも)。

retrospectiveに考えると、最初に手をつける問題集をKaplanにした時点で間違いであったと思う。もっと入門編にふさわしい問題集は山とあった。

そんなこんなで、資料作りに莫大な労力を割かれる、お互いに発展的な議論をできる程知識がない、などの理由がもとにあり、さらに3年生の新勧時期の勉強会中止を機に、自然消滅してしまった。この経験は後のcase study勉強会には生かさせることになったし、何より一人ではStep1に手をつけ始めようとは思えなかっただろう。そのような意味では意味はあった。

そして、一人になった自分は4年の夏休み最後か、6年の卒試中か、6年の国試後のいずれに照準を絞るか考え始めた。

スペイン風邪

「史上最悪のインフルエンザ」 A・W・クロスビー

1917~1918年に流行ったインフルエンザについての本。まさに史上最悪。今から40年くらい前に書かれたが、今日でも学ぶべきことが多い。
前半は軍隊(時同じくしてWWⅠ)や地域での流行を記録に基づいて詳細にリアルに描かれている。そして、パリ講和会議にもたらした影響。後半はいかに病原体をウィルスと決めたか、という研究者達と研究手法の話。当時はファイファー桿菌が原因と考えられていた。

WWⅠやその時代背景を知る上でも貴重な資料になっている。
そして、ウィルスが残っていないため、あの流行の原因は解明できていない。
確かにあの時代より、医学は進歩しているし、公衆衛生も改善されている、世界大戦最中でもない。しかし、それらのアドバンテージすら凌駕する変異をしてこないとは誰にもわからない。
医学は、少数の患者に集中的にエネルギーを投入して治すのは得意だが、大多数の患者に効率的にエネルギーを投入するのは苦手であるという作者の考察には納得させられる。

翻って現在。新型インフルエンザ確定例が10,000に達した。
T大の対策指針としては、保育園や幼稚園が休園になった際に、他に面倒をみられる人はいなければ、親が休めるようになっている。ちゃんと配慮してるのは評価したい。一律に、集うことを禁止すると、社会の至るところにそのしわ寄せが寄ってくる。

第2波や次なるインフルのために、迅速診断キットはセーブしておくべきだと思う。国内流行期に入った今はもう、健常人に対して検査しても、「自宅安静」しか治療はないので、outcomeに変化ない。検査するのは、ハイリスク群(タミフル投与の対象となりうる)のみで十分ではないか。既に迅速キットも品薄状態になりつつあるらしい。

2009年5月18日月曜日

新型インフル

日本国内でH1N1の確定例が出たということで大騒ぎになっている

爆発的に感染者が増えているのは、①感染力の比較的強い株が関西近辺に流行った②検査体制が整い確定するのに短時間になった、の2つが考えられる。(③メディアが煽って心配になった人たちが病院に殺到して検体が増えた、というのもあるかも)

ちなみに非感染者のマスク着用についてはエビデンスはない。マスクは感染した際に周囲に広げないという効果はあるが。手洗い・うがいは効果が認められている(T大のHPもよく読むとこのように書いてある)。結構ちゃんと対応(マスクの記載や潜伏期間、対応のレベルダウンなど)していると、今のところは評価している。近辺での確定例の発生の際にも、情報を集めてオーバーでない対応をして欲しいと願っている。

1917~1918年に流行ったスペインかぜの時は、マスク着用を義務付け、だらしなく着けている人を逮捕するまでの徹底ぶりだったそうだ。今から思うと科学的でないとか、人権侵害だとか、文句はいくらでもつけられるし、少々ヒステリックな気もするが、当時のunknownな病原体に対する、考えられる限りの対応をしようという姿勢は読み取れる。実際にあの株の感染性、毒性は本当に未曾有のものだったことが伺える。
そして、過労の医療スタッフの方々が多く感染する事態となった。

最近気になっていることとしては、
次の季節性インフル予防接種を受ける人が増えそうなので、足りるのか??しかもH1N1のワクチンの作成も同時並行で行う予定らしい

パンデミックとの戦いは1st stageだけでは終わらない。現在危惧しているのは、
A.現在の弱毒株に対して過剰な対応をしてパニックになる、現場の予備力の低下
B.今回過剰対応して、警戒感が薄れ、強毒化したときにも対応が遅れる、現場に対応能力が既に枯渇してしまっている(スペインかぜの時も1st stageはヨーロッパでmildな株が流行った後に、アメリカで史上最悪となって流行った)
もちろんBが起らないのを願うばかりだが、これから先のことは誰にもわからない。
これらの考えを踏まえ、早く対応をレベルダウンして、強毒化の有無に注視する。そして今回の対応の改善点を踏まえ、早く次の株・強毒化株・もしくは違う病原体に対する準備に入る。

昨日一日かけてPCを再セットアップしたのに、最後の最後でバグっておじゃんになってしまった・・・昨日一日パーになってしまったし家のPCも現在使えない(泣)

2009年5月17日日曜日

続EBM実践ワークブック

「続EBM実践ワークブック」名郷直樹

現在アメリカで研修中のO塚先生に薦められた書。ずっと読もうとリストには入れていたが、STEP1などで他の勉強をする時間がなく、延ばし延ばしになっていた。

EBM実践の5つのステップ
1.患者さんの問題の定式化
2.情報収集
3.得られた情報の批判的吟味
4.情報の患者さんへの適用
5.上記のプロセスの評価

上記のようなステップを意識していなかったので、勉強になった。忙しい診療の合間にいかにして効率よく情報を収集し、目の前の患者さんに適用するか。なるべくリアルな状況をシナリオを通して学べて勉強になった。

