2010年4月25日日曜日

ブランクとスキルアップ

メキシコからの学生と一緒に実習をしている。
自分は1ヶ月しかこちらにいないが、彼は3ヶ月カナダでその後アメリカで修行するらしい。
・・・1カ月ずつ3カ国行くだけ(3つ目は来年の予定)で意気揚々としていた自分を恥じた。
より自分を伸ばせるところを探すための競争は激しい。

必然的にお互いの国の医療事情や医療システムについてや自分の将来のキャリアプランについての話が多くなる。

「7月から2月までひたすら大学の卒業試験や日本の医師国家試験の連続だ」
と言ってもなかなか信じてもらえない。
確かに、試験のための試験のために机上に半年齧り付いていないといけないのは、せっかくここまで臨床感覚を学んできたのに、効率が悪い。
・・・いくらボヤいても、今ある環境でベストを尽くすしかないので、この辺にしておこう。

そして、自分のスキルを伸ばすために違う環境に身をおくためにどれくらいのブランクを許容するか?という話になる。
異なる環境で医療行為を行うには、試験を通ったり、途方もない書類仕事の山をこなしたり、とそれなりに準備が必要になる。そのためにどこまで現場から離れてしまう時間を許せるか。若いうちは無理がきくし、伸び盛りなので、その時期に周囲が着実に力をつけていく中、一人机上で悶々とするのをどこまで我慢できるだろうか。
臨床能力はその時期だけをみれば確実に下がっているし、周囲には水を開けられているだろう。そして、トータルでみても、counter culture shock(戻ってきて日本の状況に対応できなくなってしまう)や、decision making(最終的な診断・治療の決定)に生かされなかったりと
前途多難だ。

まとめると、将来への投資としてのブランクと、それに見合った将来のスキルアップ、を天秤にかけてどこまでやるかを決めないといけない。
要は、risk and benefitだ。

それとprivateの充実や、個人としての幸せはまた別の話で・・・。
ずっとハードル競争のような生活を続くよ、どこまでも。