2010年5月29日土曜日

Personal Dhaka memo 4


ショッピングモールに行ってみた。
「Dhakaのイ○アス」だと勝手に思ってみた。
お世話になっているドクターの方々(バングラデッシュ人、米国人、日本人)と行った。

人ごみに行くと、「ガイジン」は珍しいらしい。
特に西欧の人は目立つようで、記念撮影を求められたりさながら有名人扱いのようだ。
東洋人はそれほど騒がれないが、「どこから来たの?」と聞かれる。
小学生の頃、社会科見学で偶然海外からの方が通りすがった時に「ガイジンだ」と騒いだら、引率の先生に怒られたことを思い出した。

「2012」を観た。150TAKA(200円程度)。
最初にスクリーンに国旗掲揚と国歌が流れ、全員が起立した。初めての体験で新鮮だった。
その後、途中で何回か映画が中断された。時には、休憩時間として(でも映画の展開は完全無視したタイミングで)、時にはテクニカルな問題で。
そしてエンドロールも途中で切られた。
日本人感覚だと、「金返せ」とかブーイングが起こりそうだが、こちらの人は万事「テキトー」。
この「テキトー」感がいいように働く時もあるし、うんざりする時もある。
日本の消費者ってサービス・品質にうるさいんだな。

「2012」の映像クリエーターの方に話を聴く機会があっただけに、舞台裏を少し知っているだけに、楽しみ方も少し変っていた。
マネーショットやVFXのシーンは基本的に画面の端の物体の動きに注目して、観ていた。
ハリウッド的には普通だろうが、少々VFXをやりすぎ感があり、逆にリアルに感じられないところもあったが。

要は現代版「ノアの方舟」。
米国のトップだけは、国とともに・・・というのはなんともハリウッドらしい。
現政権誕生前に、配役が決まっていたとしたら、先見の明ありと言えるだろうが。


その後、New Marketに行ってみた。
医学書もびっくりするような安い値段だが、乱丁も当たり前なので、よくよく吟味して買わないとならない。
バングラ歴2週間、ベンガル語は小学生レベル以下の自分には、このマーケットで値段を交渉し、中身を吟味し、買い物をする自信は全くない。
まず、相場がわからないので、最初に提示された額が高いのか安いのかを判断できない。そこの店が良心的かボッタクるのかも知っていないと判断できない。
そして、値段を下げたいにもうまく説明できない。「少し古めだから・・・」「他の店では・・・」と言いたいが、全くベンガル語ができない。
探している医学書があれば、買おうかとも思ったが、あまりメジャーな本ではないのかどれも見つからなかった。

ここでの生活は基本的には、値段は決まっていない。
リキシャ(人力タクシー)、CNG(天然ガス駆動の小型タクシー)に乗る時も値段を交渉すると、必ず「ガイジンプライス」を吹っかけてくる。
ガイジンを乗せるのは現地人に比べれば面倒なことだし、一般にガイジン=金持ちという印象があるらしい。
全てがこちらの買いたい額と、あちらの売りたい値段の妥協点を見出すことから始めるので、市場原理と駆け引きを体感できるので、余裕があれば楽しくはある。
時に例外的にFixed Price(値札付き)のマーケットもあるが、一般マーケットより割高なことも多い。

100TAKAはレート上はおよそ150円だが、こちらの人に取ってみては自分たちの1000円くらい。
幸いにも円が強いのは、自分自身のお蔭ではない。黙々と働いて現在の円の地位を築いてくれた先達のお蔭だ。
単純なレート上で考えると「安い」が、自分のお蔭ではないので、手放しに喜びたい気持ちにはなれない。
なるべく、現地の金銭感覚で生活するように心がけたい。

富裕層と貧困層の格差がものすごく離れている。
スラムや路上で生活している人もいるし、金に糸目をつけずにゴージャスな生活をしている人もいる。

そして、多くの人がベンガル語の他に英語も話せる。聞くところによると、国策で小さなころからかなり英語に触れあう機会が多いらしい。
もちろん医学・看護は英語で教えられるので、スタッフは全員英語を話せる。
特に国際的な研究機関とだけあって、その中でも流暢に話せるスタッフが集まっているのかもしれないが。

こちらでの生活は、他のどの国よりも(っと言ってもそれほど多くの国を訪れた訳ではないが)事故、疾病に見舞われやすい。
現地紙の一面を飾るのは、交通事故による死亡記事。
交通ルールは基本なく、運転が荒い。
道を逆走したり、リキシャが大通りを通ったり(大通りの通行は禁止されていることに一応なっている)
バスの運ちゃんも平気で熱くなって、カーチェイスを始める。

そんなここでもの生活ももう少しで折り返し地点。
絶対に一人では、ここまで来て、このような経験をすることはできなかった。
多くの有形無形の助けがあって、できたこと。
それだけに、これから期待されている分も大きく、背筋が正される気分だ。