医学とは離れるが、これは日々の自分の生活の中でも行っていることだ。
1.自分の問題の定式化
2.情報収集
3.得られた情報の批判的吟味
4.情報の自分への適用
5.上記のプロセスの評価
本を読んだり、人の話を聞いたり、ネットで調べたりしたことを、吟味して自分ティストにして消化できる形にして食べてみる(実践してみる)。うまくいけば同化し、うまくいかなければ合わないものとして出す。
ただ、自身に対して批判的吟味をするのはもちろん大切だが、自己嫌悪にならないように注意しないと・・・最近この傾向が強いかもしれない。

スラムドッグミリオネラの子役達

CNNを見ていたらスラムドッグミリオネラの子役について触れられていた。

以前その映画に出ている子役のうまさについて印象に残ったと言及したが、ヒーロー・ヒロインの幼少期の役は実際にスラムに住む子供から抜擢された。
映画の注目と共に彼らへの注目も高まり、それまでの生活と大きく変わろうとしている。現実の世界でもスラムドッグミリオネラとなりつつある。
舞台となったムンバイについて、映画の中で「ボンベイからムンバイに名前が変わったの期にこの都市の高度成長が始まり・・・」とあった。1995年に英語での公式名称がボンベイ(Bombay)から、現地語(マラーティー語)での名称にもとづくムンバイへと変更された。(ウィキペディア)
これからも「ボリウッド」(街の旧名「ボンベイ」とハリウッドをもじった、映画の街という意味)で多くの素晴らしい映画が作られることに期待したい。

「スラムの多くの人を救いたい」
ナレーターは最後にこう付け加えた。
彼女の夢はスラムドッグミリオネラより大きいようです。

2009年5月16日土曜日

casestudy「四肢脱力」

投稿は16日だが、開催は14日。S藤君の担当。

四肢脱力に対する鑑別として、
stroke, infarction, tumor, encephalitis, CDJ, SCD, hernia, SCDC, ALS, syringomyelia,  Fredrich ataxia, neurosyphillus, MS, GBS, DM, botulism, MG, organophosphate, PM/DM, paraneoplastic syndrome(LES含む), hypokalemia, hyperthyroidism/hypothyroidism

65歳男性、一ヶ月続く四肢脱力で来院。
problem list
#1四肢脱力、起立不可
#2体重減少、食欲低下

L/D上、K低下でhypokalemia、尿中のK排泄が低下していないことから、RTA type1(遠位尿細管型)。
次回は担当はS木師匠。

しばらく更新していなかったので、記事が貯まってしまった・・・・

日本酒

漫画「夏子の酒」

今日一日ひどい二日酔いだったので、アセトアルデヒドの嵐が過ぎ去るまで、ごろごろしながら一気に読んだ。今、ワンゲルのうちらの代で回して読んでいる。

扱っているのはなかなか考えさせられる内容だった。日本の農業の抱える問題(高齢化・後継者問題、農薬、減反政策、機械化、離農)、日本酒作りにかける熱意、幻の酒作りを通して変わる夏子とその周りの人々。情熱をもって取り組んだ仕事は後世まで残り、そのヒトは語り継がれる。
新自由主義に対して疑問が投げかけられている現在、市場原理では淘汰されてしまうが、いい物が作れる・いい仕事ができる中小の事業が生き残っていけるような仕組みができないものか、と考えてしまう。
味や匂いは伝えるのが難しい。言葉にできない、言葉にするとどこか抜け落ちてしまう、拾い切れないものがある。
万流という言葉が印象に残った。万通りのやり方(流儀)それぞれがある。自分の価値観を他者に押し付けるのは本意ではない。
二日酔いだったが、読んでいて日本酒を飲みたくなってきた。

読んでいて宮本輝の「優駿」を思い出した。

新型インフル

神戸市で渡航歴なしの新型インフルエンザ感染例が見つかった。
経過はこちら↓
http://www.asahi.com/national/update/0516/OSK200905160054.html
これを受けて神戸市では22日まで学校や集会の停止を決めている。

新型インフルを疑うには、渡航歴+インフルエンザ様症状今までとしていたが、その定義も変えなければならなくなるだろう。

水際作戦として検疫は失敗に終わったのではない。日本や中国以外、確かに多くの国では検疫という対策をとっていない。マンパワーや資材・時間の制約の中では、もともとある程度の漏れが出てしまう仕組みであるから、今回の事態が確認されるのも時間の問題ではあった。ただ、国内流行を遅らせ、検査体制を整えるまでの時間稼ぎができたという意味では、一定の評価があると感じている。今回の一連の流行終焉後に再評価されることを望む。

今回も個人情報がだいぶ流れてしまっている。このようになるのが怖いから、黙っているといった傾向にならないかと危惧される。そうなると、正確に流行状況を確認し、拡大を抑えるといった対策を講じるのが後手に回るからだ。

