参加しているメーリスで偽膜性腸炎とlactobacillusの関係についての言及があり、興味があったので調べてみた。
偽膜性腸炎とは、抗菌薬などの薬剤を投与されたことが原因で、腸内の正常な菌の集まりが壊されてしまい、代わりに白い膜をつくる菌(Clostridium difficile )が増えてしまい、下痢などの消化器の症状が出る病気。腸内を生態系に例えるなら、人工的な影響で系が崩れ、ある特定の(微)生物が異常増殖してしまっている状態。
http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B6T7H-4VW50SP-3&_user=128923&_rdoc=1&_fmt=&_orig=search&_sort=d&_docanchor=&view=c&_acct=C000010078&_version=1&_urlVersion=0&_userid=128923&md5=d900350ad99d18be4a2820df072a1096
「Clostridium difficile 30 years on: what has, or has not, changed and why?」
に偽膜性腸炎の30年間の歩みがまとめられている。ここではラクトバチルスなどのプロバイオテクスは、まだ議論の余地があると記載されている。ただ魅力的な方法であるとの結語だけど。
http://www.bmj.com/cgi/content/full/bmj.39231.599815.55v1
「Use of probiotic Lactobacillus preparation to prevent diarrhoea associated with antibiotics: randomised double blind placebo controlled trial」
BMJ, doi: 10.1136/bmj.39231.599815.55, (Published 29 June 2007)
上記の孫引きでのRCTの論文。
そのほかに2006年に米国で同じような治験があったみたいだけど、その結果がどのペーパーかは探していない。
日本でも偽膜性腸炎の原因となる薬剤投与時にlactobacillusの特定の菌(菌名は忘れた)入りのヨーグルトを入院患者さんに出すといった取り組みを始めているところもあるそうだ。