2010年3月22日月曜日

特許とビジネスモデル

特許についてしばし考える2つの事柄に出会った。
・製薬業界の2010年問題
・Newsweekに載っていたアップルのタッチパネル技術についての特許問題

個の単位で考えると、特許や企業秘密にしておくことで、他者に対してアドバンテージが得られる。一方、全体で考えると、進歩発展が遅れる。

昨日のシンポでは、米国のVFX業界では
一本およそ100億円の制作費で映画が作られる→そのうち20-60%はVFXに→新しい映像技術が開発→次のVFXの学会で公表→広まる
という循環をしているらしい。
確かに一部には公表しない団体もあるらしいが、業界全体として共有する風潮があるため、そのような団体はマイナーらしい。

確かに莫大な投資をしないと作れないものは、一定期間その独自性を尊重させて、元をとるようにしないと、次の拡大再生産には向かえない。
しかし、特許という一定期間守られているうちに少しでも多く利益を得ようとするビジネスモデル自体が崩れかかっているのではないか。
利便性の高いものを供給→多くのヒトを集められる→さらにそこから新たなものを造る
というモデルが必要なのではないか。そのような意味で(あくまでも完全肯定する意味ではなく、一つの新しいモデルとしてはという意味で)Googleは一石を投じているのだろう。

行きつく先は、どれだけ持続可能性を担保しつつ、周りにも共有できるかというとこなんだろう。