今、スペイン風邪の本を読んでいるが、あの時も今もウィルスに対しての特効薬がないのは同じである。人が集まるのを避けるといった基本的対策はあの時と一緒。ただ、症例の報告義務や感染症対策センターがあるといった、システムがあるのは現在だからこその強みだ。読後に改めて考察したい。

今回のような感染性も毒性もそれほど高くない病原体のパンデミックにおいて、本当に怖いのは、病原体自体ではなくてパニックだ。

2009年5月13日水曜日

思考中と思考停止

往々にして善悪のような2元論で語られる際には、善悪の境界線を引いた時点で思考が停止する。
思考停止後は、完全にオートマトン(いわゆる日々のルーチンをこなす状態)や周囲に(いわゆる流れに任せる状態)支配されてしまう状態にある。

思考停止に陥らないためには、
①物事を2元論で語らず、勾配や濃淡の差として捉える
②作業に入る前に際にあらゆる可能性について(最悪から最良の事態まで)想定し、その際にどう動くかシュミレーションを済ます

最近、思考モードと思考停止モードが恣意的に切り替えられるようになってきつつあると感じる。
どうしようもなく苦痛な時間を過ごさなければならない時、思考停止していれば、自分の存在意義やその時間の無意味さに対して苦悩する必要がないから・・・。
逆に、どうしようもなく苦痛な時間を過ごさなければならない時、その時間が去った後にどう効率よく作業をするかを、リストを作って順番を思考していればさほど苦痛にはならない。この思考は長時間は続かないので、リストと順番が決まった後は思考停止に移行せざるを得ないが。

ヒトは見たくない現実を直視できず、見たいと思う現実しかみない。見たくない現実に直面した時は思考停止状態になってしまう。見たくない現実を直視するには、直視できる強いハートをもつのが一番だろう。
自分にはそんなハートがないし、しばらくはもてる見込みがないから、「想定しうる最悪の事態を常に考慮しその際の行動を自分の中でシュミレーションしておく」しかないと今は思う。見たくない現実を直視はできなくても、とりあえずは最善の対処はできるだろうから・・・。

2009年5月10日日曜日

大菩薩山

久しぶりに山行に行った。
春休みに屋久島に行ったが、日帰りだったし、道も整備されていてハイキングっぽかったので、昨日・今日が実質久しぶりの山。去年春から今年の1月までStep1地獄にはまっていたため、去年の冬研合宿以来の山。

金曜夜19時に実習終了後にY口から連絡があって急遽行くことに決めた。準備してとりあえずすぐ寝る。翌朝5時過ぎの始発でK手さんとY口と大菩薩山へ。本当は土曜日に都内で講義を聞くはずだったけど、すっぽかして山に来てしまった。

正直、直前まで行こうか迷っていた。最近5月病なのか、やる気が著しく減退していて、周りのことをネガティブに捉えがちな自分がいた。気分を変えて山に行けば何か突破口が見出せるのでは!?と個人的には位置づけていた。

現役の本隊を追いかけて、登ったが実際は追いつけず・・・途中すれ違った登山者に「5分前にすれ違った」という情報を得て、必ず追いつけると確信していたが、実際は20分くらい差があったらしい。
現役のパーティーだけで18人という大集団(ちなみに下山後の温泉では団体割引すら使えた)。しかも新人が今年は多い!しかも天候に恵まれた。

全員の新人とは絡めなかったけど、皆の目が輝いていて。「授業はこれこれが大変で」とか「大学生のうちにこれこれをしたい」とか、自分もうん年前は同じ目の輝きをもっていた(はず)。最近悲観的な見方しかしていなかった自分が恥ずかしく、自省の念に駆られた。

食事を時間をかけて準備したり、寝る時間を確保したり、下界でないがしろにしがちなヒトとして生きるために必要なことにしっかり時間を割くことの深さを感じた。

久しぶりの山で、いろいろな不備(※・学割・地形図・レーション・もちろんデジカメも、などなど)があったけど、皆のサポートで何とか無事下山。リハビリには丁度良かった。梅雨までにもう一回くらいどこかに登れればいいな!!
また明日から一週間頑張ろう!!

case study 「腹痛」

5/7のcase studyの担当は自分だった。
以前先輩の勉強会に混じって取り組んでいた100casesという症例本の未解の問題を用いた。

腹痛全般鑑別としては部位別に
心窩部:MI、gastric/duodenal ulcer、biliary disease
中央:IBD(Crohn, UC)、AAA、IBS、DKA、gastroenteritis、bowel obstruction
右季肋部:biliary disease、hepatitis、diverticulitis、renal colic
左季肋部:splenic injury、diverticulitis、renal colic
右下腹部:appendictis、ovarian disease、PID、ruptured ectopic pregnancy
左下腹部:ovarian disease、PID、ruptured ectopic pregnancy

一例目は十二指腸潰瘍→消化管出血→鉄欠乏性貧血
二例目はAFの既往で突然の腹痛→血圧低下しショックに→腸管虚血+敗血症性ショック

初めてデジカメで図や表の引用を試みたが、以外に綺麗に添付できた。
次回はS木君担当・・・

2009年5月7日木曜日

新型インフルエンザについて20090507

当初予想されているより、H1N1インフルエンザの感染力・毒性が低かったため、専門家の中でも緩やかなものになるのでは??と楽観視する声が多いようです。

米国での感染確定例の増加は、今週からCDCのみに限らず地方の保健所レベルでもこの株の同定が行えるように体制が整った(それまでは疑い例の検体が大量に送られてきて検査能力を超えていた)ためと考えるのが妥当です。
このように検査体制が整うと、一見データ上は悪くなっているように見えるので、そのようなファクターを差し引いて変化をみるべきです。

