2010年3月18日木曜日

2010年問題

製薬業界では、「2010年問題」が取り沙汰されている。

この問題は、大手の製薬会社の主力薬剤の特許が一斉にきれてしまう問題。
特許失効後は、後発薬(ゼェネリック)が安く大量に出回り先発薬が押されてしまう。

大量の研究費を投じて開発された新薬は、その分の利益を得ないとならないので、必然的に値段も高くなってしまう。
有効と考えられている成分の一部の化学構造を変えてみたり、非劣性を証明したり(既存の薬に比べて優れている訳もないが、劣っている訳でもない、つまりほぼ同等である)と様々な方法で新薬開発にしのぎを削っている。

先週あたりに某会社が特許のある薬を有している会社を買収したと、日経の一面に載っていた。自社での開発が間に合わないため、すでに特許のある薬を会社ごと傘下に入れる方が安上がりで済む。

少しでも安く安全な薬にしたい患者や国サイド、少しでも売り込みたい製薬会社サイド、に挟まれても冷静な判断をしないといけない。

製薬業界のモデル自体が転換すべき時期にきているのかもしれない。