2010年1月31日日曜日

失敗の本質

失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)

グランドデザインの欠如→目的の二重性
現在の日本人、政治家、自分たちにも多いに通ずる点が多い。個々が優秀なだけに、皆で同じビジョンを共有するのは難しいのでは、とも考えられる。

過度の精神性重視→戦力の逐次投与、情報・索敵・諜報の軽視
お互いに行間から「察してくれ」というcontext richだからこそ通じる状態。普段はそれでも問題ないが、瞬時の判断が要求される組織では、問題が出てくる。

contingency planの欠如
不測の事態に対する計画がない。そのような事態について話しあうのは、必勝の気概を損ねるためタブーとしてしまう。可能性が0でない限り、想定しておいて損はない。

他者の敗退からも改善策を探求し、他にも広げる
真珠湾攻撃から学んだのは、日本ではなく米国であった。これからは海鮮の主軸が航空部隊になることを鋭敏に察知し、充実を図った。
面目を保つために失敗を隠すのではなく、自分はこんな経験をしたから同じような徹を踏まないように皆で共有しよう。

「坂の上の雲」がTVでも放映されていて、一種のブーム化しているが。
司馬遼太郎も日清・日露の一見華々しい戦果がいかに神格化され、その反省をされずに太平洋戦争に繋がっていったかを反復して記している。

図書館にあるので、ぜひ手に取ってみて下さい。