その反面、H5N1インフルエンザは、感染力自体は今のところ低いですが、毒性は極めて高い(データ上感染例が423例、死亡例が258例、死亡率は61%、もちろん国の医療事情によっては軽症では病院に来ないため重症感染例のみが分母になっている傾向はあると考えられますが)ので、今日明日にパンデミックになる確率は低くても、今後とも警戒を続けるべきだと思います。

今回の株は、パンデミック対策の限界や問題点・改善点、マスコミの扱い方などを探る上で、重要なものになっていると考えます。

まだT大の方針はHP上変わってないようですが・・・近いうちに対策も緩やかなものになるのでは!?

スラムドッグ・ミリオネラ

インディアン・ドリームの映画。
自分は子役のうまさに目が引かれた。
リアルにインドの人たちの生活を描いていて(自分は行ったことはないが、経験者曰く)、彼らのバイタリティの高さ、目の輝きに圧倒されそうだった。

久し振りに映画館に足を運んだ。出不精の自分は、誘ってもらえないといけないようだ。

2009年5月6日水曜日

ローマ人の物語5

「ユリウス・カエサル ルニコン川以降(中)」「ユリウス・カエサル ルニコン川以降(下)」

カエサルの「寛容」姿勢で温存された反カエサル派によって、暗殺される。「寛容」の精神は、優位に立った際に周囲の懐柔を容易にする(いわゆる雪崩現象)反面、許された反抗勢力の温存を許してしまうという面もある。

教師と医師の社会的地位の向上は、カエサルによるところも多いらしい。
元々ローマ人は子供の教育に熱心で、ギリシャ人の奴隷教師も高額で取引され、高待遇だったそう。教育の医療はどの国、時代でも大切さは変わらない。

初代皇帝アウグスツゥスの誕生。キリスト誕生時のバックグラウンドが追えたので、中高時代に感じていた聖書に対する一抹の消化不良感が払拭された。

これから「史上最悪のインフルエンザ」A・W・クロスビーを読もう。

2009年5月5日火曜日

SARS

「世界を救った医師 SARSと闘い死んだカルロ・ウルバニの27日」

新型インフルエンザでパンデミックが心配される昨今なので、過去のパンデミックについて調べようと思って再読した。4年前に読んだ時も感動した覚えがある。今回の方が自身が現場に近づいているせいか、登場している方々についての自分の認知が深まっているせいか、より強く心を動かされた。

2003年、29の国、8096人の感染者、774人の死者を出したSARSは、当初未知のウィルスに関わらず、急激な症状の悪化で亡くなる方が多かった。初期にベトナム、のハノイ-フレンチ病院で謎の肺炎患者と接触したウルバニは、WHO職員として感染が広がる院内に踏みとどまり、病状の把握や検体の採取を行い、フレンチ病院の封鎖を見届ける。自分自身の感染を自覚していたウルバニはタイ・バンコクに出国し、そこで帰らぬ人となった。

これから、非常に困難な決断を迫られることがあると思う。その時に自分の信念を曲げない決断をできるように、その時の自分が振り返っても悔いを残さないように、一日を過ごそう。

1918~1919年に2000万人~4000万人が亡くなったスペイン風邪についての本もこれから読もう。

2009年5月4日月曜日

医師づくり

「ハーバードの医師づくり―最高の医療はこうして生まれる 」

実家の本棚に置いてあったのを再び手にとってみた。5年前くらいの自分とは置かれている状況が異なるため、再読すれば違ったものが得られるのではないかと、斜め読みした。

米国で学ぶ医学生の大変さ、必死さを垣間見れて、いい刺激となった。
教育熱心な方々の善意に支えられて、充実した教育プログラムになっている。ロールモデルとしたい尊敬できる方にも多く出会える予感がする。
この本の出版(2002年)と比して、日本でもOSCE、advanced-OSCEの導入など改善がみられていることには一定の評価をしたい。

せっかく日米両国の医療を経験する機会を得た筆者であれば、報告にとどまらず、現状の日本の医療で取り入れられるところまで言及してもらえれば、さらによかったと感じた。

ローマ人の物語4

「ユリウス・カエサル ルニコン川以降(上)」

~天才と才のある者の違いは知性と情熱の合一である~
知性とその知性の拡大再生産を続ける情熱の両方を有していれば、ゆるぎない知性となる。
知性に加え、情熱さえもコントロールするのは、並大抵のことではない。

~人は見たいと思う現実しか見えない~
人の認識の限界。バイアスはぬぐえない。今そこにある“危機”があったとしても見ようとしないと見えない。見ようとしない言い訳はいくらでもできる。
まずは、どんなに都合の悪い事実でも見ようとしよう。

2009年5月3日日曜日

新型インフルエンザ現状と課題

水際作戦として、
①帰国者に対して発熱を確認するためのサーモグラフィでチェック
②症状があれば、迅速診断キットでAかBか型判定
③A(+)ならPCRで既知の新型インフルエンザ株と配列を比較
これらを経て確定となる

