2009年11月28日土曜日

Dr.ハーストの医学教育論

Dr.ハーストの医学教育論. J. W. ハースト著/道場信孝, 高橋長裕訳. 医学書院

S藤先生のブログで紹介されていたので、図書館で借りて読んでみた。含蓄の多い内容で、読み手の成熟に比例して感じることも多くなる本だと感じた。薄い本だが、中身は濃い。真の教育とは何か、考えさせる一冊。

データの収集→再構築→実際への当てはめ(実践)
第一段階から第二段階の過程を思考という。確かに読書はすべきであるが、しすぎて思考を忘れないようにしないと。

常に新しい知識が正しいわけではない
日進月歩のこの世界、どうしても最新の論文・知識を追求してしまう傾向に警鐘をならしている。最新の知識を得ようとする好奇心はもつべきであるが、我々は古典からも学ぶべきことが多い。

患者の問題を何よりも優先されるべきであり、自分の都合、睡眠、食事、その他のことはすべて二の次だ
その気持ちを忘れないようにしたい。

知識の吐き出ししか評価できない択一式試験、知識の伝達だけに終始する冗長な講義・・・
本当に学ぶべきは、個々の知識ではなく、どうやって学ぶかだ。例え社会的身分としての学生が終わっても、学ぶ気持ちを忘れない「学生」でありたい。