2009年4月16日木曜日

Case Study「失神」

毎週木曜夜に有志で集まって勉強会を行っている。
主訴から鑑別診断を挙げ、問診で何を聞くか?→鑑別絞込み→身体所見を何をとるか?→再度鑑別絞込み→検査何をするか?→さらに鑑別絞込み→入院/帰宅、ケースの結末
といった一般に外来の初診(初めて診る)を想定しての流れだ。毎回持ち回りで、担当になった人が司会兼模擬患者をする。

座学や診断のついてしまった患者さんを担当する病院実習の中で、有機的・実践的に学んだことを復習しお互いに刺激を与える意味で始めた。4年生の最初からやっているので、都合1年だ。時々研修医の先生や先輩や後輩も参加してもらえて何とか続いている。基本は同級生の新5年生が中心となって会を回している。

・・・で前置きが長々となったが、今回の担当はT君で、主訴は「失神」。T君は救急医を目指していて、積極的に活動している。学内でも救急勉強会を主催しているし、外部の勉強会にも主要メンバーとして参加している。自分の将来を見据えて、今から準備している姿勢は見習いたい。

※以下一部疾患名の略語などは注釈をつけて説明していないものは話の筋とは関係ないので読み飛ばしてもらって結構なんで。

・・・で鑑別だが、
hemorrhage, aortic stenosis, narcoiepsy, sepsic shock, shock, arrhythmia, NSVT, epilepsy, TIA, SSS, vagus nerve reflex, orthostatic hypotension, trauma, hypocarboxia, hypoxia, hypoglycemia, drug, DKA, SAH, HHS, SAS
などが挙がった。
一例目は若年で、初発、2~3秒の失神後意識清明に回復、他に随伴症状なしでvagus nerve reflex。L/D(血液検査)、ECG(心電図)に加えてtilt table testを施行することとなった。
二例目は中年女性で、左下腹部痛を伴い、起立時に失神し再現性あり。妊娠反応と体位による血圧低下をみて、超緊急ということで、すぐライン(点滴の管を血管に入れる)を2本取って婦人科コンサルで緊急オペとなった。T君らしい症例。

来週は、多くのひとが都内の某学会に(自分も)参加するのでお休み。来週はM君担当で感染症関連らしい。
明日は今実習している科の学会に行くこととなった。