①潜伏期間中に検疫を通過する可能性はある
②迅速キットの感度・特異度が不明(キットの種類により差があるが)。A(-)B(-)の際も可能性はある。実際USAでは迅速キットには頼っていない。
③確定までに時間がかかる。日本にもPCRのために新型の株が届けられたらしいので、以前よりは早くなると思われるが、特に国内一例目の確定には慎重になるため時間を要するだろう。
と理論的に考えると万全とはいえない。
とはいえ、動員できるマンパワーや機材を考えるとこれが、妥当だろうと考えられる。昨日だけで46000人が海外に出てしまった。GW後半~GW後が・・・


医療機関の対応として、
急性期:まだ数例の時点では、感染拡大を抑えるため、陰圧室で管理し、他者との接触を避けるように。
蔓延期:感染拡大が起こった際は、軽症例は自宅待機、重症例のみ入院。
と2つのフェーズに大別できる。
これらを通常業務もこなしつつ、(ただでさえ、GW後は旅行者感染症は多い)やるには本当に大変。お疲れ様です。

新型インフルエンザ理解のための予備知識

人間が感染するもの:細菌、ウィルス、真菌、寄生虫、原生生物

ウィルス:DNAウィルス、RNAウィルス

インフルエンザウィルスはRNAウィルスで、オルソミクソウィルス(Orthomyxovirus)というファミリーに属す。RNAウィルスの中でも特殊で、8つのセグメントに分かれるRNA構造をもつ。
RNA配列がランダムに変異することを、genetic drift。これはウィルス一般に起こる。季節性インフルエンザに毎年かかる原因になる。
一方、インフルエンザウィルスはセグメント状のRNA構造をもつため、1つの細胞に複数のウィルスが感染すると、セグメントごと入れ替わるgenetic shift。これが起こるとpandemicになる危険がある。
表面にヘマグルチンニン(H)とノイラミニダーゼ(N)という抗原がある。Hは16種、N9種、全部で144通りの抗原の組み合わせがある。

新型インフルエンザはH1N1の型の抗原をもつ。
今回の新型インフルンザは、豚、人の細胞に対して親和性があり、しかも今までみつかっていないRNA配列のため、新型とされている。今回流行の型に対して免疫をもつヒトはいない。現在までのところ、どこが感染源であったのかは不明。

2009年5月2日土曜日

ウェブ進化論

「ウェブ進化論 ~本当の大変化はこれから始まる~」 梅田望夫

友人から借りて読ませてもらった。「ザ・サーチ グーグルが世界を変えた」「ブログがジャーナリズムを変える」(NTT出版)などの関連本を第一大学時代に読んでいたので、理解はしやすかった。きっかけは立花隆の「インターネットとジャーナリズム」という講義を受けて、その際にススメられたので手に取った。特に「ザ・サーチ」を読んだときは、これからのネットの可能性に血が騒いだ覚えがある。日本人からの眼が取り入れられている面では新鮮だった。

~motivationの高いメンバーだけで構成される小さな組織で、全ての情報が共有されると、ものすごいスピードで物事が進み、大きなパワーを生む~
小さな組織の方が機動性が高く、コンセンサスも得られやすい。逆に大所帯になると何をするにもじかんがかかる。確かに仕事に応じてチームの規模も変わるが。
自分の参加している有志の勉強会もこんな集まりになれれば、と密かに期待している。これから実習先や時期がバラバラになって集いにくくなるので、新しいツールの活用など対策を講じ始めないと。

~80%は既存の仕事、20%は新規の自分独自のプロジェクト~
自分の時間配分もこのようにできれば理想。実情は・・・95%は既存、5%はそれ以外の教養のための時間。本当は、感染症・EBM・免疫など既存に関連し、既存を深めるために必要な時間と、第3外国語やプログラミング、芸術鑑賞などさらに幅を広げるための時間が欲しい。
「○○がない」と嘆かずに「これもあれもできた。次はこれもしよう」とpositiveに考えたい。

2009年5月1日金曜日

新型インフルエンザ

ブタインフルエンザから新型インフルエンザという表現に改められた。通称“トンフルエンザ”と呼ばれているらしいとか。
各機関がそれぞれ対策を提示している。

医療機関では連日、動向をみながら対応を協議している。発熱外来の設置のタイミング、疑い例発生の際の対応。明日からGWなので、普段より少ない人員で回さなければいけない、周囲のクリニックは休診で殺到、といった現場の方々の苦労を察するに余りある。
ただ、こんな情勢の中でもポジティブに考えるなら、いきなり病院に行かずに相談センターに電話してから受診の必要・不要を判断する仕組みが、新型インフルエンザ以外に対しても一般的になれば、現場の疲弊を食い止めるい一助になるのでは、と考えている。

ECFMGではStep2CSの受験可能機関の延長を検討している。

T大では、既に渡航歴のある方には帰国後10日間は出席停止を実施しており、国内で確定例が出れば全学休学にする処置をとるとのこと。課外活動の中止も含まれるので、部活やクラブも対応しないと。

日本国内でも疑い例が出て、誤報も錯綜し深夜のTVはパニックになったらしい(自分は完全に寝てたが)。厚生労働大臣が確定例ならまだしも疑い例なのに、深夜に会見するのか・・・ちなみに感染症の先生方はTVをつけたまま寝て、うつらうつらしながらも情勢をモニターリングしているらしい。

