日経BPの方のお話を聞く機会があった
・医療崩壊は本当に起こっているのか??
どう定義するかによって変わってくると思う。たとえば、これまで徒歩5分で病院に行けるところがバスで10分になってことを不便だと感じることはあると思う。
医療崩壊は日本全国ではほとんど起こっていないと言える。北海道のある地域を除いては。本来過剰気味だった供給が、本来のサイズに最適化されたとも考えられる。
ただ、病院を潰すと政治家は間違いなく、次の選挙で受かれない。
臨床研修制度(医学部卒業後に2年間の初期研修を学生と病院のそれぞれの希望順位を出してコンピューターでマッチさせる制度)のせいにする意見もあるが、それは少し違うかもしれない。一つ言えることは、臨床研修制度が始まって大学にも危機意識が生まれ医療界全体が良い方向に向かっている。
・メディカルスクール制についてどう思うか??
メディカルスクール:米国のように4年間他の学部を卒業した後でないと、4年間医学部にいけない制度。日本の一部大学では学士編入制度などを導入している。
そうすべきであると思う。医師の質の担保という意味では、医師免許取得後に十分できていない現状では、入り口からある一定のフィルターをかけざるを得ない。そのフィルターの意味ではメディカルスクール制は役立つはず。
―大学4年間多く過ごしても必ずしも人間形成に役立つとは限らないのではないですか?むしろ人格が固定されていまい、可塑性というか感化する力が鈍って入ってくる方もいらっしゃるのではないか?―
大学が何かをしてくれるというよりは、同学年が働きだしているのに、その状況でさらに勉強しようという方はかなりのモチベーションを持っているはず。そして、周囲が社会人という状況が当人を育ててくれると思う。
・一般にドクターの方は世間一般常識がないと言われると思いますが、どうすれば改善できると思いますか?
むしろ、少しくらい世間から離れても真剣に仕事に向き合うべきであると思う。むしろ一般常識を身につけようとするエネルギーを、医学の勉強に振り向けて欲しいと思う。
上記はあくまで私見であって、公の意見でないことはご了承ください。そして、自分も寝不足+アルコールで意識清明とはいえない状態であったこともご留意願います。
日頃疑問に思っているが、なかなか同じ穴の狢同士で話し合っても限界があると思っていた。
やはり、この業界を一歩離れた視点でご覧になっている方にお話しを伺うのは、参考になる。
チャンネルを狭めすぎないように、心がけたい。