2018年6月10日日曜日

June 2018 Medical Journal watch for GIM ②

今週のジャーナルアップデート。
虚血性脳梗塞がおこるということは、梗塞の起きていない脳血管や冠動脈も既に血管が粥腫生変化起こしている。
蜂窩織炎はGIMでみることが多いと思われるが、経過が合わないことや、非典型例では早めの皮膚科コンサルトを検討。

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【NEJM original】★TIAや微小脳梗塞後、1年後は6.4%、その後2年後から5年後で6.4%の血管疾患発症する。3847名のTIAや微小脳梗塞の92%を5年間フォローし、うち469名が脳梗塞・急性冠症候群の発症や心原性死亡をきたした。片側の大血管の粥腫、心原性塞栓、ABCD2 score4以上は、脳梗塞のリスクになる。
N Engl J Med 2018; 378:2182-2190
Five-Year Risk of Stroke after TIA or Minor Ischemic Stroke

【JAMA dermatology】★蜂窩織炎で早めの皮膚科コンサルトが抗生剤治療期間短縮や誤診の発見につながる。3次病院で2012-2017年で175名を通常治療のコントロール群と皮膚科コンサルト群にランダム化、院内滞在期間は有意差なし、抗生剤点滴治療期間と経口も含めた抗生剤治療全期間が短縮につながった。1ヶ月間のフォローで、臨床的改善はコンサルト群に有意に高くなる。30%は蜂窩織炎でなく誤診だった
→臨床経過が合わなければ早めの皮膚科コンサルトを検討
Effect of Dermatology Consultation on Outcomes for Patients With Presumed Cellulitis
JAMA Dermatol. 2018;154(5):529-536

【JAMA dermatology】★蜂窩織炎で早めの皮膚科コンサルトが医療経済的にも費用抑制につながる。コホート研究で、早めの皮膚科コンサルトで、不要な抗生剤加療の74%、不必要な入院が85%減少につながった。
Outcomes of Early Dermatology Consultation for Inpatients Diagnosed With Cellulitis
JAMA Dermatol. 2018;154(5):537-543