ブラックジョークじゃなく実際にあった話

深夜にパニクった大臣が「パニックにならないで下さい」という皮肉
国立感染症研究所の名を語った「ブタインフルエンザに関する資料」という添付文書に仕掛けられたコンピューターウィルスという皮肉

ローマ人の物語3

「ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)」「ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)」

~批難とは総じて批難される側よりも批難する側を写すことが多い~
他人のnegativeな面を捉えている時、自分自身も持っている後ろめたい面の投射であることが間々ある。他人に対する不満は自分自身に対する不満の鏡なのか。

~カエサルは自分の考えに忠実に生きることを課した~
首尾一貫するというのは、口で言うのは簡単だが、実際は難しい局面に立たされることも多い。
他人も自身も納得するには、自分が決めて自分で課した芯を自身に通す。そんな人になれれば・・・

ガリア戦役後、ついに始まるカエサルとポンペイウスの激突を期待させる静かな記載が印象的

case study「皮膚感染症」

case1右下腿の進行性の発赤と熱感に対する鑑別診断として
感染症:蜂窩織炎、壊死性筋膜炎、播種性淋菌症、Lyme disase、SSSS、Rockey mountain spotted fever
非感染症:DVT、(固定性)薬疹、急性通風、熱傷、ムシさされ

case2散在性水疱に対する鑑別診断として
感染症:水痘、帯状疱疹、ヘルペス、麻疹、天然痘、(手足口病、ヘルパンギーンナが出せなかった)
非感染症:尋常性天疱ソウ、落葉性天疱ソウ、水疱性類天疱ソウ、2度熱傷

が挙がった。
丹毒と蜂窩織炎の違いは勉強になった。
丹毒:比較的浅く、境界明瞭
蜂窩織炎:比較的深く、境界不明瞭

最近レベルが上がってきているので、自分もうる覚えの事項が多くなってきた。勉強しなきゃという危機感とモチィベアップするいい機会!!

2009年4月29日水曜日

救急医療

 親が悪化するわが子の病状が心配で、朝まで待てないため時間外に病院に連れてくるということが多い。親がどのような時に連れてくるべきで、どのような時に朝まで待てるのか、という判断を適切にできるように啓蒙する必要性を感じた。このことは、特に小児救急で如実に現れているが、成人の時間外外来でも軽症の方の来院にもつながると考えられる。
 自分が医学生として勉強するようになって、いかに自分自身の体のことをわかっていなかったかを実感するに至った。それは、一般の方々ではさらに顕著であると思われる。このため、病院への受診に迷った際にどこに聞けばよいか、をさらに周知する必要があると感じる。駅構内で、救急車の要請に迷った際の連絡先が記載されたポスターを見かけることもあるが、そのような体制も周知されているとは言いがたい。
 現場でパンフレットを配ったりするなどの地道な働きかけも大切であると感じた。加えて、インターネットやテレビを通じて、正しい情報が伝わるように提供していくことや教育現場とも連携しての活動も必要と考えられる。日本では医療へのアクセスの敷居が、比較的低いため早期発見しやすい反面、アクセスが濫用され医療体制の人的・金銭的な疲弊を招く傾向にあると考えられる。医療へのアクセスの敷居に適切なレベルを保てるように、医療者全体が一般の方々にも考えてもらえるように問題提起をしていくべきだと感じた。

以上が自分が考えていることです。

現状で、病院への受診の際は何を判断材料にしていますか?
インターネット・テレビ・家庭の医学的な本・周囲の助言・自己判断 など

何が病院(特に夜間休日などの時間外)に患者さん達が殺到する原因になっていると思いますか?
かかりつけ医の不在・自己負担が安いからとりあえず・不安を解消したい など

ご意見を下さい。お願いします。

2009年4月26日日曜日

ブタフル②

WHOの発表ではphase3からの引き上げは見送られた。phase4は持続的にヒト-ヒト感染が起こっていると認定された状態。しかし、まだそのように判断を下すだけの情報がないので、今回は見送ったという感じだ。

メキシコではパニックにはなっていないが、学校、図書館、美術館などのヒトの集まる施設は閉鎖されている。

現在までのところ、CDCでも流行地域への渡航は止められてはいないが、流行情報に気をつけることや、積極的に感染防御を行うように推奨している。
日本では、JTBがメキシコへのツアーを中止はしないが、キャンセルの際にキャンセル料をとらないとしている。メキシコ帰りの便には、SARS以来お馴染み(?)のサーモグラフィで発熱の有無を検査するなど検疫を強化している。
ブタ肉を食べても問題ないとのこと。

発表されている感染者数や死亡者数がどこまで正確なのか?実際は検体(この場合鼻腔内をぬぐったもの)からブタフル特有のRNA配列を検査しない限り(今回流行の株は今までのヒト・ブタ・トリインフルエンザからは見つかっていない特有の配列があるので)、断定はできない。カリフォルニアやテキサスで確認された感染例ではこれらの確認されている。メキシコの発表ではどこまで確認されているのかは自分の調べた限りでは詳細はわからなかった。

出来る限り正確なに基づいて、冷静に対応するしかない。今後も推移を見守ろう。

2009年4月25日土曜日

ブタフル

忙しくても、こまめにニュースやネットをチェックしておかなかったことを反省させられた。今日TVニュースを見るまで気づけていなかった。

遡れば、4/21にはCDC(Center for Disease Control and preventation、米国疾病管理センター)から警戒するように注意が促されていた。発端はカリフォルニア在住の2児からブタのインフルエンザが見つかり、ヒト-ヒト感染の可能性があったためだ。他の宿主-ヒト感染のみならば、その宿主動物との接触を避けることで感染の拡大を防げるが、ヒト-ヒト感染ならば一気に感染が拡大する(パンデミック)の危険がある。特にヒト、モノの移動が激しい昨今では初動の遅れは致命的な拡大を招く可能性がある。

メキシコ政府の発表では、先月からインフルエンザ様の症状がみられ、今月に入ってから流行が拡大。4/23の時点で、854人以上が感染し、59人が亡くなっている。

今日の日本時間23時頃のWHO発表でフェーズ4を宣言すれば政府も対策本部設置とのことで、しばらく推移に注視したい。

パニックになる必要はない。いつもしている感染防御(マスク、手洗い、うがいなど)を励行しよう。GW前に、このニュースでは関係者の皆さんの苦労の程が伺える。

昨日聴いたばかりの言葉が頭をよぎる。「敏感になりすぎず、鈍感にもなりすぎず」。

感染症学会

4/23-24に都内で開かれていた感染症学会に参加してきた。

学会参加と24の実習でのプレゼンテーションの準備(ウィークディで、実習先の先生に無理を承知でお願いして学会参加の許可をもらっていたので)で、久しぶりに詰めつめの日程だったので、更新が滞ってしまった。

久しぶりに都内のラッシュを経験して、自分がいかに恵まれた立地に住まわせてもらえているか再認識した。

宮城先生、青木先生、大野先生、藤本先生、大曲先生、といった日本の感染症界で活躍して、自分の憧れの先生方が次々に登場して講演をしてもらえて、刺激になり、とても勉強になった。感染症や医学教育の本やブログを読んで、一度会ってみたいと思っていた先生の生の話を聴けて大満足の二日だった。

本学会のテーマが「感染症教育を考える」というだけあって、学生にも興味のもてる話が多かった。有名な先生の講義は立ち見の人で溢れかえって、外にはみ出すくらい大盛況だった。

特に青木先生は、レジデントのための感染症診療マニュアルや、昨年の大学院特別講義を拝聴して、ぜひぜひライブの講義を聴きたいと切に思っていた。会場の前の方に行って、講演の始まる前につい喜んでいたら、一緒に参加していた隣のS君にきもがられてしまったのだが。短時間に多くのclinical pearl(臨床上学ぶべき事柄)を散りばめられており、うまいタイミングでフロアを和ませるジョークを挿んだりと、内容も話術もすばらしく、聴いていて引き込まれてしまった。

2日目の午後の講演の途中で、後ろ髪引かれる思いで会場を後にして、大学に戻り症例のプレゼン、今後の実習のガイダンス、実習の節目だったのでその後飲み・・・と詰めつめだったが、ものすごく充実していた。

2009年4月21日火曜日

燃え尽き症候群

「Burnout and Suicidal ideation amoung U.S. Medical Students」

Annals of Internal Liselotte N. Dyrbye, MD et al. 2 September 2008 Volume 149 Issue 5 Pages 334-341

米国の医学部在籍中に学生の約50%が燃え尽き、10%が自殺念慮を経験。燃え尽きはその後の自殺念慮のリスク上昇に関連。

米国では4年制大学卒業後にmedical schoolに入ることや、医師になるまでに多くの借金を抱える方も多いので、一概には日本との比較はできないが。某大の調べでは研修医の半数が鬱を経験しているというデータもあるので、傾向は類似しているのだろう。

頑張りすぎずに頑張りましょう。

2009年4月20日月曜日

立花隆

立花隆氏に私淑している。

それまで家では親の本の中に立花氏の著書も混じっていたが、見たことがある著者であることくらいにしか最初は印象がなかった。
高1の時に夏期講習でお茶の水に足を運んだ時に、昼飯代を削って初めて買った文庫以上の本が「脳を鍛える」。一読して大部分には理解が及ばなかったが、世の中には自分の知らない面白いことがこんなにもあるのか!!・・・と感銘を受けた。それまで、知識とは教科書と少しばかりの文庫本やテレビが全てであった自分にとって、衝撃というより全ての見方が変わったというくらいインパクトがあった。

一読した本の再読はしないが、この本と司馬遼太郎の「竜馬がゆく」「坂の上の雲」だけは再読している。学生のうちにこの3つは必読。「竜馬」と「坂の上」もいつか詳しく触れたい。

圧倒的な資料・取材・勉強に裏打ちされ、さらに飲み込まれずに、それらを統合する執筆力は凄い。

私淑(ししゅく):私(ひそか)に淑(よ)しとするの意。個人的にこの言葉の響きや意味が気に入っている。ちなみに直接教えを乞うていれば親炙(しんしゃ)。どちらも良い日本語。

2009年4月19日日曜日

ベイツ

Bates' guide to physocal examination 9th edition

を家で空いた時間にチョクチョク読んでいる。この本は通称「ベイツ」と呼ばれ、世界中で読まれている身体診察の教科書。文章も比較的平易だし、図や写真が綺麗で、構成がいい。本当は病棟実習が始まる前に通読しておきたかったが、そのときの自分にはそれだけのreading skillがなかったし、step1で精一杯だった。久しく辞書的にしか使ってなかったが、4/11に身体診察についての講義をK井先生から拝聴して、自分の身体診察の未熟さを痛感して通読しようと思い立った。

家のPCの動作が遅いので、now loading中の合間や少し早起きして時などを有効活用している。
今まで通読を目指した洋書の中では一番厚い。さらに厚いのではハリソンも手元にあるが、めでたくベイツを通読し終えたら、手を出そうかと思っている。それまではわからいところだけを参照する的なポジションに置く。

現在90/900ページ。やっと問診のセクションが終わって、診察のセクションに入った。
問診と身体診察は全ての診療の入口であり大元であり基本であり、奥が深い。

ローマ人の物語2

「勝者の混迷(下)」「ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)」

~奴隷とは自分の運命を自身で決められない者のことをいう~
決断を迫られた時(迫られるであろう時)に選択肢をいかに多く残しておくか?もし1つしか残されていなければ共和政時代のローマの定義では奴隷ということに・・・

~指導者に求められる資質は次の5つ。知性、説得力、肉体上の耐久力、自己制御の能力、持続する意志。カエサルだけが、この全てを持っていた~
こんな資質を1つでも有していれば「当代きっての~」といわれるだろうに、5つも有していればもはやカリスマ。生まれもった資質+時代の要請+生後の教育・本人の努力+α+・・・それら全てが合わさって彼を生んだのだろう。

この頃日本は弥生時代。ローマの方が進歩していたとか、全くいうつもりはない。ただ、特筆すべきはローマの人々は書き残していたことだ。弥生時代にも様々なドラマや今から観ても学ぶべきことは多々あるはずだが、省みれる資料が(あちらさんと比べて)多くないのが惜しい。

2009年4月18日土曜日

放〇線学会

昨日は、Y浜まで放〇線学会に参加しに行った。

人間の脳には2つの傾向があるらしい。
①より複雑な思考では頭が働く(より脳血流が増える)
②同じことを反復すると、頭は少しづつ働かなくなる(脳血流が減る)。いわゆる学習する。ただし計算や文字を扱う場合は例外的に、反復しても脳血流は減らない。

②については、いわゆるオートマトン化だと思う。
このような脳の傾向を把握した上で、自分自身の脳にも最適な負荷をかけてトレーニングできるといいな!!まだまだ自身の脳を活かしきれていないと感じた。

初めて「学会」なるものに参加させてもらった。一般の放〇線医の再教育(情報のup date)のために教育講演なるものが多く設けられていて、面白かった。もっと細分化されすぎていて、学生ごときが聴いてもちんぷんかんぷんなのばかりかと当初は予想していたが。
なるほど、これが「学会」というものの雰囲気なのか!

2009年4月16日木曜日

Case Study「失神」

毎週木曜夜に有志で集まって勉強会を行っている。
主訴から鑑別診断を挙げ、問診で何を聞くか?→鑑別絞込み→身体所見を何をとるか?→再度鑑別絞込み→検査何をするか?→さらに鑑別絞込み→入院/帰宅、ケースの結末
といった一般に外来の初診(初めて診る)を想定しての流れだ。毎回持ち回りで、担当になった人が司会兼模擬患者をする。

座学や診断のついてしまった患者さんを担当する病院実習の中で、有機的・実践的に学んだことを復習しお互いに刺激を与える意味で始めた。4年生の最初からやっているので、都合1年だ。時々研修医の先生や先輩や後輩も参加してもらえて何とか続いている。基本は同級生の新5年生が中心となって会を回している。

・・・で前置きが長々となったが、今回の担当はT君で、主訴は「失神」。T君は救急医を目指していて、積極的に活動している。学内でも救急勉強会を主催しているし、外部の勉強会にも主要メンバーとして参加している。自分の将来を見据えて、今から準備している姿勢は見習いたい。

※以下一部疾患名の略語などは注釈をつけて説明していないものは話の筋とは関係ないので読み飛ばしてもらって結構なんで。

・・・で鑑別だが、
hemorrhage, aortic stenosis, narcoiepsy, sepsic shock, shock, arrhythmia, NSVT, epilepsy, TIA, SSS, vagus nerve reflex, orthostatic hypotension, trauma, hypocarboxia, hypoxia, hypoglycemia, drug, DKA, SAH, HHS, SAS
などが挙がった。
一例目は若年で、初発、2~3秒の失神後意識清明に回復、他に随伴症状なしでvagus nerve reflex。L/D(血液検査)、ECG(心電図)に加えてtilt table testを施行することとなった。
二例目は中年女性で、左下腹部痛を伴い、起立時に失神し再現性あり。妊娠反応と体位による血圧低下をみて、超緊急ということで、すぐライン(点滴の管を血管に入れる)を2本取って婦人科コンサルで緊急オペとなった。T君らしい症例。

来週は、多くのひとが都内の某学会に(自分も)参加するのでお休み。来週はM君担当で感染症関連らしい。
明日は今実習している科の学会に行くこととなった。